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#1 地域包括支援センター
地域包括支援センターの相談員として働き始めて10年弱になりました。福祉の相談員としては25年以上経過。自分の働いてきたことを振り返りつつ、「包括」と略されることが多い地域包括支援センターについて発信できればと思い、「夕暮れの包括から」というタイトルにてまとめてみました。
これから週1回程度、更新したいと思います。よろしくお願いします。
【地域包括支援センターとは】
「地域包括支援センター」とは、65歳以上の方の相談窓口です(65歳未満の方は一部を除いて対象外です)。全国どこの自治体でも、おおむね中学校区の面積に1箇所を目安に設置されていますが、地域によって異なります。私の自治体には5つの中学校がありますが、地域包括支援センターは4箇所あります。相談は無料です。
【地域包括支援センターの業務】
相談内容は、生活上の困りごとや認知症に関すること、命に関わる緊急案件など、本当に多岐にわたります。「とりあえず包括に相談して」と説明する関係者も多くいます。
【地域包括支援センターの職員】
職員は、保健師(または訪問系の業務経験がある看護師)、社会福祉士、主任介護支援専門員のいずれかの資格を持っています。それぞれ専門性があり、相談内容によって振り分けられるのが理想ですが、実際には相談を受けた職員が一通り対応しています。一人で対応するのが心配なケースは、他の職員と相談しています。
なお、私の自治体では他に、生活支援コーディネーターと認知症地域支援推進員が地域包括支援センターに配置されています。私は認知症地域支援推進員と相談員(社会福祉士)を兼務しています。
【地域包括支援センターの現状・課題】
国の方針もあり、地域包括支援センターの業務範囲は拡大傾向にあります。最近では、家族介護者支援やヤングケアラー支援、高齢者の地域での役割開発などの業務が追加されました。
小人数で対応しているため、当然ですが限界があります。自分たちでは対応できない業務は、関係機関との連携により補っています。
【大切にしていること】
業務が拡大傾向にある地域包括支援センターですが、一番重要なのはケースワーク、いわゆる「1対1の関係」です。
会話の技術を中心に、観察力・洞察力・推測力などが総合的に求められるのがケースワークです。
優しい気持ちや人助けしたい気持ちだけでは一人前にならないため、技術は重要ですが、結局のところ相談員の人柄によります。つまり、「向いている」「向いていない」が分かれる業務だと考えています。
そんな地域包括支援センターの相談員として、さまざまな情報を発信できればと考えています。
次回は「総合相談」についてまとめます。