はじめに
私は自宅から自転車で数分のところにある零細企業のパートとして15年近く勤めていた50過ぎのおばさんです。
解雇通告を受けたのは勤務し始めてそろそろ15年目に突入かという時期でした。
元旦那とは20年前に別れて以来、音信不通。生死も把握していません。
実家に大学生の娘と身を寄せつつ、1日7時間勤務のフルタイムパートをしながら家のことをこなしていました。
両親は高齢で母は痴ほう、老衰初期段階。父は大きな病気を患ってはいるが今のところ日常生活に支障はないどころかスポーツジムに通っている状況。
私の娘は心身ともに弱く、高校生までは学校保健室から呼び出されて迎えに行くなんて日常茶飯事でしたので、融通がきくように正社員よりも働いた分だけしか給与が出ないパートとして勤務していました。こんな状況なのに正社員として働く勇気はなかったし、勇気はあったとしても肩身が狭くなって辞めざるを得なくなるでしょう。幸い、勤務先は比較的家族のことで休んだり早退するのは寛容な職場でしたし、特にお金には困っていなかったので先のことも考えず生きていました。
会社が危ないと聞かされたのは解雇を言い渡される約11ヶ月前のこと。社長が交代して3年目の出来ごとでした。