【Do or Do】
僕は基本的に、「自分でやった」という感覚を信じることにしている。だから、何かをやるべきかどうか迷ったときは、シンプルに「やればいいじゃないか」と考えることにしている。その考えがどこから来たのかといえば、24歳で初めてフリーランスになったときに遡る。
あの頃の僕は、何も知らない若者だった。専門学校でアシスタントとして働いてはいたものの、漠然とした不安が心のどこかに巣食っていた。だから、思い切ってフリーランスになることにした。もちろん、そんなことをしたところで、急に仕事が降ってくるわけではない。実際、何の仕事もなかった。僕はただの24歳で、誰にも知られず、誰の役にも立たない存在だった。
そのとき、僕はようやく自分が感じていた不安の正体を理解した。僕は「何者でもない」のだ、と。何者かになる必要がある。あるいは、誰かに気づいてもらう必要がある。
それから何年も経って、最近、人と話すうちに、ある言葉が生まれた。
「Do or Do」。
選択肢が現れたとき、僕には「やる」か「やる」しかない。「やらない」という選択肢は、そもそも存在しないのだ。もちろん、できないこともある。でも、それなら「どうすればできるか」を考えればいい。
そういうことだ。
24歳のとき、僕はすべての舵を「やる」ほうに切ることを決めた。誘いがあれば行く。機会があれば試す。興味がわいたら手を伸ばす。そうやって選ばずにやり続けていたら、いつの間にか、僕自身がよくわからない、得体の知れない存在になっていた。
それでも僕は、今も**「Do or Do」**を実践し続けている。もうすぐ50になる。
正直、体力的にきついと感じることもある。でも、身体のコンディションを整えながら、それでもなお、僕は「やる」ことを続けていきたいと思っている。