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俳優、草彅剛について(その2)

草彅くん主演の映画『碁盤斬り』が好評だそうだ。まだ行けていないが、早く観たくてうずうずしている。
 草彅くんが日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を獲得した映画『ミッドナイトスワン』あたりから、あたしは彼の演技に注目し始めたわけだが、現時点で草彅くんのキャラクター的にもぴったりの役は、NHKの朝ドラ『ブギウギ』の羽鳥せんせいなのではないかと思っている。もちろん、『ミッドナイトスワン』の凪沙役も素晴らしかったのだが。

 2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を結構ハマって観ていた。どのキャストも素晴らしかったのだが、梶原景時を演じる中村獅童について「これがはまり役ってやつか」と、思ったのを覚えている。
 で、草彅くんにとってのは、羽鳥せんせいではなかったかと、個人的に思っている。初めて「ラッパと娘」を歌うスズ子に、「バドジズしてないねぇ~」と何回もダメ出しする羽鳥せんせい、声を荒げていたわけではなかったけど、怖かったな~。そしてステージで「ラッパと娘」を披露したとき、スズ子の後ろで誰よりも嬉しそうに、楽しそうにタクトを振っていた羽鳥せんせい、忘れられません! スズ子よりノリノリだったし、観ているあたしたちをワクワクさせてくれた。草彅くんを草彅くんたらしめているものが、どっと溢れ出したとしか思えなかった。

 スズ子が引退すると切り出したときの、落胆が怒りとなる表現もすごかった。あの天才音楽家・羽鳥善一の感受性の豊かさを、視聴者の誰もが納得する形で見事に演じきったと思う。
 映画『碁盤斬り』の番宣で、地上波のバラティ番組などに出演している草彅くんを、「なんか羽鳥せんせいっぽいな~」と思いながら見ている。ほんと、おもしろい人だ。

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