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婚活暗黒期の反省
私は結婚相談所で100人出会って、夫と結婚した。
今は幸せいっぱいだ。
だがしかし。
婚活は今でこそ良い思い出だが、その最中はとてもとても苦労した。
クセモノ揃いのお見合い相手達との思い出もさることながら、苦戦続きだった一番の理由は、私の拗らせだろう。
婚活女の拗らせは、色んな方向で爆発する。
まだ出会ってもいない男性達をスクロールしては、プロフィールにいちゃもんをつける。
初対面のお見合いで、妊活への意気込みを迫る。
まあ、婚活男の拗らせもなかなかだけど。
もう40歳だから急がないといけないんだけどね〜、と言いながら20代を物色する。
"俺にとっての模範解答"付きで、面接よろしく上から目線でジャッジする。
お見合いした男性は100人、婚活コミュニティで出会った女性は更に多く、大勢の拗らせを目の当たりにしてきた。
そして婚活が長引いていた私ももれなく拗らせていて。
好きなものを注文して、という社交辞令
お見合いはの醍醐味はホテルラウンジでカフェである。
私は椿屋珈琲店の常連だったが。(結婚相談所の運営レベルにより、適当なお見合い場所を指定してくるところもある)
そしてお見合いのカフェ代は、男性持ちというルールである。
平日の仕事終わり、渋谷で待ち合わせ。今日のお見合いは、年上のジェントルマン。
「もう夜ですし、なんでも好きなものを頼んでください。お腹が空いていたら食事でも。」
たまにいる、お茶だけでなく好きなものを食べて良いと言ってくれる紳士様。
たまにいる、そんな素敵なお誘いは、コーヒーのお供であるケーキに決まっているが、今日は食事もいいと言うではないか。
迷わずお肉を注文した。
そしたら出てきたのが、フライドチキンの山だった。
手と口を油でギトギトにしながら、ジェントルマンが気を遣って話してくれるのを聞いていた。
私の仕事内容に合わせて話してくれるが、格上すぎて話が噛み合わない。
渋谷のセルリアンタワーに似つかわしくない、肉の油に塗れた汚い自分を忘れられない。
ご馳走してくれてラッキー、ではない。
こちらの品格が晒されるだけなのだ。
ヒールで一駅歩いて目的地へ
会った瞬間、今日はナイな、と思うお見合いもある。だけどそんなのはお互い様。1時間だけ笑顔でやり過ごせばいいじゃない。
待ち合わせたホテルラウンジは、満席だった。
お、と思って言ってみた。
「ちょっと行きたいところがあって、一駅先くらいなんですけど、一緒に散歩しませんか?」と。
お見合いの日、14時からフーパ(ときはなたれしすがた)のエピックレイドがあったのだ。
そう、私はポケモン大好きである。
ハマっていたのはポケモンGO。
未だに真面目にコツコツやっている。
一緒に歩いて公園に行って、彼は久しぶりにポケモンGOを開いて、一緒にフーパをゲットした。
そして、それっきりだ。
やる気のないお見合いで暇をつぶしていたときもあった。そんなときは決まって収穫がない。
やる気のないお見合いは、消耗するだけだ。
誠実に、楽しむ気持ちを忘れずに。