見出し画像

ANAで2人以上の往復便の片道1人分をキャンセルできるか

出来ません。諦めてください。

これが結論ベースで話すということです。就活生の皆さんはこの記事を煎じて飲み干してください。

世界の技術進歩は目覚ましく、シンギュラリティの到来により人類はAIに滅ぼされるのでは?とすら言われる昨今、ANAの公式HPでは予約便のキャンセルをすることすら出来ません。逆にその設定にする方が難しいのでは?と思うのですが、All Nippon Air Lineさんには永遠にシンギュラリティは到来しないのでしょうか。

いささか乱暴な結論すぎたので私の体験ベースにもう少し厳密に書いていきます。これから同じシチュエーションに頭を抱える人類軍諸君に捧げます。

私は友人AとANAで福岡に旅行に行くことになりました。日本の賃金はいつまでも上がらないので、当然75日前に往復SUPER VALUEで往復便を購入しています。2人合わせて。財務省くん見てる〜?
ですが私の会社は深刻な人手不足により、重要な打ち合わせにどうしても人が1人足りず、私がそこに駆り出されることになりました。そしてこの打ち合わせの時間がフライトの時間とやっぱドンピシャだったわけです。
ですがAにはそれは関係ないのでAはそのまま搭乗したい、私は往路便だけキャンセルして別の便もしくは新幹線で福岡入り、帰りはAと一緒に飛行機で帰ってきたい、という算段です。
そしてこれが達成できずにあえなく撃沈墜落したという話です。

以下にキャンセル時のパターン分けを記載しますが、ひとまずこれは「ANAの公式サイト」からキャンセルする場合です。

①-①グループ旅の1人分往復キャンセル(私が往復便をキャンセルしてAは残留)
こんなシチュエーション珍しいだろと思うんですが、これは出来ます。公式サイトから搭乗者を1人削除するだけです。

①-②グループ旅の1人分片道のみキャンセル(私が片道のみキャンセルして他は残留)
そしてこれは「往復便」の場合、その方の往復便は全て削除されます。グループ旅において1人削除するとその人の便は全て削除されます。
つまり1人の片道のみキャンセルは公式サイト上では不可能です。
だからなぜ一括削除にするのかと私は問いたいわけです。そういう隠蔽体質が安倍政権による統計改竄・森加計疑惑隠しを産んでモラルハザードを引き起こしてんだよもう終わりだろこの国。

②-①一人旅の往復便の片道キャンセル(Aがそもそも旅にいない場合、私の片道キャンセル)
これも出来ます。公式サイトからキャンセルするなりなんなりしてください。

②-②一人旅の往復便(往復割引付)の片道キャンセル(Aがそもそも旅にいない場合、私の往復割引適用の片道キャンセル)
ただこれは「往復割引」がかかってると途端に話が変わってきます。なんちゃら往復VALUE的なやつですね。
往復割引はあくまで往復だから割引されてるのであって、片道キャンセルになった途端にそれは片道なので、往復割引が理論上は適用されないはずです。
すわなち残った片道は往復割引が適用されない価格になるのではないでしょうか。あるいは往復便を削除して、通常価格で片道便を取り直すことになるのではないでしょうか。コールセンターによると、どうやらそうらしいです。(後述)

ここまで読んできた皆さんは大体お察しかと思いますが、「ANAの公式サイト」でキャンセルする場合、2つ以上の条件を織り込むことは出来ません。キャンセルのために指定できるのは1つの条件のみで、「グループのうち1人を全て削除」か「一人旅の片道を削除」の2通りのみです(もちろん「全てを削除」は出来ますよ)。「グループのうち1人×片道を削除」という条件は指定できないということです。

まじでなんで???????

このぐらいの設定も用意できないのによくもまあ快適で安全な空の旅なんて言えたものです。インターネットの海は航空会社には些か乗りこなすのが難しいんですかね。

さて本題に戻ります。
グループのうち1人の往復便の片道を削除したいと思った場合、まず公式サイトからのキャンセルは出来ないと心得てください。当然チャットサポートからも出来ません。あれはただのインテリアです。

というわけでANAのコールセンターに電話をかけることとなります。ちなみに平日の午前中に私は電話をかけたのですが、

1時間待ちでした。

これ土日とかだとどうなっちゃうんですかね。というか公式サイトからもっと出来ることを増やせばいいのでは?私だって平日の昼間からコールセンターにわざわざ1時間も待って電話したくないですよ。Yahoo!知恵袋で調べたら1時間の電話代はおよそ2,500円ぐらいみたいです。熱海に行けますね。JRで。

まあコールセンターにも働いている人たちがいるわけで、雇用を増やすためにあえてこんな仕様にしてるんでしょうな。クソ喰らえです。

というわけで皆さんの1時間を無駄にしないために、この先コールセンターで起きることをお伝えします。

③-①グループのうち1人分の片道のみ削除で、往復割引が適用されていない場合
これはキャンセルできるみたいです。てめえタイトルで嘘ついてんじゃねえかと思ったそこのあなた、嘘を嘘で見抜ける人でないとインターネットを使うのは難しいです。
というか厳密には往復便を削除して、片道便を通常価格で取り直すことになるのではと思うのですが、そもそも通常価格で取っているならノーダメです。
ただ往復便を取って往復割引を使ってないなんてことあるか?と思いますが。ですので普通は③-②になるのではないでしょうか。

③-②グループのうち1人分の片道のみ削除で、往復割引が適用されている場合
これはキャンセルできません。②でお伝えした通り、往復割引はあくまで往復あってのものなので、「往復割引が適用されている往復便」が丸ごと削除されます。だからなんで一括削除なんだよ、そういう隠蔽体質が(以下略)。
そして往復便を全て削除した上で、改めて片道便を取り直す(結果的に片道をキャンセルしたのと同じ状態になる)ということです。つまり結局1人分をオールキャンセルして、残したい便を取り直すということです。
世が世なら普通に革命起きてます。この世界は美しくないですよねラファウ君。

さて、グループのうち1人分の往復割引適用の往復便の片道キャンセルについては、結局公式サイトから1人分を削除して、その1人が別でチケットを予約し直すことになるというわけですが、皆さん、何か忘れていませんか?

そう、キャンセル料です。

ANA様のキャンセル料は以下のように定められていますが、要するに「1ヶ月前にキャンセルするなら半額払え」ということです。

ANA様の公式サイトより拝借


どんだけ店主が腐ってる居酒屋でも当日まではキャンセル料取らないでしょう。この世でこんなに早くからキャンセル料を取りにかかるのは飛行機と結婚式場ぐらいなもので、自分たちをインフラと名乗るのを早々にやめていただきたいです。

ということで話を戻すと、
グループのうち1人分の往復割引適用の往復便の片道キャンセルについては、結局公式サイトから1人分を削除して、その1人が別でチケットを予約し直すことになるが、予約し直す時は大抵割引が適用されない通常価格で、なおかつ過去のキャンセル分についてはキャンセル料がおよそ半額発生する(しかも往復)ということです。(実際には既に支払いを終えていると思うので、半額のみ返金という表現が正しいです。)

例えば片道1万円往復2万円で航空券を取っていたとします。キャンセルすると半分の1万円を支払い。さらに通常価格で片道3万円往復6万円の航空券を支払い。トータル7万円。プラス5万円損失が増えています。

ここで重要なのは「キャンセルの必要のない残りの片道分もキャンセルし、通常価格で再度取らないといけない」ことです。ANAのシステム上、これが強制されるわけですが、ここさえスキップできれば(というか普通に片道のみキャンセルできれば)万事解決ではあります。キャンセルする側にも一定の否はありますし。いや無いですね。

そうなってくると我々が取る手段は「1つ」に絞られてしまいます。そうです。

片道ブッチです。

片道の搭乗を放棄するということです。そうすれば正規の手続きではキャンセルしないといけなかったもう片道分は残したまま、乗りたくない片道のみぶっ飛ばすことができます(キャンセル料の半額返金はありませんが)。多くの場合、これが最も支出を抑える選択肢になるはずです。
そしてANAの公式サイト等では、自分がブッチするぞということをANA側にお伝えすることができません。というわけで。

タイトルへの回答は「片道無断ブッチ」になってしまいます。もうこうするしかないのです。サイトのシステムと価格のシステムを考慮した結果、こうするしか無くなってしまうわけです。エンゾくんもびっくりです。

はっきり言ってこっちの方がANAにとって支障が大きいような気がします。ANA〇〇便にご搭乗予定の〇〇様〜が永遠に空港に響き渡りますが、我々はあなたたちにそうすることを選ばされたのです。私たちは買われた!存分に被害者ヅラしながら、新幹線で目的地まで行こうぜ。JR最高。

最後に、これは私が考えて言い出してるわけではなく、オペレーターのお姉さんにこう言われました。これが最適解になるのでこれを選んでくださいと。ちなみに搭乗放棄したら空港に行くことはないでしょうが、空港窓口にそれを伝えに行くか、あるいは電話でオペレーターに搭乗放棄することを伝えることもできました。1時間電話待ちになりますが、あなたの携帯キャリアの利益のために頑張って待ちましょう。楽天モバイルは早く東京全域の通信を改善してください。

私は昔ANAをうっかり使ってしまった名残でANA経済圏に閉じ込められ続けていましたが、もしJALはもっと融通が効くのではあれば、このマイルを全て放棄してJAL経済圏に移動したいと、この件を通して思ってしまいました。
ただまあ、正直、多分、そうなんでしょうね。

ANAのCAはキツネ顔で、JALのCAはタヌキ顔です。好きな方を選べば良いと思います。ちなみに僕はジェットスターのアライグマ派です。

(おわり、ANAに多額のキャンセル料を支払った作者に、応援のご布施をお待ちしています)

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?