ニュルンベルクの開会宣言

もっとも古くて大きなクリスマスマーケットの一つ、ニュルンベルクの中央広場では、金曜日の夕方５時半にクリストキントがマーケットの開会宣言を行います。

１００以上の屋台が立ち並ぶ広場に面した、フラウエン教会のバルコニー前に、人々はその時刻を待ち望みます。私たちも１時間以上前から良い場所を探して、待ちました。底冷えがする石畳の広場。

聖歌が歌われ、ファンファーレが鳴り響き、クリストキントがバルコニーに姿を現わします。２人の天使を従えて。クリストキントとは「子どものキリスト」のこと、こちらではサンタクロースの代わりに子どもたちに贈り物を届けます。

実際には地元市民から選ばれた若い女性がクリストキントを演じます。金の王冠ときらびやかな白い衣装と金の翼のような袖を広げて。彼女は広場の人々に語りかけます。その最後の部分はこう締めくくられます。

贈ることの意味を一番良く知っているのは、世界の子どもたちや貧しい人たちです。かつて子どもだった皆さん、今日ふたたび子どもになった皆さん、それぞれのやり方で楽しんでください。クリストキントは、あなたたちをこのマーケットに招きました。訪れる人たちを誰でも歓迎します。

第二次大戦敗戦後に始まったというこのスピーチ、皆の心がホットワインとともに温まるようです。