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夢のはじまり〜伝記伝〜

「自分の伝記を作る」

いつからだっただろう。こんな野望を持ち始めたのは。

伝記を初めて読んだのは小学生の時。もともと本を読むのが好きだった私は、その日も図書館に向かった。何か面白いものはないか、と棚を漁っていると、偉人たちの漫画を見つける。よくある話だ。恐らく、9割の小学生が、漫画読みたさで伝記を見つけているのだろう。(私調べ)いろんな伝記を読んだけど、その中でも印象的だったのはアンネ・フランク。当時小学生の私には少々荷が重い話だった。要所要所で涙を流したのを覚えている。一番涙を流したのところは、アンネが家を出ていかなくてはならなくなり、飼っていた猫をその家に置いていくシーン。動物が大好きだった私には、なんとも荷が重い話だった。ここが私の涙のハイライトになるぐらい、まだ未熟の時代に私と伝記は巡り合ったのだ。

その後は特に伝記との思い出はない。が、しばらくしてから、歴史の教科書に載るという野望を持ち始めた。別に、学校の教科書になるような歴史である必要はなかった。なんか、コンクリート専門家だけが読むコンクリートの歴史の中とかにひっそりと載ってみたりしたかった。地位とか名誉を得た上で歴史に名を刻みたいとかでもなく、ただなんとなく、歴史の教科書に載りたかったのだ。そうして歴史の教科書に載る方法を考えているうちに、昔出逢った伝記のことを思い出した。

どうせ載るなら自分の人生に年表つけてやりたいな。そんな思いから始まったこの夢。

現代はなんて素晴らしい時代なのだろうか。こんなにも簡単に誰でも言葉を、人生の断片を残すことができる。今は誰にも読まれなくても、いつか、ピカソのように、私が死んだずーっと後に、この記録をもとに私の伝記ができることを願って。

私の夢が始まる。

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