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えのき未消化罪

僕が食卓に着いたころ、もう家族は夕飯を食べ始めていた。母親が怪訝な顔でこちらを見ている。三か月も仕事をしていないとなるとさすがに肩身が狭い。

不意にインターホンが鳴った。

「○○県警の者です。こちらに◆◆
さんはいらっしゃいますか?」

母親が自分に目線を向けた。

「貴方にえのき未消化罪の容疑がかかっています。今すぐ署までご同行願います。」

「どういう意味ですか?」

「あなたの便から未消化のえのきが検出されたと水道局から連絡がありました。」

冗談がすぎる。テレビの安いドッキリでもこんな演出はない。一体何に付き合わされているんだ。

「その...なぜ僕がそれで罪に問われるんですか?」

「便が流された時間帯、家にいたのは貴方だけです。」

「いやそういう事を聞いてるんじゃなくて...」

「いいから来い!」

どうやら僕は寝ている間に未消化のえのき便を小腸に抱えたままえのきが違法植物指定になっていて下水の成分を逐一国にデータ管理されているサイバーパンクディストピア並行世界に移動してしまったらしい。

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