BadBuddySeries

2022年2月12日 03:28

※ネタバレに配慮していません。未視聴の方の閲覧は自己責任です。ご注意ください。※

記念すべき１作品目は、今年１感動しドハマりした作品の備忘録。
まだ2022年初頭なのに今年１は早すぎない？と思うかもしれませんが
間違いなく、今年１です。

▽ あらすじ

パーン（Ohm）とパット（Nanon）の両親たちは、激しいライバル意識を持ち、長年にわたり何かにつけて競い合ってきた。その影響で、幼い頃からお互いを意識しながら張り合ってきたパーンとパットだが、そんな生活に疲れてしまった2人はついに仲良くなることを決意する。しかし、両親の手前、自分たちの友情は隠さなければならず…。
（引用：テラサ公式サイトよりhttps://www.telasa.jp/series/12059）

▽ 友達になれない二人から、友達ではいられない二人へ

まず言いたいのは、うん十年の腐女子歴において私は
ライバル関係に一番の萌えを感じる人種です。
歴代の推しCPは軒並みケンカップルばかり。対等な関係、嫌いと言いつつ突っかかっていく。そんなキャラクターや関係性に萌えずにはいられない。
拳で語り合うような推しCPが死ぬほど好きです。
そんな性癖を持つ腐女子なので、そもそもタイトルの時点で惹かれないわけがないんですよね。
『 Bad Buddy 』直訳すると『悪い相棒』
こんなの………好きじゃん(頭抱え)

そしてあらすじを読んでもっっっと惹かれました。
家同士もライバル、本人たちは幼なじみなのに強制的に相手と張り合わなければいけない境遇…。
どんな話になるんだろう…。と期待を胸に作品を調べてみることにしました。
その時点ですでに、放送日にはTwitterで話題を掻っ攫ってる作品だったので、大勢のオタクが*BBS（＝*BadBuddySeries）に心を撃ち抜かれていることは知っていましたし、主演のOhmくんとNanonくんが高い演技力を誇る有名な役者さんだということ、それゆえに製作発表のときから視聴者の期待値が大変高かったことなどもツイッター等の情報でなんとなく把握していました。

そして私が調べていく中で一番興味を惹かれた理由はここです↓
Nanonくんは*Yシリーズ（＝*BLシリーズ）出演が初めて。
初めてのYシリーズ出演を決めた理由が、友達のOhmくんとAof監督との作品だったから。

BBSファンにとっては今や当たり前に知っている情報の一つですね。
これには衝撃を受けました。

タイでは大手テレビ局がYシリーズの作品をバカスカ生み出し、そしてヒットを掻っ攫っていくことが当たり前になるぐらいに、Yシリーズが身近なもの。
それでもYシリーズではない作品に出演してすでにヒットをだし、評価を得ていたNanonくんにとって、Yシリーズに出演するという事実が役者人生において必ずしも必要なことであったのか、メリットがあると思えるものだったのか。
今となってはわかりませんが、オファーを受けた当時、Nanonくんがどう感じていたのかを想像してみると、メリットデメリット半々だったのかなと個人的に（勝手に）思っていました。

日本でのBLを取り扱った作品の見え方や立ち位置と、タイでのYシリーズの見え方・立ち位置は並び立っているものではないので一概には言えませんが、タイでYシリーズが成功したときの爆発力や海外（インターファン）からの反響はとても強いと思います。すでに評価が高く有名だったNanonくんの名前も、さらに広く知れ渡る可能性がある。

だけど反面、Yシリーズにおける役者の“売り方”は特殊なものなので、多くのファンからの期待も“演技”の面だけで留まるとは限りません。もしかしたらその期待がいつか厄介だと感じてしまうものかもしれない。きっと、じっくり考えられたのだろうと思います。
それでも、Nanonくんはこの仕事を受けた。
そしてその理由の一つがOhmくんだったこと。
元々共演経験もあり、仲も良く、演技の面においても互いに信頼をおける相手である。しかも相棒のOhmくんはYシリーズの常連で、その点においてとても頼り甲斐がある相手だったでしょう。
そんな相棒とだったら。“友達”から“恋人”に変わる初めての挑戦も悪くないと思えたのかもしれません。

・・・・・この時点で『BadBuddySeries』のストーリーにぴったりだと思いませんか？

この作品、そして役者においてとても重要なキーワードが“友達”であるということに、めちゃくちゃ運命を感じました。
監督も、脚本も、役者も。全てが運命的に出会うべくして出会ったのだと。

製作発表が終わった後、NanonくんはYシリーズに参加する緊張や不安がピークに達していたそうです。そんなNanonくんと二人で納得がいくまでじっくり話合ったのだとOhmくんは語っていて、そんなところからも二人の信頼関係が伺えますね。

前置きが長くなりましたが、長年の友人だった主演二人が織りなすラブコメ。面白くないわけがないよね？と絶大の信頼と期待を持って、観始めることにしました。
この選択が、大当たりだったことは言うまでもないです。

ここからは、好きなシーンを抜粋して感想を記録します。

▽ 1話協力関係

物語は、パット（Ohm）が高校生のころある事情で転校していったはずの宿敵パーン（Nanon）と大学で再会するところから始まります。
二人は工学部と建築学部という大学内でもライバル関係にある学部にそれぞれ所属していて、しかも揃って学生代表（リーダー）に選ばれている。
またしても必然的に、ライバルとして張り合わなければいけない関係性におかれてしまったのです。
だけど、パットにはパーンを傷つけられない理由がありました。
それは昔、妹のパー（Love）が溺れかけていたところをパーンが助けてくれたからで……。
という始まりの1話。

1話を初めて観終えた時の私の感情はとにかく、

お、おもしれ〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！！

この一言につきました。

とにかくテンポが良い。キャラクターたちの説明・紹介を飽きさせない演出で魅せつつ、パットとパーンが自分たちの置かれている状況に巻き込まれていく様子がコメディタッチで描かれていて、だけどその中に、二人が抱えている切なさもちょっぴり感じさせるような作り方。
何よりパットとパーンの二人がとっても可愛いシーンが多かったのがよかったです。キャラクターたちを魅力的に描くのがお上手な監督だなと感じました。

1話の好きなシーンを紹介します。
まずはここ。パットがパーンの実家の部屋に忍び込むシーン。

最終回まで観終えた今では、まだこの時点の二人にとても距離があるのが伝わってきますね。
ただこの姿が、二人の過去に重なっているのも憎い演出だったなと思います。
主に第三者からの視点で見たとき、敵視しあい、嫌いあってるはずの二人が手を組むことになり、今作初めて拳を合わせるシーンでした。

私は、それが望んでだろうが望んでではなかろうが、
拳を突き合わせるCPが死ぬほど好きなので、すでにここで昇天でした。
この作品は間違いないと確信までしてた。（ちょろい）
からの、このシーンです。

共謀を企んだ二人が、仲間たちとの喧嘩をどうにか止めるために協力しあった際の表情のやりとり。

いや！！！もう仲良しやん！！！！！！！！！！！！！！
そう突っ込まずにはいられなかった。
最初のシーンで問答無用に殴り合っていた二人だとは思えない。
でもパットとパーンが互いに対して見せるこの表情の理由や感情の意味は見進めていく毎にどんどんと理解できていきます。

からの、作戦が失敗し喧嘩になってしまったあと
それでもこうして互いにやりあったのだから、もう仲間たちも落ち着くだろう。と互いの健闘を称えあった二度目の拳キス（勝手に命名）シーン

しかし直後、二人揃って先生に叱られる（笑）
ここ可愛くって大好きでした。
それにしても、OhmくんとNanonくんの腕の太さの違い……。
最高に萌える。

最後に、1話と言えばここは外せません。

今後のためにも連絡先を交換しようとする二人。
だけど、どちらが先に友達追加するかで結局揉めて（笑）
子供染みた攻防を繰り返しながらも、ID検索をして同時に追加すればいいのではという提案を信じる単純なパットと一枚上手だったパーン。
本当に可愛いシーンで、かつ、第三者がいないときの素の二人ってずっと互いがこうして気のおけない相手だったんだろうな……と感じられるシーンでした。
本当にこのシーンが大好きですし、Aof監督の遊び心があって、とても自然にキャラクターたちの人となりを魅せることのできる演出の仕方が憎いです。

▽ 3話パットの魅力

3話は個人的に名シーンの宝庫だと思っています。
まずは外せないこちら。イケメンピック事件（）

こんなことってある！？！？！？
と初見は思いました。パットあまりにもいい奴すぎんか？？？？？
それか物に頓着しない質なのか。（それにしても親が泣くぞ）
でも、こんなことをさらっとやられてしまったら

そりゃあこんな顔にもなりますわなァ！！！！！！！
嬉しいに決まってるよ。だって相手は、いつも何かと張り合ってるパットです。鼻で笑って、放って置かれてもおかしくはない立場。
このあと別のシーンで出てきますが……パーンはパットのことを
「困ってる人がいたら必ず助けてくれる」と思っている節があります。
確かにパットは優しく、頼られたり、困ってる人を放っておけない生粋のお兄ちゃん気質だと思います。
でもパーンに対しては他者と比べてずっと特別です。
それは無意識じゃなくて、意識的に手を差し伸べてるから。

君だから、パーンに笑ってて欲しいから。パットの原動力はいつもそこからきているんだよ。と思わずにはいられない、こちらの笑顔。

本当に嬉しそうで満足げで・・・・TT
パットのこういうところが、本当に好きです。
パーンが惚れるのもわかるよ・・・・

さらに、同じようにパットの感情が伝わるシーンが続きます。

パーンのために何かしてあげたい。
ちょっかいをかけ、揶揄い、ふざけながらも、常にパーンのことを思って、守ろうと行動しているパット。
そしてそんなパットを鬱陶しがりながらも、心の奥底で嬉しく思ってしまうパーン。

図書館のシーンも、プレゼンのシーンも、とても素敵でした。
常にわちゃわちゃ喧嘩しながらすすむストーリーをコメディに描きながらも、二人が互いを想い合う姿が見え隠れします。
表情で、態度で、言葉に表さない気持ちが伝わってくる。
3話はそんなシーンが大変多くみられました。

それはバス停でのシーンにつながっていきます。

理論的にあれこれ考えて行動するパーンは、バス停の建築作業にもその一端が見えます。
対してパットはとにかくやってみよう！スタンス。
想像し、考えるだけじゃなくて、実際に体を動かしてみたらわかることもある。
実践的な考え方なら任せろ！とパットが手を差し出し、二人でカップルを演じながら、実際の使用者の立場で見えてくる問題点や改善点を次々と潰していきます。
二人でいたら最強なんじゃないか。そう思わせる相性の良さを、ここでも見せつけてくれます。
何よりパットもパーンもとにかく楽しそう。多分半分、OhmくんとNanonくんの素が出ちゃってる。
でもそこがいいんです。実際の二人の関係性や仲の良さが滲み出ているからこその空気感がある。

そしてここでも、二人でカップルを演じながら考えてみようと提案したパットのセリフがとても印象的でした。
「俺は工学部の男子、お前は建築学部の女子で…」と提案したかと思ったら「ふざけるな」と一蹴するパーンに対して次々と
「じゃあ男同士のカップルは？」「それならお前が男でいい、俺は女」と立場を変えていきます。
パットには思考の柔軟さがあり、そこが頭で考えがちのパーンを助ける術にもなるし、何より二人の関係が近づくきっかけにもなる。
そして立場にも拘らない。パットとパーンが互いにとって特別で、大切な相手であるという事実が違わなければ、どちらが男でも女でも、攻めでも受けでも違いはないのです。パットにはそんな一面があると理解できるシーンになっていました。

Aof監督がOhmくんとNanonくんにどっちが攻めで受けかという設定を伝えることはなかった…と、Nanonくんたちが言っていたのを思い出します。

この作品の魅力は公式によって
・どちらが攻めで受けかの固定がされていない
ということと
・リバの可能性を想像させる
ところが要素としてあります。
リバの可能性においては、腐女子にとっては最重要な懸念事項だと思います。だけど私はそこがとても魅力的だと思いました。
何より、すごくリアル。
対等な立場の男の子同士が惹かれあったときの恋愛を、極力リアルに近づけながら描こうとしているんだなと実感できました。
必ずしも、自分がトップで相手がボトムだと決まっている相手と恋愛できるなんてことは、ありませんよね？（その辺りを確認して近づいていくなら別ですが、パットとパーンに関してはお互いが初恋なので当てはまりません）
関係性に余白を設け、オタク（視聴者）に解釈の余地を残してくれているところも、監督の手腕だな〜と思っています。上手い。

そしてこのシーンではOhmくんの逸話が残っていますね。
パット「いいバス停ができそうか？」
パーン「うん。でもみんなが気に入ってくれるかは……」
パット「心配ない。俺は好きだ」

「俺は好きだ」と言ったところの、このパットの表情、視線。
視聴者はすっかり勘違いしたことでしょう。（私もそうでした）
あくまで“バス停”のことを「好きだ」と言っているけれど、視線はパーンに向いていて、Ohmくんのセリフへの情感の込め方や囁き方が完全に好きな人への“それ”だった。
パットは絶対にパーンのことが好きじゃん！！
そう思わずにはいられないシーンでした。
このシーン、監督はOhmくんに「この時のパットはパーンに恋愛的な感情はない。そう自覚していない。だから感情を込める必要ないんだ。あくまでバス停のことについて話すだけでいい」と演技指導をしていたそうです。
だけど、何度挑戦しても、Ohmくんのセリフに“パーン”のことが好きだと言う感情が乗ってしまう。
ここはOhmくんも難しいシーンだったと語っています。
Ohmくんは若いけれど、ど新人の役者ではありません。いくつも出演作があり、評価も得ている。小手先の技術で、さらっと終えることだってできたはず。
でもそうしなかった。感情が乗ってしまうことを抑えなかった。
結果として、そんなOhmくんの演技をAof監督は採用しました。
よって、素晴らしいシーンが出来上がった。
このあとの4話以降〜のパットについての解釈とそれに振り回される視聴者の感情を揺さぶるようなシーンとなりました。

そして、最後に、パーンがすっかり失くしたと思っていたギターを、ずっとパットが保管していたとわかったシーン。

パーンにとって、パットはどこまでもヒーローなのです。
でも、パットにとっても、パーンはヒーローなんです（号泣）

無事に音楽祭にも出演することができると知って喜ぶパーン
互いに発破を掛け合う中で……
パーン「俺と勝負だと聞くと喜ぶよな」
パット「好きなんだ」
ーーーーーーーー（ためて）
パット「お前の悔しがる顔が」

パーン「（この天然人たらしが〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！！）」
パーンのそんな心の声が聞こえてくるような甘い（？）ラスト
最高でした。

▽ 4話すれ違い

3話はパーン含め、視聴者にとってもパットに惚れざるおえないような見せ方がなされていました。
友達になってはいけないと言われていたって、どうしようもなく好きになってしまうパーンの気持ちがよく理解できた回。
でもパーンの感情だって、明言はしてはいませんでした。
だけど、4話でそれが爆発します。
インク（Milk）の登場によって。

インクは二人の高校時代の同級生でした。

事情があり、パットとパーンは友達であることを隠していると伝え、それに協力してくれるインク。
だけどパーンは、パットが高校の時からインクのことを“恋愛”的な意味で好きなのかもしれないということに気がついていました。
秘密を共有することで再び近づいていく、パットとインク。その姿をみているのが辛いパーン。
パーンはたまらず、インクに「パットが好きか？」と確かめます。
だけどインクは「あなたと同じ、ただの友達としか思ってない」と答え、パーンは安心します。
しかし、その様子をみていたパットが、パーンはインクのことが好きなのかもしれないと勘違いを起こしてしまいます。（いや、なんで？）

そして互いに、互いがインクのことをどう思っているのか確かめ合うベッドでのシーン。
インクのことが“恋愛的に”好きなのかどうか、せーので答えようとパットが提案する。

「いいや（好きではない）」
と答えるパーン
「好き（恋愛的な意味で）」
と答えるパット………

なんでやねん！！！！！！！！！
3話までのパットは確実にパーンのことが好きでした。（表情や行動がそう語っていました）
お前……自分の気持ちに鈍いにも程があるだろ………
そう思いながら、
パットがインクのことを好きだと勘付きながらも、直接本人の口から聞いてしまったことにショックを受けるパーンの表情にやられて、パットどころじゃありません。

この、涙を耐えて耐えて、薄い膜を張りながらも
パットと話している間は涙を流さないよう普通に努めるパーンが
切なくて切なくて………
ふざけんなよ、パット！！！！！！！！！！！！
この天然人たらし！！！！！！！！！！！（2回目）

しかしこの天然人たらし、このあとさらにパーンに追い討ちをかけます。
自分がインクに好きになってもらえるかをパーンに聞くのです。
しかも、自分の良いとこをあげていくとき、
パットが挙げた言動は全てパーンに対してしてあげたこと。

パット「好きになってくれるか？」
そう聞く、パットの残酷さ………。
パーンはもう、お前のことが好きだと自覚してるんだよ……。
この、パットとパーンとインクの気持ちのズレが絶妙で
交わすセリフのすれ違い、言葉遊びがすごく上手でした。

我慢していた涙がついに溢れてしまうパーン。
そしてパーンはパットに言うのです。
「お前なんて大嫌いだ」

言葉と表情が正反対の気持ちを表現していました。
Nanonくん、本当に天才。素晴らしい演技力。Nanonくんの演技力に脱帽です。
その後パットが寝てしまったあと、フラれたも同然の状況なのにも関わらず、パットの寝顔を見て思わず笑顔を漏らしてしまうパーンが、また切ない……。

相手が自分を想っていなくても、パットが好きだと言う事実は変わらず胸の奥にあって、きっとそれは今に限ったことではなく、高校時代、それよりもっと前からパーンが持ち続けていたものなのかもしれない。
きっとパーンはそれに慣れていて、
でも今回はっきりと事実を突きつけられてしまったからもちろんショックを感じているんだけど、
パットがパットである限り、パーンがパーンである限り、
互いの想いが通じ合っていようがいまいが
結局のところ二人の関係はこれからも変わらないとわかっているからなんですね。
だって二人は友達にもなれない、そんな立場だからです。

このシーンが次の伝説の屋上のシーンにつながってきます。

▽ 5話伝説の屋上

BBSファンはずっとこの話数から逃げ帰って来れないですよね？
みんなそうだとわかっています。
OhmくんとNanonくん本人たちもこのシーンが気に入っていますし
Behindが上がった今では、より涙なしで見られない回となりました。

5話では、ついに音楽祭が開催されます。

高校時代。二人は初めて一緒に曲を作りました。
歌詞にしたいことはあるけど、どう表現したらいいかわからないと悩むパーンに、それって俺たちの境遇と似てないか？俺たち自身を元にして書けばいい！とアドバイスするパット。

だけど二人は、その曲を披露できるはずだった機会を突然、両親に奪われてしまいます。

どちらにとっても、心残りだった曲。
その曲を、パーンは音楽祭で建築学部の仲間と演奏します。

きっと、パーンにとっては、パットへの恋心を吹っ切るためのきっかけにしたかったのかもしれない。
大切な、パットを想って作った曲です。二人で最後まで演奏できずに終わったあの日から、ずっと燻っていたもの。複雑な感情や未練に踏ん切りをつけるため、あえてこの曲を選んだんだろうと思います。
（だって、直前までパーンは新曲を作ろうともがいていましたしね）

しかしこの選択が、パットに嫉妬の火を付けました。

戸惑うような笑顔から、どんどんと怒りに固まっていく。
Ohmくんの表情変化が素晴らしかった。
普段の本人自身のキャラクターからは、こんなにも細やかな演技ができる役者さんだと思わせないところがまたすごい。

そして、大絶賛されたOhmくんの例のシーン。

いろんなところで取り沙汰され、大絶賛されていたここ。
音楽祭が終わり、ワイ（Jimmy）と帰宅してきたパーンに向けて
（二人で話したいから）「来いよ（マーニーディ）」と声を掛ける。
好きな人（パーン）には優しくありたいと思うパットだからこそ、甘さと優しさを含んでいて。
だけれど、二人の大切な曲を自分以外の誰かと演奏したことへの嫉妬に駆られている深い怒気と焦燥をも抱え、耐えてていることが声色と全身から溢れ出ていました。

そしてそんなOhmくんの演技に当てられたJimmyくんの演技も素晴らしかった。

Jimmyくんは今作がほとんど演技初挑戦だったそうです。
それにも関わらず、このとても熱く、重要なシーンで
「初めて役が“降りて来る”という感覚がわかった」と言っていました。
OhmくんとNanonくんが引きだしたケミストリーの結果ですね。

5話は屋上のシーンがとても印象的ですが、
その前にあるこの３人の喧嘩のシーンも大変素敵なシーンとなっています。
ここが熱く真に迫ったシーンとなっていたからこそ、
屋上のシーンがあれだけ際立ったのだと感じます。

さて、その屋上のシーンですが、ここはもう一連で流れを見てもらうのが一番良いので、YouTubeのリンクを貼ります。

伝説のキスシーンです。
パーンが建築学部の友人たちと二人で作ったあの曲を歌ったことに憤りを覚えていたパットは「他のやつと歌うな」とパーンを問い詰めますが、しかしパーンに「俺が作った歌だ。お前には関係ないだろ」と返されてしまいます。
さらに、そんな独占欲を見せるパットに対して
「俺をどうしたいんだ？俺たちは友達ですらないのに」と突き放します。
その後からの二人の会話がこちら。

パット「そうだな、友達じゃない。
親はいがみ合ってて、隣同士なのに話すこともできない。
何をするにも張り合わなきゃならない。
だから、お前が転校したあとはめちゃくちゃ最高だった。
ライバルが消えて、気楽だったよ。
お前の成績も部活も気にしなくてよかった。

だけどな、死ぬほど寂しかった。

今の俺たちって、なんなんだ？
もし敵じゃないなら、友達になれるか？」

パーン「なぜ？友達がいいのか？」
パット「・・・・・嫌だ」

この……パーンに（自分たちの関係は）「友達がいいのか？」と聞かれた後の
パットの「嫌だ（マイ）」が絶妙〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！！
Ohmくんの囁くような言い方が、自分の見つめ直した感情を絞り出しているような、吐息まじりの本音で、最高にエッチで切ないです・・・。

その後、衝動に動かされてする二人のキスは、ぜひイヤホンをつけて観て欲しい。リップ音と漏れる吐息がさいっっっこう〜〜〜にエッチで良き。

Behindが出て、この屋上のシーンは全ての撮影のラストシーンだと発覚しました。
OhmくんとNanonくんはこのシーンについて、キャラクターが勝手に動いた。と言っており「ここまで深く役に入れることはもうない」と感じたそうです。
それぐらいパットとパーンが二人に同化して、二人はOhmとNanonであり、パットとパーンであったことがわかります。
このキスシーンは、想いが通じ合ったように見えて、実はそうではない。ただの幸せなキスシーンではないんです。
パットは、自分の感情を自覚したばかりだし、キスをして想いを確かめ合ったことによって、友達でもなんでもない状態から→両思いに変化できたと思っていました。
だけどパーンは、衝動に突き動かされたまらずキスしてしまったけれど、パットと一線を越えるわけにはいかない。そんなことは周りが許さない。と理解しているんです。
だからこそのパーンの涙。キスの後の沈黙の別れ。
パットは想いが形として言葉に出て、実感したことによる感情の放出で涙を溢れさせているけれど、パーンは悲しくて泣いている。
この対比がとてつもなく切なく、綺麗なシーンとして映っています。
Behindでは、OhmくんとNanonくんがどれだけ感情を入れ込んでいたかがよくわかる映像が見られます。
気になった方はぜひそちらも見てください。
カットがかかった後もNanonくんの涙が止まらなくなっていて、
自身も涙を拭いながらNanonくんを心配そうに見つめるOhmくんが最高にエモいです。

▽ 6話攻防戦

パーンに避けられるようになってしまったパットは、パーンとあの日のキスのことを話すため、いろんな手段を使って近づこうと試みます。
そして建築学部のボランティア合宿にまでついていってしまうのです。

そこでようやく二人きりになれて、本音を語り合うシーン。

想いを自覚してからのパットは強いです。
グングン攻めていくし、Ohmくんの視線が捕食者のそれ。
だけど節々から、パーンの嫌がることはしたくないと言う気遣いも見える。
あの日のことを話したいと言うパットに、話したくないと答えるパーン。
合宿までついてきたのに、パーンが答えたくないと言ったその一言で「わかった」と受け入れてしまうんです。

「俺のことが嫌いか？」と聞くパットに、思わず涙してしまう。
他者（視聴者）から見ていたら、そんなわけないだろと思うけれど……
パットとパーンはお互いに相手は自分のことを嫌っている（疎ましく思っている）と思い込んで生きてきたから。

だからこそパーンも「好きだ」という言葉を口にすることができない。
言ってしまえば、二人の関係は変わってしまうから。
「腹が立っていただけで、嫌いじゃない」と言うのが精一杯。

そっと触れ合う指が愛しい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！
互いに意識していて、相手の気持ちだって察しているはずなのに
言葉にできないもどかしさ。ほんっっっとうに切ない。
なのに、二人ともが相手の隣にいるだけで幸せそうだから……
オタクは何も言えないですTT

そして二人はある勝負を始めることになります。
「好きって言ったほうが負け！」
ここから互いに告白させようと画策する、攻防戦が始まっていきます。
しかしそれは、どちらかが口に出してしまえば
この曖昧な二人の安寧な関係は終わってしまうと言う示唆……。
せつねぇ。

6話ラストの忖度シーンが最強でした……。
絶対に最後まで見るべき。
本気を出したパーンはまじでエッチ！！！！！！！！
たまらず、パットさんもこんな表情になってしまうよ・・・。

▽ イチャイチャモーメント

攻防戦という名のイチャイチャモーメント

好きな人に好物を食べさせるのが夢だったんだというパーンや

身体を見せびらかして誘惑するパット（笑）

こっそり手を繋いだり、妹のいないときにキスしそうになったり…

パットが大事にとっておいたギターを、パーンが今はワイに預けていると知った時のパットの嫉妬もよかったです。

その後、不運が続き劇の主役と喧嘩をして困っていたパーン。
劇のオーディションに来て、周囲からは高評価を受けていたけどパーンがNGを出したパットに再度、主役として出てくれないかと掛け合ってこいと言われてしまい、渋々頼みにいくパット。
パットを怒らせていた手前、気まずいパーンは
「自分から告白してやってもいい」と勝負に折れることを告げます。
だけどパットはどうせ勝つなら特大の勝利が欲しいと、
その告白のシーンを録画して全校生徒の前で披露する…なんていう無茶を言い始めます。
それに呆れて告白を取りやめるパーン。

しかし、どれだけ怒っていても、機嫌が悪くても、パーンが窮地に陥っていたら必ず助ける男、それがパット。
結局、何の見返りもなしにパーンを助けに来て、劇の主役に任命されます。

見てよこの・・・嬉しそうな満面の笑み・・・。
そりゃあパットのこと好きでおらずにはいられないよね。
こんなにもヒーローでいてくれる、対等な相棒。
嫌いになれたら楽なのに。って思ってしまうよなぁ・・・。

「なんで来たんだ？」と聞いたパーンに対して、
「お前を困らせるより、負けるほうがいい」と答えるところにパットの男気を感じました。かっこいい。

パーを挟んで隠れて手を繋いでいるシーンもすこぶる可愛かったし

お父さんにアメフトの練習をサボって建築学部の劇に参加していることがバレ、落ち込んで電話をかけてきたパットの声色だけで、何かあったことを察して元気付けようとするパーンもめちゃくちゃ可愛かった。

ここの電話のシーンは、ほとんどがアドリブだったとOhmくんとNanonくんが語っていて、Aof監督も、本当はもっと短くカットするつもりだったけど
二人の会話があまりにも可愛かったものだから、そのまま長尺で使ったと言っていて、そのエピソード込みで最強に可愛いです…。（さっきから可愛かったとしか言ってない）
ここほぼ、パットとパーンというより、OhmとNanonだったもんな…。

そして8話のラスト。
隠さなければならない関係だとわかっていて、それでも自分たちは想い合っている間柄なのだと自慢したいパットのSNS投稿が、気が気でないパーンは喧嘩をしてしまう。
だけどすぐに思い直して、二人は仲直り。
いつものようにパットは自分が折れようとしたけれど、パーンは「お前は変わらなくていい」と言います。
パットが一番にパーンのことを考えているように、
パーンもそのままのパットを愛しているし、彼の気持ちを思いやりたいのだということがわかります。

▽ 9話親友とは

そんな中二人が想い合っていることが友人たちにバレてしまいます。
工学部のパットの親友・コーンは、意外とあっさり二人の関係を認めました。

「学部同士の軋轢とお前自身の気持ちは関係ない」と言えるコーン
すごくかっこよかった。
彼がいちばん二人の本当の関係を知ったら、非難するんじゃないかと思っていたから、余計に感動した。友情尊い……。

対して、パーンの親友・建築学部のワイはパーンとの距離を取り始めます。
パーンとワイがギクシャクし始めたことに責任を感じたパットは
パーンにこう告げます。

パット「俺たち別れたことにする？俺がフラれたことにしてもいいよ。お前のためなら、かっこ悪くたっていい」

あくまでなんでもないことのように言うそんなパットの言葉に
パーンはこの表情。

このシーンは本当に、萌えと切なさで感情がぐちゃぐちゃでした……。
パットの男らしさと柔軟さがすごくかっこ良くて、だからこそ辛い。
そしてそんなパットのことを誰よりも理解しているパーンの気持ちの葛藤。

隠しておかなければいけない関係。
本当はパットの言うように、今からでも嘘をついたほうが良いと頭では理解している。
けれど、自分だってもう嘘を付きたくない。
それは親友に対してもそうだし、恋人であるパットに対しても、そして何より自分自身の気持ちに。
全てを天秤にかけて、それでもここでパーンはパットの手をとるんです。

この、パーンの決断の重さにすごくすごく感動しました。
パーンは世界の何と比べても、パットが大切なんだと実感するシーンです。

そしてこのカット。
机の下で、そっと重ねられる手。パットの手にパーンが自分から重ねに行きます。
パーンが自分から、人目の付くところで恋人同士だとわかるような行動を起こすことこそが決意の表れです。
パットが、自分のプライドや周囲の何もかもを差し置いて、パーンを選び守ってくれるように、
パーンも、パット自身を守るために行動を起こします。
泣ける；；；；；；；

そしてこの回は、インクとパーにも動きがありました。

私、BBSはこの二人の関係も大好きなんです！！！！！！
パーにとっての兄二人、インクにとっての友人二人が付き合うことになり、事情を知っている二人が細やかに祝福してあげた夜。

パー「私正直まだ二人に慣れない」
インク「なんで？男同士で付き合ってるだけ」
パー「ゲイってことじゃなくて、喧嘩ばかりしてたのに急展開すぎる」
この会話もすごく素敵でした。
BBSの素敵だなと思うところは、
全ての問題が“男同士だから”と言う理由で起こっているわけではないこと。
性別が理由なんじゃなく、二人を取り巻く環境が壁になっているだけであったこと。
（親同士が揉めているのも親同士の過去のせいだし、親友たちが反対していたのも学部同士が対立関係にあるからと言う理由）

そしてここで、インクのことが恋愛的な意味で気にかかっていたパーは
インクの気持ちを試してみます。
しかしインクは気を持たせてくるばかりで、はっきりと確信を得られない。
恋に振り回されながらもドキドキして、戸惑っているパーの表情がすごく可愛いんです！！！！！
まじでこの二人のスピンオフ欲しいんだが。

そしてここのイチャイチャシーン！！！！！
アメフトの試合で怪我をした部分をパーンに労ってもらっているパット。
コーンと出かける約束があるにもかかわらず「ご褒美が欲しい」と強請ってベッドに押し倒します。
「遅れるぞ」とか「あとでな」とかどうにか濁そうとするパーンだけど
コーンがやってきて「イチャイチャはあとでしろ！」とドアの前で叫ばれても諦めようとしない（笑）パットに根負けして、自分からキスしてあげるパーンが死ぬほど可愛いんです・・・・・。
はぁ……一生幸せでいてくれ……。
そしてここでのコーンの突っ込みで、二人がまだ身体を繋げてないことがわかります（笑）

そしてコーンたちと、ワイがバイトしているバーに飲みに出掛けたパット。ワイとはまだ気まずいままどころか、直前のアメフトの試合で一悶着あったばかりだけど、店で変な輩に絡まれてしまったワイを助けるパット。（本当そう言うところがヒーロー…）

この、何も喋らないのにガチギレしてるとわかるOhmくんの目が怖くてすごい。本当にOhmくんは目での演技が上手い。
ここでパットが撃たれたり、そのお見舞いで病院にきてたパーンとパットの両親が鉢合わせしたりして、問題は多々おきますが、概ね周囲は二人の関係を暖かく見守るスタンスになったのかなと思い始めます。

▽ 10話ままならない感情

そんな中、ワイがパットとパーンの関係を認めたことで
パットは建築学部の校舎での公開告白（婚約の儀式）を求められます。

*世界〜で一番お姫様〜♪（*出典＝「ワールドイズマイン」初音ミク）
そんな歌がよぎりましたよね、このシーン。
あんなに周囲にバレるのを嫌がっていたのに、振り切ってしまったらひとっ飛び。恋人どころか公開プロポーズを所望する始末。
本当にパーンはあざとい。自分の魅力をわかっていらっしゃる…。
パットが振り回しているように見えて、パットは振り回されているんですよ……。
公開婚約を終え、薬指への指輪は？と煽るパーン姫に対して

拳を差し出すパット……；；；；；；；；；；；；

誓いの拳キスです！！！！！！！！！！

結婚おめでとう。ここに教会を用意しました。結婚式には絶対に呼んでいただきたい。

そして二人はなぜ両親たちの仲が悪いのかを探ることに。
パットの父とパーンの母が実は同級生で、昔は仲が良かったらしいという情報を得て、二人は母校に向かいます。
そこでパットは、実はパーンが転校した日、パーンのギターを持って追いかけたのだと言う過去の真実を語りました。

バンドを組んだというたったそれだけの理由で、転校せざる終えなくなったパーンも
そして自分が理由で友達を転校させるはめになり、一人置いていかれたパット
どちらがより辛いということはなく、二人ともとても辛く苦しかっただろうと感じられる過去。
周囲の全てに腹が立ち、相手を好きにならないようにすることでしか自分を保てなかったのだろうに、それでも好きになってしまう気持ちを止められない。
そんなままならない二人がとても可哀想で可愛くて、どうしようもないです。

そんな中、インクが自分のメンターだったことを知ったパー。
今まで優しくしてくれたり、助けてくれたり、自分を特別に気にかけてくれていたのは全部メンターだったからなのだと気づいて、落ち込むパーは、インクに思いを伝えにいきます。
「もう優しくしないでいい。特別だと勘違いしてしまうから」
そういうパーの姿が切なくて……；；；；

でも、インクだって怖かったんですよね。
実は高校時代からパーのことが好きだったインク。
ただただ可愛くて、だけど自分に気持ちを向けてくれるかわからないからこそ、一番近くで笑顔を独り占めできる立場になりたかった。
パーにとってインクは年上でかっこ良くていつも余裕のある素敵なお姉さんだけど、二人の年の差はたった1歳。
相手の気持ちを試してしまってもおかしくはありません。
とにかく、二人がうまくいってよかった；；；；；；
スピンオフください（2回目）

さて、順調に見えたパットとパーンでしたが、
二人で買い物しているところをパットの両親に見られてしまいます。

パーンを傷つけられて、パットの我慢の糸が切れました。
「俺たちは付き合ってる」
そう暴露してしまいます。両親は怒って帰ってしまい、パットにも家で話し合うから帰って来いと命令しますが、パットはパーンが心配で帰ろうとしません。
しかしパーンは、自分が家族を大切に思っているからこそ
パットにとっても家族は大切だとわかっているので、自分はいいから家に帰るべきだと説得します。

そしてまた、自分自身も家に帰ると母に責められます。
「どうして？こんな風に育てたのは母さんだ」そう反論するパーンに、パーンの母は思わず平手打ち。
ここの二人の演技が素晴らしかったです…。
お互いに感情がヒートアップして、伝わらない心配の気持ちの発露として手が出てしまった母……。そしてそんな母に失望するパーン。

それぞれの家で、それぞれの感情をぶつけ合って、憤りやショックを抱えながら、二人は寮の屋上で落ち合います。
そして言葉もなく抱き合う。

子供のようにパットにしがみついて泣くパーンと
そんなパーンを受け止めしっかり抱きしめながら静かに涙を流すパット……。

二人の涙が本当に綺麗……哀しくて、だけどお互いを求めあう姿がすごく魅力的なシーンでした。

そして、ままならない二人はここである決意をします。
「逃げよう」

▽ 11話ロミオとジュリエット

11話もまた、名シーンの宝庫でした。
選びきれなかった……。

バスに飛び乗った二人は、建築学部の合宿で訪れたトンさんの経営する海の家を目指す。
不安そうな表情のパーンを安心させるために「心配するな」と引き寄せるパットですが、左目からは涙がこぼれます。
この涙の綺麗なことよ……。

海について、トンさんも二人を快く受け入れてくれ、携帯の電源も切り、ハネムーンを楽しむことにしたパットとパーン。

その日のビール代を稼ぐために、トンさんの知り合いで近くのバーの経営をしている男・ヨードさんの元へ出稼ぎに向かいます。

無事、30分働く代わりに30分のビール休憩をもらえることになった二人のここのシーンは、完全にOhmとNanonでした（笑）
ちょくちょく垣間見える、パットとパーンの垣根を超えたOhmとNanonの二人が本当に可愛くて大好きです。
二人がパットとパーンそのものであることがよくわかります。

そのあとトンさんの家に身を寄せるジュニアとジュニアの母と関わっていく二人。そのことがきっかけで、パーンには、何も言わないで飛び出してきてしまって心配しているだろう母への申し訳なさが出てきます。
そんなパーンとは正反対に、バイトしていたヨードさんのバーで正式に雇ってもられるよう声をかけてもらい、これからも二人で暮らしていくための算段を見つけてきたパット。
しかしパーンの真の気持ちに気づき「家に帰りたいならそう言ってくれ」と悲しそうに問い詰めます。

そうじゃない。お前と一緒にいたいと思っているこの気持ちは本当なんだと伝えたいけれど、自分の行動と矛盾していることで何も言えなくなるパーン。
悲しそうに去っていくパットを引き止められません。
なんとか仲直りしたいと、ヨードさんの依頼を引き受け、そのことをパットに伝えに行き、自分の気持ちを正直に伝えたパーン。
「お前がいる場所が、俺の居場所だ」
このセリフにグッときました……。
もうパーンにとって、パットがいない世界では生きていけないぐらいに愛が膨らんでいたんですね…。

そして、その夜。
働くのは明日からにして今日はハネムーンらしく二人きりで飲もうと
海岸で並んで酒を飲む二人。

「俺のどこが好き？」と質問するパットに
「お前は最悪。チンピラみたいだ。でもチンピラみたいに人に絡んでは何かと助けてる。すごいと思う」と素直な想いを口にするパーン。
パーンにとってのパットは、ずっと誰かを救う存在だとわかります。
そして「お前は？」と返すパーンに
「厄介なところ。食事睡眠トイレこだわりだらけだ。そして一緒に経験してきた。めちゃくちゃ楽しいことも死ぬほど辛いことも。お互いを守りあって、心配しあって、恋しがって……幸せを積み重ねて」
これまで二人が積み重ねてきた時間と、ありのままのパーンを好きだと答えるパット。
受賞ものの告白だとパーンはからかいますが、本当にその通り…；；；
涙なしでは聞けませんし、歓声はオタクがあげるので大丈夫です。

そしてパットが最後の質問として「キスしていいか？」と聞きます。
しかしそれに「（質問するのは）俺の番だろ」と返すパーン。
そして……

パットの首を引き寄せてからのキス！！！！！！！！！！！！！！
さいっっっっっこうに萌えました！！！！！！！！！
一度キスしてから、じっと見つめあって、またさらに激しく求めあうようにキスし始めるところなんか……もう……好きすぎて吐きそう。（ｵｴｯ）

この、パーンからキスするっていうのがいいんですよね……。
ep.5の屋上でのキスも、仕掛けたのはパットですが、続けたのはパーンだし……。
パーンがパットの太い首を引き寄せてキスするこの手が綺麗で死ぬほど好きです。
どちらかからの愛情が強いのではなく、どちらも同じだけ愛情があり、求め合っているということがよく伝わってきます。
その辺りが攻め受けを決めなかったという二人の関係性につながってきて、とても良いなぁと感じる瞬間です。

そしてシーンが変わると……

えっ！？！？！？
このでっかいOhmくんの身体をNanonくんが抱いている！？！？
と、初見では大変取り乱しました。
しかもこの後の会話
（じゃれつくパーンに対して）
パット「まだ足りないのか？」
パーン「なぁ、俺うまかった？10点中何点？」
パット（10点と指で返してあげる）
パット「満足かよ？」
（嬉しそうにうなずくパーン）

は！？！？パーン、パットのこと抱いたな！？！？

この二人がリバであると確信した瞬間です。
ありあり。全然あり。この二人は攻めでも受けでもない。
パットとパーンであり、OhmでNanonなんです。
直前の海岸での仲直りのシーンで、
忖度用の海苔を食べたパットが
「お前ぐらいうまい」と言ったのに対して
「食ったことあるのかよ？」とパーンが返し
「まだだけど。ハネムーンなのに逃げれると思ってんの？」とパットが煽ります。
おそらくここまでは二人が本当の意味で身体を繋げたことはなかったんじゃないかなと私は解釈しました。
こんなにパットがパーンを食う宣言していたのに、
一夜あけてみたらまさかのパットが抱かれている……？
と最初はびっくりしましたが、この後、パットがパーンを抱いているようなセリフも出てくるので、この二人が互いを食い合ってるのは事実だと思います。
相手を求め合っているからこそ、お互いに抱いて、自分の体も差し出してあげるというこの愛の深さ……。
最高じゃねーの。（cv：諏訪部順一）

そして朝がきて、隣にいたはずの存在がいなくなっていることに気づいたパットが探すために部屋を出ると、ビーチで一人ギターを弾いていたパーン。

パットが起きたことに気づいて、振り向いたパーンの表情が
パットを愛していると伝えています。
言葉はない。だけど伝わってくるパーンの想い。

そんなパーンの愛を正確に感じ取ったパットのこの表情。
パットも、パーンを愛している。だからこそ、やはりパットはパーンを大切な家族の元へ返す決意をする。
そんな複雑な感情と寂寥さがにじみ出ている絶妙なこの表情。
何度も言うけど、・・・・本当にOhmくんは演技がうまい。

そしてジュニアも、帰りたくないとゴネていましたが
母と一緒に村を出ることに。

子供と一緒に映る二人の夫婦感と言ったら！！！！！！！！！
まあもう婚約してますからね。あとは結婚式を挙げるだけ。
二人がジュニアを見つめる眼差しが優しく、慈愛に満ちていて、そして動きまでシンクロしている様子が微笑ましかったです。
幸せになってくれよな……。

そして、パットはパーンに家に帰ろうと告げます。

パット「ありがとな、こんなバカを喜ばせてくれて。本当はわかってる。遅かれ早かれ、帰るしかないのは。痛いほど。でもできるだけ長くこうしていたい。お前と二人、あと一日だけでも」

パット「お前が俺の隣で、戦ってくれる。それだけで幸せだ」

パットの言葉に涙を流すパーン

私だって爆泣きした！！！！！
私は本当に、パットのこういう優しさが好きです。
いつもいつも、自分の気持ちじゃなく、相手の気持ちを優先する。
優しくて、頼りがいのある男すぎて、泣けてくる。
何度も何度もパーンがパットに惚れる理由がわかってしまう。

そして最後の一夜を過ごした二人。
バーで弾きかたりするパーンの歌に、うっすらと涙を浮かべながら、それでも嬉しそうに歌声を聴くパットの表情が本当に涙を誘いました。

「友達になれない二人から、友達ではいられない二人へ」
パーンがパットに向けて書いた曲。『OUR SONG』の歌詞が
そしてパーンの歌声が染み渡る……。
言葉では言い表せない。君こそが愛なんだと。
最後の夜に伝えるパーン。ドラマチックで素敵な夜でした。

そして私が一番と言ってもいいほど好きなシーン
好きなセリフが、この『OUR SONG』のラストで流れます。

それはトンさんのセリフ。
長年店を続けるトンさんに、なぜこの仕事を続けるのかと聞いたパットとパーン。
それに対する答えがとても素敵で、このお話の軸なんだと私は解釈しました。

トン「なぜやめないかと聞いたよな？
この活動で世界は変わらないかもしれん。
でも世界に対する俺の姿勢は変わる。
確かに一人じゃ世界は変えられないが
知っておいてくれ。
世界だって、俺を変えられないんだ。」

家が隣同士じゃなかったら

親の仲が悪くなかったら

そんな“もしも”が意味をなさないことを、二人はもう知っています。
だってそうでなければ、今の二人はいないから。
二人が、パットとパーンが愛し合うことはなかったかもしれないから。

だから二人は、家に帰ることを決めるのです。
今を、境遇を受け入れて、それでも前に進む決意をするんです。
「がんばれ、相棒」
そんな言葉を分け合って、二人は別離を迎えることになりました。

▽ 12話友達になれない二人から、友達以上の二人へ

そして４年が経ち。二人は高校の同窓会で再会します。

言葉は交わさないのに、じっと見つめ合って、視線で会話をするようなパットとパーンに胸が震えました。
別れたのに、こんなにも相手を意識している……！！！！
絶対お互いのこと忘れてない！！！！！！

だけど、すっかり騙されていました。
私たち視聴者は、Aof監督の掌の上で踊らされていたんです。

同窓会を終えて帰宅したパットは誰かと電話しています。
あんまり食べられなかったから腹ペコだと言うパットの耳に
インターフォンが鳴り届く。

扉を開けた先にいたのは、「配達だ」と言って訪れたパーン。

「家に帰るんじゃなかった？」と言いつつも嬉しそうなパット。

お前ら
別れてなかったんかーーーーーーーーい

そしてこの4年間の二人の空白の説明がなされます。

インク＆パー、コーン＆ワイに協力してもらい、
徹底的に自分たちは別れたのだと思わせ
隠れながら付き合っていたパットとパーン。

二人は、一日の終わりにだけ、恋人に戻る。

そんな生活を４年も続けたって・・・・
本当にお互いに執着がすごい！！！！！！！
そして二度と離れてなるものかと言う確固たる意志と挑戦の表れが、たまらなく素敵です。

ここただのOhm＆Nanonで笑いました（so cute）

誰にも見えないところで固く結ばれる小指が、二人の結束と決意の証の象徴ですよね。
ここで、トンさんの言葉が二人のモノローグとして流れます。

俺たちは世界を変えられないけれど
世界だって俺たちを変えられなかった

いろんな壁に阻まれながらも、お互いを諦めないでいる二人の姿勢と決意と信念の言葉。
誰だって、他人の心を思い通りに変えることなんてできないんです。
そんな当たり前なことを、見落としがちだなと気付きました。
人は誰しも、好きになる人を選ぶことも、産まれてくる親を選ぶことだってできない。
自分の心は自分でしか決められないし、誰かに定められる必要だってない。
そんなメッセージがひしひしと伝わってきて、この作品に出会えてよかった……と実感しました。

そしてラスト。
仕事の都合で2年間シンガポールに出張しているパーンとの久々の逢瀬で
5分しか持たなかったパット（笑）

夜は長いぞと煽るパーンは、これからパットを抱くのかな？＾＾
と思いました。

そして次の日、久々にお互い実家に帰ることになった二人。
頑なだった両親も、少しずつだけど雪解けを迎えている様子。

二人が部屋に忍び込んで笑い合っているのを、見過ごす両家の両親たち……。
映画やドラマのように劇的に何かが変わることはないけれど
時間を経ることによって、互いを許すことができるようになるのかもしれないと言う、希望を持たせてくれる幸せなエンディング。

この二人の距離。1話と比べたときに比べてグッと近づいていますね。
二人が、他人の距離ではなくなった証拠です。

良いラストだった〜〜
と思わせての本当のエンディング！！！

やっぱり喧嘩しあいながら、
どっちが上とか下とか、攻めとか受けとか、そんなものは関係なく、
互いに求めあい、もつれ合って、部屋中を転がっていくパットとパーンの姿に泣き笑いしてしまう。
こうやって、パットとパーンは一生、拳を付き合わせ、共謀し、一緒に生きていくんだろうなと思わせてくれるハッピーエンディングでした。
最後の最後で「キッチンでヤるなんてAVかよ！」と突っ込むパットにくそ笑いました
しかも扉が閉じたあと、よく聞くとOhmくんが
「お前はパーンなのか、Nanonなのかどっちだ！」（意訳）って叫んでるらしい。

何その……is リアル………コップンカー

そんなわけで、最後はラブコメに違わぬ、幸せなラストでした。
だけどこのドラマが伝える問題やメッセージはとても深いです。
OhmくんやNanonくんが『BadBuudy』は「普通の恋愛」を描いてる作品だと言っていましたが、その通り“普通の恋愛”なんですよね。
二人には確かにいつも壁がありましたが、誰かが死ぬでもなく、劇的な別れがあるわけでもない。
それに男同士だからと差別されることもない。
だからこそ、“普通の”男同士の恋愛をコメディにテンポよく、時に切なく描くことで、こんな世界が当たり前になればいいのにと思えるようなドラマとなっていました。
男同士だからとか、女同士だからとか、男女だからとか、親に確執があるからとか、学部同士が対立しているからとか……
人が人を好きになることに、そんな些細な理由は関係ないんだと言うこと。
そこにあるのは、他者への愛だけ。
それで十分。誰かへの愛を、自由に誰かを想うことを、周りが受け止められるような世界になればいいなと思わずにいられない。
本当に良い作品となっていました。

OhmくんとNanonくん、Aof監督、BadBuddyに関わった全てのスタッフ。
この作品を世に出してくれてありがとう……。

私の世界がまた一つ豊かになりました。

最後に、このドラマのOSTを紹介します。

4:00〜 OhmくんとNanonくんが登場し曲に合わせて踊るのですが
Ohmくんのあまりの踊れなさが可愛くて愛しいです。
ぜひ見て。

そして外せない挿入歌

作品を見終わった後に見ると、めちゃめちゃ泣けます。
そしてNanonくんお歌がうまいよ……

OhmくんとNanonくんの今後の作品にも大注目していきたいです。

BadBuddySeries

▽ あらすじ

▽ 友達になれない二人から、友達ではいられない二人へ

▽ 1話 協力関係

▽ 3話 パットの魅力

▽ 4話 すれ違い

▽ 5話 伝説の屋上

▽ 6話 攻防戦