キャストから好かれたいという欲望の罠
せっかく一緒に濃い時間を過ごすキャストさんに、そりゃ嫌われたかないし、いい客だとは思われたい。
そもそもある程度好みの人をこちらは選んでいるわけだしね。
好みの人に嫌がられたくはないよね。
そこまでは人としてのごく普通の心情として、「『誰よりも』いい客と思われたい」「お気に入りでいたい」「TOでいたい(?)」「(客としてではなく個人として)好かれたい」とかいう欲望が兆すと、大きめに歯車が狂い出すので努めて自制したいし、そう考えてそうな気配を人から感じると、結構大きめに耳元で警鐘をガンガン鳴らしたい気持ちになる。
いい客って別に、太客とかキレカワとかそーゆーことではなく、清潔感があり、言われずとも自然にルールを守り、特別扱いとか過剰な要求をせず、変な執着も見せず、出来れば楽しそうに利用している客のことをイメージしてます。
上記条件を満たしていても、客側がより何かしないと、とか、何かしらの条件を満たしていないと、「嫌われるかも」とか、嫌われた結果「客としてきちんとサービス提供されないかも(時間内で明らかにつまらなそうな素振りをする、勝手にサービス内容が省略される、対応が雑になる、延々スマホいじる、時短等)」と感じるようであれば、指名するのはやめた方がいいと、個人的には思う。
同時に、「きちんとサービスを提供してくれて、満足な時間を過ごせる」以上に「好いてくれて、サービス以上に特別扱いしてくれる」を求める気持ちになるのも健全じゃない。
客とキャストは、対価とサービスの等価交換で、お互い対等な立場だ。 その上で、客はいいサービスを提供してくれるキャストさんに感謝の心で接するし、キャストさんは安くないお金と時間を使って自分を選び、会いにくる相手を有難い存在だと思って振舞う。
それ位の天秤のつりあいが、健全だし好ましいなと思う。
この話をするきっかけは、友人との「客はキャストさんに『嫌がられたくない』って思いがちよね」っていう会話から。
人から、しかも好ましく感じている人から、嫌がられたくないのは当たり前だけど、その気持ちが何だかしばしばいきすぎることがあるよなぁと思い、どこからが「いきすぎ」なんだろうなとつらつら考えていた。
少なくとも「私なんて(若くない/暗い/話が面白くない/美人じゃない/太ってる/毎月とか指名出来ない/長時間のコースじゃない/高額のチップや贈り物しない)から、本当は相手をするの嫌なんじゃないかな」とか思っちゃうならいきすぎだ。
むしろそれでその時間を客が楽しめない感じになっちゃう方が、普通のキャストさんなら気詰まりだろうなと。
「私って貴方にとってどうですか…?」みたいに顔色伺う感じでにじり寄られるより、「私、貴方と会うのめちゃくちゃ楽しいし、癒しなんだよね!いつもありがと!」みたいにカラッとしてる方が、通常は接客しててやりやすかろう。
客はあくまで客なのだから、堂々としていた方がいい。
それはお客様でございと踏ん反り返れということではなく。
相手へ配慮する事は基本美徳だけど、相手主体に考えすぎるのは、お笑いライブ見に行ってるのに、逆に芸人を笑わせようとしてるようなちぐはぐさを感じるのです…。
芸人さん的にも、いや、普通に席座ってライブ楽しんでって下さい、笑ってくれたらそれでいいんで、ってなるじゃん、普通は。
あと、これは少し違う話にも足を突っ込むのだけど、個人的には、一緒にいると自尊心が落ちてく系の人は、どんなに相手が素敵でも自分にとっての地雷なので、全力で離れることをオススメしたい。
これは本来相手がキャストさんに限らずなんだけど、特に相手がキャストさんだと「金使って自尊心ごりごり削る」ムーブなので最悪です。
さらに言うと、最初優しかったのが、徐々に冷たくされたり、雑に扱われて苦しんでたら、その後に急にまた物凄く甘やかされ、優しく扱われる(その時致すのが異様に興奮して気持ちいい)みたいなのは、完全なDVサイクルで、やや治療対象レベルに足を突っ込んでるので、マジでお気をつけ下さい、ね…。
風俗は遊びなんだから楽しく遊べるようにしよう、だし、自分が楽しめるかは、確かに最終自分の気の持ちよう次第なんだけど、わりと女子は気遣いすぎて自縄自縛になったり、相手がよしんばアレな時でも自己責任に回収しがちなので、そこのバランスがマジで難しいなと界隈を眺めていて思う次第。
みんなが楽しく遊べますように! (と大変雑に締めて終わる)