今日のおやつは栗羊羹!
数年ぶりの帰省
用事がてら地元に寄ることはあったけど、
ちゃんと帰省したのは5年振り
地元に帰ると必ず会いに行く幼なじみがいる。
幼稚園の時からの友達
小学生になってからは毎日のように遊んでた。
いつも一緒にあそぶイツメンだ。
彼女はドラえもんが好きで、
道具図鑑の本をよくかしてくれた。
ドラえもんについて誰よりも詳しかった。
彼女の家に行くと、必ず青汁を出された…。
小学生の私には苦くて飲むのが辛かった。
交換ノートに描いてくる彼女の絵が上手すぎて、毎回度肝を抜かされた。
自分の絵が下手すぎて、何だか交換ノートに絵を描くのが嫌になり…
交換ノートを止めたのは私。
いつも遊ぶ公園で、ブランコの危険乗り。
彼女はいつも心配そうな目で見てくれていた。
みんながアイドルに夢中だったころ、
誰も知らないバンドが好きだった彼女は…
何だか最先端をいってる気がした。
甘い物が大好物
みんながハズレと言った今日のおやつ
「羊羹」を幸せそうに食べてた。
彼女と私の共通点は、おかっぱ頭だった
小学生で恋愛文庫を読んでいた。
文庫本をかしてくれたけど、結局読まずに数ヶ月後に返した。
漫画やアニメが好きだったけど
みんなが夢中になった少女漫画じゃなくて…
近未来を描いた難しいアニメや漫画を見ていた。
小学生だったから…
趣味や感性の違う友達の全てを受け入れることができず、
無理矢理自分に合わせようとしたことも多々…
嫌な思いをさせてしまったことも多々…
彼女はそれでもニコニコしながら
一緒にいてくれた。
中学生になり、一緒に遊ぶ時間は減ったものの
相変わらず漫画や本をかしてくれたり…
そして相変わらず読まずに返す私…
16の時
地元を離れることになった時
誰にも言わずにひっそりと…
…のはずだったのが…
どうやって知ったのか…
前夜に会いに来てくれた。
そして笑顔で送り出してくれた。
私の記憶に残る彼女の顔は
送り出してくれたあの日の笑顔のままだ。
朝から忙しくて
昼ごはんもまだだった私は
夕方前にコンビニで昼ごはんを調達して、
彼女が大好きな羊羹と
(しかも栗羊羹…ちょっと上等なやつ!)
温かいお茶を土産に彼女に会いに行った。
森に囲まれた高台の斜面
景色は最高だ
空が広くて
ずーっとずーっと向こうまで…
西陽が当たり最高に気持ちがいい。
「久しぶり~!栗羊羹持ってきたよ!」
久しぶりに会うとお喋りのネタは尽きず…
コンビニのおにぎり食べながら近況報告
思い出話しも最高に楽しい!
「そうだ!
私、最近またブログ書いてるねん。
今日のこと、書いてもいい?」
今日も彼女はニコニコしながら
一緒にいてくれた。
気づけば座り込んで1時間以上
日が暮れてきて、
体も冷えてきて、
日向ぼっこしていた猫も居なくなっていた。
今日も私だけがベラベラと喋り倒し…
彼女は何も言わずにニコニコ聞いてくれた。
「また、来るね!」
バイバイした後は、振り向かないのがマイルール
高台の坂を下る私の背中を
ニコニコしながら見送ってくれている彼女を感じながら…
坂の下に停めてあった車に乗り込むと…
車内に一瞬で広がった彼女の香り
お線香の香り
今だったら
あなたの趣味も
あなたの感性も
あなたの性格も
あなたの好みも
全部あなたとして受け入れて
あなたがかしてくれる本も
ちょっとだけ読んでみようかな?
…って思えるのにね…
また、帰ってきたら羊羹もってお喋りしに行くね。
髪に残るお線香の香りを
少しもったいないな…と思いながら洗い流した夜でした。