メンヘラクソビッチ ~推し語り~
「杏子はさめざめと泣くよね」
とママが言った。
こどもの頃のわたしは声も出さずにぽろぽろと涙をこぼす、
"さめざめ泣いたりする女の子"だった。
椎名林檎は歌う。
『あたしは絶対あなたの前じゃさめざめ泣いたりしないでしょ』
(ここでキスして。by椎名林檎)
アナーキーな、現代のシド・ヴィシャスに似合うあたしになるためには
さめざめ泣くもんじゃないのか。
わたしには向いてないな。そんなことを思ってた。
そんな彼氏いなかったけど。
わたしが今推してるのは、『さめざめ』。
笛田サオリさんのプロジェクト名、『さめざめ』。
とりあえず、知らない人は「さめざめ 歌詞」でググってみて欲しい。
そして歌詞サイトでタイトルの一覧を見て欲しい。
メンヘラクソビッチだから。(※褒めてる超褒めてる
いや、それもある曲のタイトルの一部なんだけど。
わたしの描く小説の女たちにもその"気"がある。
白状しますがわたしも例に漏れずメンヘラクソビッチ寄りです。
(逃げた!"寄り"とか言ってマイルドに濁した!)
ね。この潔く認めそうでちょっと逃げる感じが、まさに。でしょ。
ちなみにメンヘラになってからは、さめざめじゃない方の泣き方も
手に入れました。
わたしはタブーな男女関係におけるピュアを追い求めて小説を書いたりするけれど、サオリさんはそれが歌詞になって曲になる。
女の子の気持ちを嘘偽りなく吐いてる。
汚いところも、強いところも、脆いところも、儚いところも
ああそろそろ「ところも」がゲシュタルト崩壊し始めたけど
女の子の抱える感情が彼女の歌詞には図鑑のように並んでいて。
共感したり圧倒されたりしながら泣いてるのがわたしだ。
叶わない恋をしたことがある。
わたしが詩や小説にして吐き出してるのはそういう未練だったりする。
いつかちゃんと成仏できるように、書いてる。供養か。
転生してまたわたしとのご縁があったなら、
あたしはその恋をもっと大切にして成就させたい。
生まれ変わったらそのとき お願い お嫁さんにしてね
(なんて馬鹿な両想い byさめざめ)
あたしはいつもここで泣きそうになる。時々泣いちゃう。
『きみが死ぬとき思い出す女の子になりたい』
この曲のタイトルを見た時に、
人生の指標のひとつに加えさせてもらった。
メンヘラクソビッチ、万歳。