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感想|「ぬきたし -抜きゲーみたいな島に住んでるわたしはどうすりゃいいですか?-」(漫画版)

・「ぬきたし -抜きゲーみたいな島に住んでるわたしはどうすりゃいいですか?-」(原作:Qruppo 作画:まめおじたん)を読みました。以下、ネタバレ有り感想です。


・面白かった!

・バカでエロでアツかった。爆笑しながら欲情しつつ手に汗握る経験なんてなかなかできないよ。これに優る心のデトックスって多分この世にないと思う。



「ぬきたし」第1巻 電子版151頁


・設定とかプロットに関しては本当にただバカでエロなので皆まで言うなって感じなんだけど、それを抜きにしても(ぬきたしだけに?)ちょっと卑怯なくらいヒロインが可愛くてよかった。

・エロゲ原作だから複数ルートがあるうちの一つ(美岬ルート?)を選んでコミカライズしたんだと思うけど、にしても全員可愛かったな。やっぱりヒロイン造形の練度という点でエロゲ産業に列ぶものはない。どんな見せ方をすれば読者諸兄が悦ぶのかを熟知している。百戦錬磨の絶倫無双、それがエロゲライター。



・恥ずかしいことに美少女恋愛ゲームの類はあまり嗜んでいなくて、メディアミックスとか実況動画とかで受動喫煙してる程度なんだけど、それでもあえて言うと「エロゲってのはこうでなくちゃな」と思った。

・セックスの特別感が低いところとかね。いや、一般的なエロゲと比べてもぬきたしは低すぎると思うけど、にしても。

・いつでもどこでも誰とでもパコり放題な青藍島において、主人公の淳之介は「セックスは愛する人と以外するべきではない」というまともな貞操観念を持つ希少人物なんだけど、コイツにしたってヒロインの美岬とはさっさとくっつくし、くっついたら比較的さっさとセックスする。このあたりの手っ取り早さはエロゲの良さだなと思った。

・じれったい関係性にももちろん尊さがあるんだけど、やっぱりヤることヤってからお話を進めてくれる方が気分がスッキリするんだよな。ダンジョンマップは全部埋めてから次の階に行きたい派の自分としては、ヒロインとの関係性も未踏破な部分が残っていない方が安心するのだ。レミーラの巻物としてのセックス。

・けど島外の常識で見れば手っ取り早いはずの淳之介と美岬の関係も、ドスケベ条例こそが「常識」である青藍島からすれば充分じれったい扱いらしく、その辺のギャップの感じさせ方が上手いなと感じた。常識の相対化、これすなわち創作の本懐。



「ぬきたし」第4巻 電子版142頁


・ヒロインの中で一番好きなのは女部田(おなぶた)郁子ちゃんですかね……。シナリオ的にめちゃくちゃ順張りというか、選ぶべくして選ばされてる感もありますが。
※おなぶたはあんまりすぎるだろ、と思って調べたら実在する名字らしい。あんまりすぎるだろ。

・このキャラ、初っ端から主人公の淳之介を逆レ〇プした上、その後も折に触れ淳之介に襲いかかってくる(所属組織どうしが敵対関係なので当然っちゃ当然だけど)ヤバい奴で、まあでも王道パターンどおり中盤以降に真の黒幕の存在が明らかになってからは和解して仲間に加わることになる。ファーストコンタクトが逆レ〇プの女と即和解できるのすごくない!? まあでも青藍島だしな……。レ〇プという概念が存在するかすら怪しい。

・で、これまた定石どおり、ひと度仲間になったら烈火の勢いで主人公にデレるんだけど、それが本当に強い。卑怯ですよ卑怯。ギャップでデレを引き立たせてくるのはルール違反。法律で禁じたほうがいい。嘘です。奨励してください。それが世界を覆うまで、人類を挙げて。

・真面目な話、郁子まわりのストーリーはまっすぐな「救い」のお話だったし、贔屓目なしに美味しい立ち位置のヒロインだったことは間違いない。

・特に4巻の巻末おまけページ(LINE風会話のやつ)とかさぁ……。卑怯じゃないですか!?(←それしか語彙がない)あんなの好きになるしかないじゃん……。

・郁子以外のSSの面々も、ルート的にあんまり目立たなかったけどデレたらさぞ破壊的な良さであることだろう。巻末おまけで多少掘り下げがあったのは良かったな。ああいう舞台裏を覗かせてくれる的な場があると一気にキャラが立体的に見えてくる。




「ぬきたし」第3巻 電子版141頁


・全体を通して、やっぱり"エロじゃない"部分の良さが記憶に残ってるな。

・スケベな行為が当たり前な世界観だからこそ、エロは背景化され道具化される。そんな世界で「わたし」や「あなた」として残るものは、やっぱり愛しかない。肉体的な快楽に還元されない心の惹かれ合いが、むしろ純粋なものとして際立ってくる。

・バカでエロだけど、どストレートに愛を描いた作品なんだなということはとてもよく伝わってきた。ぬきたしは純愛。(←これ絶対2万回言われてるだろうなと思ってXで検索したら2万回言われてた。やっぱりね。)


・……とかいう締め方をするのもアレなので白状すると、シンプルに常識改変系のエロが好きなので序盤はかなりエッチでよかったです。愛のない快楽だけのセックス、エッチすぎる。

・これが一般青年漫画のレーベルで売られてるのすごすぎるな。ワニマガジンがハンカチ咥えて悔しがってるよ。


「ぬきたし」第6巻 電子版24頁

・言い忘れてたけど絵もめちゃくちゃ良い。こんなに女体ばっかりの漫画なのに作画が気になるコマが一切なかったし、要所で挟まれる見開きページもおしなべて効果的だった。アニメ化が発表されてファンが正気を疑ってたけど、漫画版を読むとある程度腑に落ちる部分もあるな。これは映像で見たい、と思わされるくらい動きの激しい物語だったし、その激しさを十二分に伝えてくれていた。


・以上です。アニメも期待!

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