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映画『今夜、世界からこの恋が消えても』/「当たり前」を考えさせてくれる純愛物語。

映画に胸を打たれ、パンフレットと小説を購入。


こんにちは、杏朱です。

最近見て感動した映画『今夜、世界からこの恋が消えても』について書き留めます。
通称は、「セカコイ」です。




私は、映画『陽だまりの彼女』が一番好きな映画なのですが、その次に好きな映画に躍り出ました。

映画を見終わってパンフレットを読んでから知ったのですが、監督が同じ方だった様です!

どおりで、江の島が綺麗に映ってると思いました。

三木浩二監督が撮る江の島がかなり好きで、『陽だまりの彼女』を見て以来、自分の中で憧れの地でした。

「初めての江の島は、彼氏とデートで行きたい」と長年言い続け、友達と行く観光スポットの候補に挙がっても、断り続けてきた程です(笑)

三木浩二監督の映す江の島は、温かくて、眩しいけども優しい光が満ち溢れた、とても素敵な場所に映ります。
もっといろんな作品を江の島で撮影してほしいです。
その度に私は映画館に足を運ぶと誓いますので。。



さらにこの映画、主題歌がヨルシカの「左右盲」という曲です。
映画と曲がとてもよくマッチしていて、これにも涙を誘われました。


ヨルシカはn-bunaさんというボカロP出身の方が作曲しています。
私は「さよならワンダーノイズ」という曲でn-bunaさんにハマり、以降ずっと好きです。

『さよならワンダーノイズ』
この動画はオリジナルではないですが、動画が当時私の見ていたものと同じなので引用しています。
オリジナルはYouTubeには無い様子です。。


楽器については全く分からないのですが、爽快感のあるエレキギターとドラムとピアノ、洗練された間、透明感のある効果音。
初音ミクの声も落ち着いた音程で、透明感溢れた曲の雰囲気にマッチしている。
当時歌い手アレンジ好きな私でしたが、n-bunaさんの曲だけは原曲で聞いていました。

『透明エレジー』
こちらは『さよならワンダーノイズ』の姉妹作品と呼ばれている楽曲。


『ウミユリ海底譚』
こちらも有名で人気な楽曲です。

n-bunaさんは、古典文学が昔から好きだった様で、その要素を自身の楽曲にも散りばめています。


新曲「左右盲」は昨年から継続している文学オマージュ作品。オスカーワイルド「幸福な王子」を歌詞のモチーフに制作、相手の顔や仕草を少しずつ忘れていくことを左右盲になぞらえた楽曲。
ヨルシカ「左右盲」公式特設ページより


今回の主題歌「左右盲」は、オスカーワイルド「幸福な王子」を歌詞のモチーフに制作したようです。

n-bunaさんの“文学オマージュ作品”についてもまた、記事にできたらと思います。
原作まで追って語れるようになるまではまだ時間が必要ですが。。

「ヨルシカが書いてたからこの本を読んでみた」とか「この俳人を調べてみよう」って思ってもらえるのがすごい嬉しくてですね。僕の好きな文学を布教していくのが、自分の使命なんじゃないかと思いながらやっています。
ライブドアニュースインタビュー特集,照沼健太,「作品づくりは「自分のため」、作った後には興味がない。ヨルシカを貫く強固な哲学」


n-bunaさんは自身の楽曲を通して、過去の文学作品を布教していくことを「使命」としている様です。
楽曲だけでなく、作品作りにかける思いまで素敵ですね。。
私もその影響を受けている一人です。
まだ深追いは出来ていませんが、時間が出来たら原作の文学作品にも手を出してみたいです。



...つい、n-bunaさん愛が暴走してしまいました。
でも、どれも、「セカコイ」主題歌の「左右盲」を楽しむために必要な要素なのです!



そんな三木浩二監督と、n-bunaさんと、魅力たっぷりでなにわ男子の中でも何かと目が離せないみっちー。
完全にワタシトクな映画でした。

※以降、ネタバレを含むので、見たくない人は見ないでください🙈




そもそもきっかけは、なにわ男子のみっちー見たさでした。
YouTubeで企画をやってて、メンバーが大号泣してるのを見て、「私もメンバーが泣いた映画で泣きたい!」と、居ても立っても居られなくなり、翌日に一人映画してきました(オタク)。


最後の最後に西畑が「バスタオル持っていきや」って言ってるけど、ホントに、必需品です。
私はハンカチを忘れて困りました。。(汗)


YouTubeとTwitterとTikTokで予告動画はチェックして行ったのですが、まさかの展開に驚かされました。

透!?そっち?!?ってなりました。
いきなりな展開だったのですぐに入ってきませんでしたが、親友・泉ちゃんの涙にやられました。


透は、最後の最後まで真織のことを楽しませたいと思いながら死を迎えたはず。
「真織の毎日を楽しくさせたい」という思いは、透の人生をかけて遂げられた。さらにそれだけではなく、真織の人生に「手続き記憶」という形で希望を与えた。
なんて素敵な人生なんでしょう。。涙


泉ちゃん役の古川琴音さん、とても重要な役でありキーパーソンでしたが、見ていてとても引き込まれました。

福本莉子ちゃんはとにかく細くて、華奢で、儚くて、、真織そのものだし。
透も、原作は読みましたが、あどけない笑い方とか、みっちーが透のイメージそのもので驚きました。



以下、一条岬さんの原作で印象に残った部分。

「人間は、存在していること自体が奇跡みたいなものだと思ってるんだ。だって、すごくないか。工業製品とは違うんだ。そこには設計図も、熟練の職人もいない。母親のお腹で育って、ポンと生まれて、もうその時から、いや、その前から生きてる。それってさ、奇跡みたいなことだと思うんだ。そしてロボットみたいに設計図を元に作られたわけじゃないから、異常があってもすぐには分からないし、動かなくなっても、何かのパーツを入れ替えれば済むことでもない。こうして生きていることは、実はよく分からない。不思議で、だけどすごくて、同時に怖い。」
一条岬 ,「今夜、世界からこの恋が消えても」,メディアワークス文庫,253


《健康だと考えられていた人が、ある日突然死んでしまう疾患があります。その一つが心臓突然死です。これはけっして他人事ではなく、いつでも、どこでも、誰にでも起き得ます。交通事故の死亡者数よりもはるかに多く、日本では心臓突然死によって年間約六万人が亡くなっています。これは七・五分に一人が亡くなっている計算です。》
一条岬 ,「今夜、世界からこの恋が消えても」,メディアワークス文庫,256


私自身、「死」があまり身近では無かったので、この引用部分にはかなり刺激を受けました。
透の死が突然だった様に、突然死は誰にでも起こり得る。
自分の命も、大切な人の命も、当たり前なのではなく、今生きている一瞬を大切にしなければならない。
そう思わせてくれる作品でした。

特に、最近TVから流れてくるニュースでは、無差別殺人や不運にも事件に巻き込まれてしまったための死が多い気がします。
思えば、死が突然やってくるのは、いつの時代も変わらないのかもしれません。
この「当たり前」に敏感になったのも「セカコイ」の影響でしょうか。


ただの純愛小説ではなく、生き方まで考えさせられる、素敵な作品でした。


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