室井慎次　敗れざる者　鑑賞記録

何かをみた時に、いや、それ以外でも、文章を書くのが好きなタイプの人間で。
noteの存在は知っていた。
いつか始めるんだろうなと確信を持っていた。
でも、まさかこれがきっかけになるとは思ってなかった。

少し横道に話がそれるけれど、私にとって大切な作品を3つ挙げろと言われたら「鋼の錬金術師」「春と修羅」そして「踊る大捜査線」を挙げる。
間違いなく私が大人を装うにあたり、指針となった作品であり、そういう小難しいことを抜きにして、単純に大好きな作品でもある。

閑話休題。
以降ネタバレを含みます。
詳細の描写はしてないつもりですが、ご留意ください。
noteの仕組みが分からなすぎて、どうにかしたらクリックしたら表示される系にできるのかもしれないけど、とりあえずこの熱を明文化しておきたいのでお手数ですが、自衛してください。

まずは俳優陣、贅沢な布陣だった。
踊るをドラマ含め見ていた人からしたらうれしい配役に加え、いわゆる実力派の若手俳優陣。
映画らしくて、一瞬で時間が過ぎた。
これはちょっと、また後日書きます。
もっと明文化しておきたいところがあるんです。

いいですか、たまたまこのnoteを読んでくださっている、奇特なおひと。
ここからはネタバレな上に、悪口です。
ええ、最初に言っておきます。
悪口！です！
鑑賞記録とか高尚なことをいいながら小学生みたいな熟語が出てきましたね。
大丈夫、私もびっくりしてますよ。

一応後編を見てからと思ったけど、でも思ってる時点でもうダメだよね。
ちょっとひどかったよ。

過去の映像、出しすぎ。
青島さん他が出てないから仕方ないのかもしれないけど。
これ制作陣がまんま懐古してるだけに見える。
一度そう見えてしまうともうダメで、嗅ぎ取ってかってに恥ずかしくなってしまってる。
後編の内容もこの調子ならちょっとやだな。
あと後編を見せるためなのかもしれないけど、不愉快な人物・状況が多すぎる。
新しく出てくる主要人物の若手が軒並み不快。

新人の弁護士、交番の新人と思われる若い警察官。キャリアと思われる管理官。

そしていわゆる煮詰まった田舎の人たち。

踊るの私が好きだな〜！となるところのひとつが、義理と人情と誠実さが報われるところなんですけどね。
ふざけた、ちゃらんぽらんなyesマンなおじさんたちが、一番大変な、ひどいことが起きた時に義理と人情を通すところが、私には眩しく見えた作品だったんだけど。
それが、今作にはほとんどなかったように思った。
カタルシスとかいうレベルじゃない。
ただただ気分が悪い。
村の人たちが、室井のせいだとよそ者をスケープゴートにするところとか。
苦しいんだよね。きっと。いろいろと。
でも、浅はかすぎる。その浅はかが、集団と武器でまかり通るのが、踊るで描写された警察組織上層部のそれのようで、酷い。

すごく好きなシーンも沢山あったのに。
間に挟まれた多すぎる回想シーンに、台無しにされてる。

保護者だなあ、と思うと共に室井さんらしいな、と思う里親の有様。
室井さんがあの村にたどり着いた後どうやって今の生活を手に入れたかが分かる映像群。
室井さんの苦悩、今までの多難だったキャリアの中でも、一番大事な部分は譲らなかったその生き様。
美しい湖のほとりに立つ、不器用で誠実で頑固な室井慎次が作ったあたたかい家の映像。
よかったのに。

あまりに制作者の意図がすけて（いるように見えて）、主演陣が不在なので一味違う、映画っぽい作風にしようというのが見えすぎてるように思う。
すきじゃない。
踊るに求めるのは、そういうことじゃない。
後編を見せるためのこの作りだというなら、なぜ後編を作る必要があった？
回想シーン等の量を思うと、分けなくて良かったのでは？と思ってしまう。
流石の俳優陣だったので退屈することはなかったけど、後半回想シーンははずかしくて目を瞑っていたよ。
2時間ドラマのスピンオフじゃないんだよ。

後編をみて、この感想を撤回の上お詫びできるよう祈ってる。
後編をみて、興行のために前後編したと分かったら、今後2度と踊るの続編は見ない。
それくらい、がっかりして、怒ってる。

若い人たちを、あんな何にも考えていない、不気味な人たちなキャラ造形にする必要あった？
そこも、かなしい。
わざとらしく挟まれた回想とあのラストなストーリーにしたことも、そこで前編が終わることも、腹が立つ。
すごくいい回想シーンだった。
役者さんってすごいよな、と冷静になって思った。殆どセリフないのに、すごくよかった。
だから、余計に腹が立つ。後編に分けたのは興行のためにしか思えない。

お願い、私の大事な踊る大捜査はやっぱりちゃんと大事なままだったな、と思わせて。
こんな感想書いて申し訳ありません、と撤回させてくれる後編でありますように。
どうしよう、ついに祈り出しちゃったよ。

俳優さん達はほんと、ほんと、よかった。
そこはまたこの激おこが落ち着いたら書こうと思う。
とりあえず、ドラマ版見て解毒しようと思います。頼むぞ、後編（圧）