Life(2007年) 5 applynx 2020年8月21日 09:24 これまでの剛くんはパリピとか、バンドマンとか、クールなスカした若者役が多かったのですが、今回はとても繊細で人に寄り添う優しい青年を演じています。ゆるやかな時間の流れと、どこにでもある田舎の風景がしみます。剛くんがかつて音楽活動していた頃にボーカルとギターをしていたmr.aの楽曲も、各シーンにとても良く合っています。 舞台は東京から電車で2時間くらい離れた地方都市。キャンドルアーティストとして生活し、自分が作ったキャンドルと畑で採れた野菜を物々交換したり、町の芸術村に出入りして地元の人々と密接に交流している田北勇。 ある日、勇の自宅留守番電話に知らない女性からメッセージが入っていた。どうやら待ち合わせの時間と場所のようだが…その日は夕方から高校の同窓会に出席する予定。今は亡き泉政行くんとおにぎりを頬張るシーンが大好きです。勇と幼馴染の優しい笑顔の駅員さん役の泉くんの表情がたまらない(涙) 電話が間違いであることを伝えるため、待ち合わせに行ってみると、そこに待っていたのは女子高生。この時偶然トンネル内で起こった殺人未遂事件に出くわしてしまい、警察の事情聴取を受ける。 1日が台無しになるのがイヤだから、このまま遊びに行こう!と無理やり誘う茜に連れられ、完全に彼女のペースに飲まれる勇。 水族館に行く2人。ロケ地は大洗のアクアワールド? 茜は今日が誕生日。本当は彼氏とデートする予定だったのに、サーファーの彼氏は茜を残して海で死んでしまった…。18時からの同窓会にも遅れる羽目になるが、優しい勇は茜の誕生日が辛い日にならないよう、精一杯付き合う。観覧車は葛西臨海公園かな? 遅れて同窓会に到着し、昔の彼女や仲間達との思い出話も半ば、親友であり今回の幹事である山下が酔いつぶれてしまう。持病でお酒を禁止されているのに、飲んでしまった山下を介抱する。いつも人のそばに寄り添って、自分のことは後回しの勇。 「今、自分はこんなことをしている」と、昔の恋人に作ったキャンドルをあげる勇。しかし、彼女が近々パイロットと結婚することを知らされ、素直に祝福したいけど複雑な気持ちに。 茜の異変に気付き、海に向かって身を投げようとするところを引き止める。偶然知り合って日も浅い茜にまで全力で向き合い、見守ろうとする勇。誰に対してもこんなに丁寧に向き合ってたら、心が疲れちゃうだろうなあ。 疲れきって自分の町に戻り、駅のホームで堪えきれず号泣。自分が生きてきた世界や時間に思いをめぐらせ、複雑な気持ちで家路につく。東京に行くと否応なく気付かされる現実。変わっていないのは自分だけ?自分の生き方はこれでいいのか?など考えたのか。 近所に住むユウコ(駅員さん役の泉くんの妹役)のこともいつも気にかけている。やっぱりこれが彼の日常。自分にはこれしかない、これでいいのだ。 勇は関わる人々の心にただ静かに寄り添い、癒す。彼自身がキャンドルのような存在だ。 住み慣れた優しい時間が流れる田舎と、刺激に満ちていて傷付くこともたくさん受け止めなければならない都会。エンドロールの後に勇がミリタリージャケットを着るシーンがある。ジャケットは優しすぎる勇が内から外へ向かうときの鎧の象徴なのかなと思う。 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #綾野剛 #葛西臨海公園 #キャンドルアーティスト #アクアワールド大洗 #泉政行 #映画LIFE 5