ハタチノコロ はじめてのヨーロッパ(8)ゴールデンルーフをバックに

3/4 寒ーい、やっぱり山の中の朝だからかな?今日はここマンハイムを出てウルムを通り、インスブルックに向かいます。途中で安くていい帽子があったら買いたい。ウルムって地名は全然聞いたことなかったけど、実はアインシュタインの出生地としても知られる。また、世界で最も高い尖塔を持つ大聖堂があるということで立ち寄った。写真を撮ってあとは買い物。まずはランチ用に魚のサンドイッチを買った。小さな紙袋に入れてもらったけど、手に持って歩いてたらちょっと魚のニオイがw まあ、すぐ食べるからいいか。次に入ったのはニット製品の店。ロス&ジュリアンが同じ店を見ていた。私が帽子選んでいると「被ってごらん」と言うので被って見せたら、「Very Nice!」と言ってくれた。紺色で正面にワッペンがついたのを買うことにした。ピアスもなんと1つ70円くらいから売っている。緑の石が付いているフープ形ピアスだけど、耳に直接フープを差し込むタイプではなく、フープにさらにポストがついている珍しいデザインだった。これは買うしかない。その店でアイダホ出身のサラに会った。サラはめちゃくちゃノリがいい子で、男の子みたいな性格。ヒッピーっぽいテイストが好きらしく、アジアンTシャツを買っていた。体格は結構がっちりしているけど、髪がサラサラですごくキレイでうらやましい。このサラのおじいちゃんには南米のペルー人っぽい顔をした若い奥さんがいる。若い嫁と孫と一緒に旅をしているなんてビックリ。ラヒシも同じ店を見ていて皮製の手袋を探していたみたい。私は結局紺をやめて黒い帽子と、縞のかわいい手袋と先ほどのピアスを買った。全部あわせて約600円というお得な買い物。ラヒシが魚のサンドイッチを見て、「それどこで買ったの?」と言うので一緒に行って、ラヒシが買ってる間に私は隣の店でフィルムを買った。ここで4本まとめ買い!だって、めちゃくちゃ物価が安い。そしてバスに戻ると何人かの人が買った物を見せ合っていた。私はニット帽と手袋とピアス・・フィルムに魚のサンドイッチ!と言うと、なぜか魚サンドのところでみんな爆笑!なんで?w ベリンダにも帽子とピアスを見せたらキュートだ!と言ってくれた。

バスが発車して間もなく前の席から袋に入ったフルーツが回ってきた!?!?前に座っていたスーとティムがベリンダにあげるために回してきたものらしかった。バナナと小さいサイズのみかん(マンダリンというらしい)だった。このスーとティムもオーストラリア人。スーはショートカットで背が高くてカッコいい。金髪で目が緑色でよく笑う女性だった。夫のティムも金髪にくせっ毛でヒゲを蓄えている。ティムはよくバスの中からビデオを撮っている。雪が積もった街が見えてきた。このあたりはチロル地方という。雪の中に小屋がある風景をどんどん走っていく。背景には立派に雪で覆われた山々見えた!こんなの見たことない・・みんな大興奮で車窓を見る!!この山が連なる風景はゴールデンルーフと呼ばれているようだ。ニュージーランドから来たケリーはカメラを構えてチャンスを見計らっているのだけど、木が邪魔でなかなか撮れなかったらしく、「TREEEEEEEEES!!!!!」と恨めしそうに叫んでいてみんな大爆笑ww とにかくスリル満点。こんな風景めったに見られないぞ。バスの中からだけど貴重な体験だ。ドライブインに着いたところで昼食にした。イチゴ牛乳を買って、先ほどの魚サンドを食べよう。休憩所に座ったら、向こうの方にサラダバーを発見!これは・・食べるしかない。グラム売りだから結構高いけど、おしいいサラダに飢えていたので飛びついてしまった。そう、このサラダに気を取られて完全に魚サンドの存在忘れてたw ちょっとかじってみたら、何だか魚の骨が気になるな。しかもタルタルソースやサウザンドレッシングのようなソースが入っていないので、ちょっとパサパサして味気ない。ベリンダに「後で雪だるまを作ろうよ!」と言ったのだけど、そんな時間は無さそうだな。雪合戦したり、みんな結構はしゃいでる。こんなに雪でワクワクしたのは小学生以来かも知れない。そのあとはインスブルックへ出発。インスブルックは過去に冬季オリンピックが開催されたことで有名。途中で教会に寄ったけど、churchとかcathedralと名のつくものをいっぱい見すぎて麻痺して、もう何が良いかなんて分からなくなってきていたw

インスブルックに到着。今日泊まるのはGRIEFホテル。え?griefって英語で深い悲しみっていう意味じゃなかった?w なんかいるだけで悲しくなって、泣けてきそうな名前だな。オーストリアではきっと何か違う意味の言葉なんだろうけど、これは結構笑えた。泊まっている人みんなオイオイ泣いてそうなイメージwww さて、毎度おなじみの部屋チェック。ベリンダは結構厳しい。便箋があると特に喜んで、それに日記を書くのが彼女の日課。こういう子供みたいな無邪気さを持つ彼女が好きだ。息つく間もなく、また団体行動が好きなサラが「Tommy、ラヒシ!観光行くよ!」と言って仕切ってる。ラヒシはよく同じ部屋で何日も過ごせるもんだよなあ。私ならギブアップしそうだ。私は無理やり団体行動を仕切るサラの態度がどうしても嫌いだった。ラヒシがいてくれなかったら、サラと行動する羽目になっていたかもしれない!と考えるだけでも恐ろしいw ラヒシは今イギリスに留学して国際法を勉強中。私たちは英語でお互いに理解をするに足るレベル同士なので、小さなことでも意識を共有できた。年齢も1つしか違わないので、考え方や話の内容が合う。ラヒシがいて本当に良かった。そして私たちは街へ繰り出した。なんとも言えないかわいらしい色の建物が建ち並び、その背景にはあのゴールデンルーフが見える。街の背景にどーんと雪がかぶった山が見えるなんて!すごい壮大な景色なんだけど、それが写真や絵の中にコンパクトに入っているような街だった。細い路地が多いので一見迷いそうだけど、さほど大きくない街なので歩きやすい。道で写真を撮っていたら、知らないおじさんが肩をいきな組んで写真に入ってきた。なんだこいつは?と思ったど、旅先のテンションとノリで一緒に撮っておいたw ウィンドウショッピングをしながら街を散策。ゴールデンルーフをバックに写真を何枚も撮った。ロバの馬車がいたり、裏通りには「すし」と書かれた提灯があったり、おもしろいネタが満載だった。みんなはもう帰る様子だったけど、私はもう少し1人で街を歩いてみようと思った。雑貨屋さん、パン屋さん、スーパーなどに立ち寄ってみた。スーパーでは少年が「コンニチハ!」と声をかけてきた。何で日本語知ってるの?って聞いたら、イタリアに住んでいたときに日本人がいて教わったからだと言っていた。5人くらいの若者がスーパーの入口でたむろっていたが、みんなとても人懐っこい。バイバイ!と手を振って、ホテルに帰ることにした。帰り道にやけにおいしそうなケーキ屋さんがあり、思わず立ち止まる。おなかすいたしちょっと入ってみよう。そこでイチゴと生クリームのケーキと紅茶を頼んでひと休み。うふふ☆

夕食がスタートするのは18:30だったけど、ギリギリ戻れた。今日はベリンダとスコット&ヴァネッサと一緒に座った。しゃべるのがめちゃくちゃ速くて、半分は何を話しているか分からないけど、それも勉強!途中でスコットが私に日本のネタを振ってくれた。カテナ?サモロイ?ん、何それ?チャンバラみたいな動きをするので、どうやら刀と侍と言っていたらしいw 何かの本で読んだことがあるという。でもそんなの昔の話だよ?と言うと、なるほどと納得していた様子。自刃するのは武士のプライドで、国のために死ねるのは名誉なことだと思う風潮があったとを教えておいた。スコットとはジャパニーズビートルの話以来、真面目に語り合って最後に笑うというパターンが定着しつつあるw 彼女のヴァネッサはやたらに「Oh my god!」を使い、丸い目をくるくるさせて話をする。私より1つ年上だった。スコットもヴァネッサも年が近いし、あまり流暢に話せないことは分かっていても、よく声をかけてくれたのでうれしかった。夕食が済んだあと少しおしゃべりをして、部屋でゆっくりしたいと思って先に失礼した。シャワーを浴びてしまおうと思ったけど、何枚か買ったハガキを見たり、日記を書いているうちにベリンダが戻ってきた。ベリンダはスーとティムたちとバーに飲みに行くらしい。「よかったら一緒においでよ!」と誘ってくれたので行くことにした。メンバーは私以外全員オーストラリア、ニュージーランドの人だった。みんなしゃべるの速すぎw しかもオージーのスラングがガンガン飛び交うし。全くわからないのに、みんなが笑っているときに無表情なのもヘンだから適当に微笑んでるけど、内心ものすごく悔しいのですよww マイケルというもう60歳を越えたおじいちゃんがツアーに1人で参加している。彼は私に「どんどん話してごらん!」と言ってくれた。鼻炎なのか、いつもハンカチで鼻をかんでいる。イギリス人やオージーってティッシュ使わないのかな?もったいないから?ベリンダもハンカチ派みたいだ。

私は柑橘系のカクテルが飲みたかったので、特別に作ってもらうことにする。バーはGRIEFホテルからそれほど遠くなく、とてもいい音楽と雰囲気を提供してくれた。私が1人でインスブルックの街を散策しているとき、ベリンダはティムと一緒にバーで飲んでいたらしい。そしてこれが本日2軒目なのだ。残っていたシリングを使うのにちょうどよかったし、オージーたちとは初めての交流だったので誘ってくれてよかった。とはいえ、話に入ろうと頑張ってみてもなかなか難しく、何を話したのかは覚えていない。ウォンバットの話くらいはわかったかな?w もう1人マイケルというガタイのいい25~26歳くらいの男性がいた。彼はシャーロンという女性とカップルで参加しているが、不幸なことにロンドンで転んで骨折してしまったらしい。旅の始まりからケガするなんてかわいそう・・。彼はとても優しくて人が良さそう。一生懸命私の話を聞いてくれる。ただ、ラヒシも言っていたけどその彼女のシャーロンが結構嫉妬深くて、実際私がマイケルと話していたときも少し睨まれていたような?気が強そうな顔をしてる・・まあ、そんなのどうでもいいけどねw 雰囲気の良いバーで楽しい時間を過ごし、ホテルに戻る。帰り道はパラパラ雨が降っていた。明日天気になあれ!

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