Canvaはプロのデザインツールとして使える?現役Webデザイナーが検証してみた
こんにちは!ApplyNowの村上です。
先日、社内のデザイナーチームで「Canvaは実際に業務で扱うデザインツールとしてどうか?」という視点で共有会を行いました。そこでの内容をNoteでもご紹介できればと思い、この記事を公開します!
■Canvaとは?
Canvaはデザイン初心者から中級者向けのデザインツールです。
高度な編集は難しい場合もありますが、基本的な機能は一通り揃っており、AI機能も豊富に用意されている非常に便利なツールです。
CMには北野武さんや劇団ひとりさんが起用されていたりと、非常にインパクトがありますよね。
■Canvaが人気を集める理由を考えてみた
私の非デザイナーの友人たちも、職場やプライベートでCanvaを使用しているなど、今では非常にポピュラーなツールです。実際に使ってみて、私もその魅力に気がつきました。
私が感じたCanvaの魅力は次の3つです。
1.テンプレートスタート
Adobe IllustratorやPhotoshop、Figmaなどのデザインツールとは異なり、完成されたデザインのテンプレートから『選ぶ』ことから制作を始められる点が、デザイン制作のハードルを下げていてとても素敵だと思いました。
まさに誰でもデザインが作れる時代がきている感じがして、素晴らしいですね。
もちろん、カスタムサイズで真っ白なアートボードからもデザインが作れるので、デザイナーにも◎です。
2.とにかく素材が豊富
Canva内で豊富に素材が提供されているため、素材購入サイトや商用利用可能なフリー素材を探す手間がなく、Canva内で完結することができます。
提供されている素材は商用利用も可能なので、安心して制作を進められます。
3.UIがやさしい
特に私が注目しているポイントはこちらです。CanvaのUIは、主要なアイコンメニューにテキストの補足がついており、どこを押したら何ができるかがわかりやすく、混乱しにくい作りになっています。
これは初期ユーザーの学習コストを下げることにもつながっているように感じました。
私ももう慣れてしまっていましたが、改めて考えてみると、デザイナー向けのソフトはさまざまな編集ができる高機能さゆえに、初見ではどこを触ったら何ができるのかややわかりにくいですよね。
その点Canvaは、初心者にもやさしい作りになっていると感じられました。
■デザインツールとしての評価
実際にしばらくCanvaを使ってみて、デザインツールとしての評価を付けてみました。
SNSコンテンツ / 提案資料:◎
テンプレートを用いることで、整った見た目のものを誰でも作ることができ、情報発信やPRを行うSNS運用、デザイン性がクライアントの印象にもつながる提案資料などにとてもマッチしています。
印刷物:◯
Canva内に[Canvaで印刷する]というメニューが用意されており、Canvaで制作したデータのまま、印刷を発注できます。
ただし、金額が割高であったり、納期が決められない、選べる紙質が少ないなどの注意事項があるようです。
PDF書き出しができるので、PDFデータで印刷会社に発注するのも良いかもしれません。
参考記事:https://morifukurou.com/canva-flyer-220325/#toc2
また、一部印刷会社ではAdobe Illustratorデータで印刷データのテンプレートが配布されていたり、写真の画質を優先する場面ではAdobe Illustratorのデータで納品すべきでは…という悩ましさもあり、印刷物の評価は◯にしています。
動画:△
動画もCanvaで一通りの編集ができるようになっています。これは個人的な感覚ですが、Canvaのタイムラインパネルのトラックは1本になっているため、Premiere Proのように複数トラックを並べられた方が編集しやすいと感じました。今後も動画を編集する際はPremiere Proを使うかもしれません。
WEB:×
CanvaのWEB制作は、一つのセクションを下に積み重ねていく作り方になっており、画面も一枚ずつ作成する必要があるため、画面遷移やレスポンシブを確認しづらく、UI/UXなどのユーザー体験に関わる議論が必要なものには適していない印象です。
また、Canvaではテキストの一部編集やパス編集ができないなど、高度な編集が難しいので、デザイン性の高いWEBサイトをCanvaで制作するのは少し難しいかもしれません。
■私のCanva活用シーン
私はAdobe製品やFigmaを併用して業務にあたる中、Canvaは資料作成時に使用しています。Canvaは書き出し時にPPTX形式を選択できるので、非常に便利です。
PowerPointでは資料作成時に余白の数値を確認できないなど、デザインのしにくさを感じていたため、
大まかにデザインをCanvaで作り、その後PowerPointで仕上げるというフローが非常にストレスなく資料作成できる方法になっています。
■Canvaの注意事項
ここまでご紹介してきたCanvaですが、主に以下の3点が注意事項だと感じています。
1.PPTX形式の書き出し時、Canva上でPowerPointにない機能を使うと書き出し後に再現されない
Canvaにはテキストのエフェクトで背景を追加できる機能がありますが、PowerPointではテキスト自体に任意の角丸などのデザインがついた背景を追加できないため、PPTXで書き出した後では再現されていないことがあります。
そのため、現状は図形を文字の後ろに敷く方法で文字の後ろに背景をつけています。
上記のようにPowerPointにない機能を使うと書き出し後に反映されないことがあるため、もしCanva以降に編集の必要がないのであればPDFでの書き出しをおすすめします。
2.アートボードを初期のサイズから変更しにくい
Canvaでは、最初に決めたデザインサイズから別の比率やサイズに変更するには、有料プランに入っていないとできません。
無料の場合は、新しいサイズでデータを作成し、そこにペーストして配置し直す必要があります。
3.データが重い時の保存に不安がある
私がかなり重たい画像データを使用したことが原因だと思われますが、データの容量が重くなった時に、作業を戻したり(⌘Z)すると、何作業分かが一気に戻ってしまったり、その後もとに戻せなかったりと不安がありました。
画像をたくさん扱う容量の大きい資料を作るときは、PowerPointに移動してから画像を差し込む方法が良いかもしれません。
■おすすめの書籍
最後に、Canvaの機能を勉強するために購入した書籍をご紹介します。
膨大なCanvaの機能がひとつひとつわかりやすく解説されていて、とてもおすすめです!
『Canva 基本&デザインTIPS!無限に役立つ使いこなしワザ152』
2024年6月発行
■最後に
最後までご覧いただきありがとうございました!
新しいデザインツールに触れることができ、とても楽しかったです。
ApplyNowのクリエイティブ制作については、ぜひこちらからご覧ください!