新木場コースト
(2021年12月5日の日記)
昨日『ROTH BART BARON』というバンドとDJ・ミュージシャン『やけのはら』のライブを観に、新木場のスタジオコーストまで行ってきた。
スタジオコーストは初めて訪れたライブハウスで、今まで訪れたライブハウスの中でもとても雰囲気が良く、来てすぐにまた来たいと思ったが、残念ながら来年の1月で閉館になってしまうらしい。。
今年は色々なアーティストのライブへ行ってみたいなぁと思っていたのだが、(普段はまったりとお家で聴くのが好き)Twitterのタイムラインでおふたりが出演される機会があると知り、これはライブに呼ばれているかも‥ということで、11月からずっと楽しみにしていた。
わたしがやけのはらさんを知ったきっかけは、七尾旅人×やけのはら『Rollin' Rollin'』という曲を人から教えてもらって、そこから何度もリピートして聴くようになってからだ。
それから、この曲に沢山救われた。
砂漠のようにパサパサと心が乾燥してしまったときほど、わたしにとって頭をからっぽにしてリラックスして聴いていられる安心感のある、人生の定番の1曲になった。
この曲は、不思議とエンドレスで流していても飽きる気がしない。それどころか毎回聴くたびに、さまざまな新しい感情を運んできてくれる。
繊細で豊かな、イメージでいうと水のように瑞々しい感情だ。
以前も『水のような人』というタイトルで音楽のマガジンの一番初めにnoteに書いたことがある。
やけのはらさんは、当日はたんたんと静かにDJをして、選曲がどれも心地よくリラックスできてとてもよかった。
彼が歌う声をまたいつかの機会にライブ会場で聴いてみたい。最近初めて聴いた『RELAXIN'』、『自己嫌悪』という曲も、歌詞やリズムの良いテンポ、声に惹かれている。
理由はないけど、しんどい夜は何度も聴いた。
自分のかっこよさだけでなく、弱みも開示できるアーティストは強いなぁという尊敬の念と、耳触りの良い言葉だけでなく、負の感情を表に出して人が安心感を抱いたり、居心地の良いと思える居場所になるような言葉を紡げるところが、素敵なアーティストだと感じる。
『ROTH BART BARON』は、最近YouTubeで色々な曲を聴いていた時に、たまたま流れた『極彩 | I G L』を聴いて初めて知った。
最初の「君の物語を 絶やすな 絶やすな」という力強いメッセージ性ある言葉、自然美の映像と、雄大な大地を彷彿とさせる音楽に圧倒された。
一度聴いて耳から離れずに、何度もリピート再生した。
それからたまにふと気付いたら、日常で口ずさんでいることがあるくらい、耳に残る歌詞と曲だった。
つい先日Mステにも登場したらしいが、我が家にはTVがないので残念ながら観られなかった。
とても観たかった‥!
わたしがYouTubeで見つけたとくに好きな曲は『King』、『けもののなまえ』feat.HANA、新曲の『Ubugoe』、『極彩 | I G L(S)』、『氷河期#2』。(#1も好き)
まだまだ、過去の曲も含めてこれから色々な曲をゆっくりと聴いていこうと思う。
ライブ中に三船雅也さんがMCで放った言葉に、突然泣けてきてしまった。
言葉では表せられないほど、とても感動していた。
当日のライブでは、これまで私が聴いてきたお気に入りの曲が全て聴けた。まるでこの一年、これで良かったよ、と肯定してもらえたような、そんなご褒美をもらえた気がした。
『ROTH BART BARON』はバンドメンバーの演奏と三船雅也さんの歌声が幽玄な世界観を織りなしている。
北欧の世界のような、北海道で見た雪の白さを思い出した。
寒いけど、力強く生きていかなきゃ、と思わされた。
その後も様々な魅力的な出演者さんが出てきて、何組か音楽を聴いて、演奏もパフォーマンスもそれぞれの持ち味を活かしていて素晴らしかった。
私は前日の朝まで楽しみで眠れなかったこと、久しぶりに長時間の慣れない場所にいたこと‥が影響して、心はまだまだ居たかったけど、夕方頃には撤退してしまった。
夕方のライブハウスは朝とはまた違った雰囲気の佇まいだった。
それぞれの大切な人と‥、また、ふと独りになったときに音楽を聴ける時間は、わたしにとっては贅沢で心豊かに過ごせる時間で、やっぱりないといけない時間だと改めてこの日感じた。
わたしは人前で表現することはすごく苦手だけれど、この日憧れのアーティストを目の前にして、好きなことを好きなまま表現していい、と思えた。
色々なことですぐに不安定になる。
人の心に翻弄されやすい。
それでも、なんとかここまで生きてこられている。
ここまで生きているから、これからも好きなことや好きな人、自分のために生きていこうと思えた。
いつ何が起こるか、それはこれからも誰にもわからないけど、まだまだこんな素敵な音楽を聴いていられるなら大丈夫だと思えた。
最後に‥もうすぐ無くなってしまう新木場コーストに初めて行けて、良い思い出ができて嬉しかった。