ジーナ・Kを観て
先日、どうしても私に観せたい映画があると言われ観た映画、「ジーナ・K」。
なにやらTSUTAYAでは借りれないらしく、わざわざ購入までしてくれたので観てみました。
一言で言うなら、全然綺麗な世界ではない。
映画の世界の男性が色々やばすぎて、嫌にもなるし、憎くもなる。
特に映画の中のゆすり屋の郷田(永瀬正敏)、カトリーヌを育てた暴力男、宮本(光石研)は本当に好演で、しばらく画面に映ってもお腹いっぱい、となるほど影響されてしまった。
女性が強くしなやかに生きるのってこんなに大変なんだと思わせる映画なんだけど、ARATAが演じる物静かなトランペット吹きの菊池の存在のおかげで、愛することだけは忘れちゃダメだよと、救われる思いだった。
ARATAは蛇にピアスなど猟奇的な役が多い気がするけど、この映画のARATA演じる菊池は本当に純粋で心優しい男性だ。
福岡を舞台に、伝説のストリッパーをモチーフにして作られた映画のようだ。ストリッパーのカトリーヌ(石田えり)を母にもつ娘かやの(SHUUBI)が母との葛藤のすえ、ストリッパー小屋を抜け出し、歌手として自分の居場所を確立していく物語。
波乱万丈で、途中親友の悲惨な体験や、母との因縁に負けたくないという気持ちから身体をボロボロにしてまで歌う姿、自分や取り巻く環境、他者との闘い。
正直、なんだか目まぐるしく変わる映像や、話の展開についていくのがやっとで、終始過激な場面に目を覆いたくなり、それでも最後には胸を打たれ、この映画を見せたいと言ってくれた理由もわかったような気がした。
この映画の伝えたかったことは何だろうと鑑賞後ずっと考えているんだけど、私の中での結論は「無償の愛」ということがテーマにあるような気がした。
本当は母が娘に注ぐはずの無償の愛だったり、愛する人が女性に注ぐはずの無償の愛だったり、それが枯渇してる物語だからこそ、その裏から見えてくるものは、本当の愛情って何かと問われている気がする。愛するが故の愛憎もあり、愛は綺麗なものとして決して扱われていない。
傷口にワサビを塗られても痛くないと感じる人にはいいかもしれません。わたしにはかなり衝撃でした。そして、こんな映画をなぜ今まで知らなかったのだろうという気持ちになりました。
ジーナ・Kの生き方に共感してしまう部分もたくさんあり、マイナー映画だけにレビューを書こうか迷ったのですが、鑑賞した記録としてnoteに残しておきます。
映画の中の歌姫、ジーナ・K(SHUUBI)が歌っていた曲
https://youtu.be/RoHaYrv9fzY