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Switches

★ガレージロック70%
★オルタナティブ30%

 筋金入りのロックンロールフリーク、マットビショップが作った王道ロックど真ん中バンド。しっかりとしたビートに基づいている爆発的なガレージロックのエネルギーを持つ一方で、ABBAのような美しいボーカルハーモニーを入れて来るあたり、バンドのブレインは激しいだけじゃなく、ロックンロールを熟知していることをうかがわせる。テレキャスターとストラトキャスターの二本から鳴らすギターサウンドも洗練されたガレージロックサウンドに見事にハマっている。

■おすすめ曲

Drama Queen (Heart Tuned to D.E.A.D/2007年)
 ガレージロックの破壊力と爆発的なエネルギーをこんなにポップにわかりやすく噛み砕いた曲が他にどのくらいあるだろうか。例えば、物理学の教授がその道を極めすぎて周りから理解されない、いわゆる’変わり者’になってしまうことはよくあるが、何かを極めすぎると逆に、誰にでもわかりやすく説明するのは難しくなるものである。ロックンロールを極めすぎたはずのマットビショップがこんなにロックの魅力をわかりやすく伝えられる曲を作れるのは、まさに神がかり的なソングライティング能力だと言っていいと思う。

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Lay Down The Law (Heart Tuned to D.E.A.D/2007年)
 'Drama Queen'もそうだが、Switchesはミドルテンポの曲でここまで爆発力のあるガレージロックをやれるのがすごい。Switchesの曲はボーカルハーモニーも美しいのがその曲をロックなままポップにしている理由の一つだと思う。きっとマットビショップは家でいろんな種類のロックをまさに'フリーク'のごとく聴きまくっていてテンポなんか早くなくてもロックをかっこよく見せる引き出しをたくさん持ってるんだろうな。

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■まとめ
 ガレージロックの魅力そのままに、誰にでもわかるポップさも兼ね備えた天才バンド。ロックを極めて、誰にもわからない細かいこだわりもたくさんあるだろうに、それを誰にでもわかりやすくするってのは本当に難しいはず。ワンピースでいうとゴム人間なのに泳げるってくらいすごいことだと思うのだ。アルバム一枚しか出さずに解散してしまったのは本当にもったいない。

※ただ解散後もマットビショップは骨の髄までロックンロールフリークだからかソロになっても曲を作り続けている。音楽がかっこいいと意味不明なPVも最高にかっこよく見えてくる不思議笑(映像↑)

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■どうでもいい話
・シンガーのマットビショップは5歳の頃からギターで曲作りをしていたと豪語します。しかもフィッシャープライスというメーカーのおもちゃでレコーディングもしていたらしい。
・マットはインタビューの中の楽曲についての質問で「僕がスウィッチズとして重要視している要素の一つはヴォーカル・ハーモニーで、もっとも美しい楽器はヴォーカルだと思ってるくらいなんだ。」と答えている。
・スウィッチズはボーカルのマットがメンバーをインターネットで募集して作られたバンド。その際の選考基準はマットいわく「僕のことを傷つけなさそうな人」だったらしい。

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