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ポールマッカートニー「大丈夫、ビートは曲に入っているから」

この前以下のようなツイートをした。

ツイートの背景

ビートルズは初期の頃ドラマーが定着しなくてドラマー不在のままライブに出ることもあったという。

通常4人行うバンドを3人で、しかもリズムのかなめであるはずのドラマーなしで出演すると言うのでよくライブハウスの人から心配されていた。

ライブハウスの人「君たちのグループはドラマーがいないけどライブできるの?」
ポール「大丈夫、ビートは曲の中に入っているから」

...さらっと言い放っているが僕はこれ↑バンドのビートの成り立ちをクリティカルに表した超名言だと思う。

人間が曲にビートを感じるのはなぜか

そもそも一般的にリズムやビートはバスドラの重低音とスネアのクラック音の「ドン タン ドン タン」という繰り返しでできていて
我々は基本的にその「ドン タン ドン タン」を通して楽曲からリズムを感じている。

そんなビートのかなめとなるドラムがいなくても「大丈夫」とはどういうことだろう。

初めてこのエピソードを知ったときはまだ音楽を始めたばっかりのころで何のことだか全然わからなかったが、それから数年がたったある日なんとなく「I Saw Her Standing There」を聞いていてふとその意味がわかった気がした。

ポールマッカートニーはベースとリズムギターをバスドラとスネアの代わりにしている

↑この見出しのように考えて「I Saw Her Standing There」を聞いてみるとどうだろう。

バンドスコアでいうところのバスドラがあるところにはポールのベースがあり、スネアがあるところにはジョンのリズムギターがあるではないか。

言い換えるとドラムの「ドン タン ドン タン」がなくてもベースとリズムギターで「ブン チャ ブン チャ」という低音とクラック音のリズムになっているのだ。
しかも双方同時にメロディを生み出しながら。

これに気づいた時は感動した。まさにポールがライブハウスのおじさんに言った
「大丈夫、ビートは曲の中に入っているから」
の状態になっているのだ。

試しに、ドラマーが練習するために作られたドラム抜きの音源を聞いてみてほしい。

僕のnoteを読んでくれているロックンロール狂のみなさんならビートが曲の中に入っていることがガンガンわかると思う。↓

ベースはリズムとメロディを同時に生み出すことのできるバンドのミッドフィルダー的重要楽器

誤解を恐れずに言うと音楽を始めた頃の僕はこうも思っていた。
「バンドにベースっていらないんじゃね」と。

人のせいにする気はないがTVショーで音楽を聞いて育った人はそう思ってしまうのも無理はないと思う。TVはスピーカーの構造上、低音の周波数は再生品質が良くない。再生特性として正常なのは、300Hz~20,000Hzくらいであるがベースの旨味というか音のほとんどは160Hz~200Hzにあるのだ。これではTVを見てベースの音が重要だと思われないのも当然だし、ベースレスバンドが増えているのも当然だろう。

それはさておき、ベースとリズムギターでもビートが作れると知ってから
「バンドにベースっていらないんじゃね」と思っていた幼い日の僕は考えを大きく改めることになった。

もし楽器の要素をリズムとメロディというパラメータに分けるならそれぞれが担当しているのは
  ドラム → リズム100:メロディ0
  ギター → リズム20:メロディ80
  ボーカル → リズム5:メロディ95
そして
  ベース → リズム60:メロディ40
くらいのイメージだろうか。

ベースはサッカーで例えると攻撃も40くらいしつつ守備を60くらいしてゲームの流れを支配するまさにミッドフィルダー的な立ち回りである。


ちなみに他の楽器も例えると
  ボーカルは前に出て点を取る華形のフォワード
  ギターはサイドをドルブルで駆け上がって得点をアシストするギター
  ドラムはこの人がしっかりしてないとゲームが組み立てられないことからディフェンダー
といったところだろうか。
※たまに自分で点を取りたがるタイプのギタリストもいるけど笑

まとめ

ポールマッカートニーが言った「大丈夫、ビートは曲の中に入っているから」はバンドのビートの成り立ちをクリティカルに表した名言である。

まさにThe "Beat"lesを名乗るだけのことはあるくらい楽曲のビートについて熟知しているから言えたことだ。

そしてバンドでベースを担当している人は音楽の魅力を一番よくわかっている渋くてカッコイイミュージシャンなのだ。

最後まで読んでくださってありがとうございます。
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