台湾モバイルゲーム最新市場と進出を成功させるポイント3つ
こんにちは、applemintのKayです。台湾でのモバイルゲーム市場が現在注目を浴びています。というのも、台湾現地で楽しまれるゲームの約70%は、モバイルゲームだからです!
台湾のモバイルゲーム市場は、2015年の世界15位から急激に成長し、2022年は世界で5位に浮上しました。
世界における台湾の人口ランキングが50位前後であることを考慮すると、国民全体のモバイルゲームユーザー比率が非常に高いことがわかります。
しかし、台湾でモバイルゲームを展開するには、多くの課題があります。まず競争が激しい成熟した市場なので、毎年大量のアプリがリリースされます。
さらに、中国向けに作られたゲームをそのまま台湾で使い回すことはお勧めしません。台湾で中国向けの漢字や表現を使うと、信頼や好感度が下がるリスクがあるからです。
台湾モバイルゲーム市場で成功を収めるためには、現地の文化や行動を理解し、それに基づいたマーケティング戦略が欠かせません!
そこで今回は、台湾在住の筆者が現地情報をもとに、台湾モバイルゲーム市場の最新動向、近年のヒットゲームの特徴と課題、そして台湾進出に役立つマーケティング手法を網羅的にご紹介します!
台湾のモバイルゲーム市場の現状
まず、最新の台湾モバイルゲーム市場についてご紹介します。
2022年、台湾のモバイルゲーム市場は世界で第5位の収益規模に、市場規模は3ヶ月で7億USDに達しました。
つまり年間に換算すると28億USD(23年4月時点のレートで3700億円)の市場規模に達します。
台湾人のモバイルゲームの総ダウンロード数は、年間7.5億回を超えており、モバイル市場の収益の85%近くがゲームから発生しています。
つまり台湾人にとってはゲーム=モバイルゲームと言っても過言ではないのです。
なぜ台湾でモバイルゲームが流行るのか?
なぜ人口が2400万人とそこまで多くない台湾で、モバイルゲームがこれほどダウンロードされるのでしょうか?その理由は2つあります:
台湾は古くから日本、アメリカ、韓国などの異なるゲーム文化に育まれている
モバイルの普及率が世界的に見ても高く、またスマホの利用環境が整っている
台湾のゲーム文化を作ったのは日本です。台湾ゲームの歴史は1991年の日本発ゲーム、ストリートファイター2の流行から始まりました。
その後、台湾では、ディアブロなどのアメリカ発ゲーム、ラグナロクオンラインなどの韓国発ゲームなど、様々な国のゲームが翻訳されて遊ばれてきました。
そして現在、台湾がモバイルゲームに強いのは、台湾のモバイル普及率と利用環境が大きく関係しています。
台湾のモバイル普及率は、すでに人口あたり120%とほぼ全ての国民がスマホを持っている上、利用料も使い放題が2~3000円程度と割安です。
そのため、台湾の1日あたりのネット利用時間は約7時間と日本の約1.8倍で、うち91%がスマホユーザーとなっています。
ただゲームに関しては、現在、プレイ時間はまだ平均1時間弱と、利用時間に占める割合は長くありません。
他のメディアからうまく時間を移行できれば、台湾ゲーム市場は今後も拡大の余地があるといえます。
台湾モバイルゲーム市場の特徴と進出前に知りたい注意点
台湾で流行るモバイルゲームの特徴3つ
台湾に進出するなら押さえておきたいのが、台湾で流行るモバイルゲームの特徴と注意点です。以下で、台湾のゲームプレーヤーに遊ばれる代表的な3つのタイプを紹介します:
有名なアニメや漫画とコラボしたゲーム
誰もが簡単に気軽に遊べるゲーム(ナンプレやパズルなど)
バトルや点数系ではっきりと成績が見られるゲーム
注目すべきは最後のバトルや点数系で成績を競うものです。台湾人がゲームに求めるものは、ストレスからの解放や達成感と言われています。
そのためゲームでも絶対に勝ちたいと考える人も多く、結果有料プレーヤーの額が世界的にみても高いのではないかと考えます。
台湾進出前に知っておきたい注意点3つ
台湾のモバイルゲーム市場は成長が期待される一方、注意点もあります:
台湾のモバイルゲームはすぐ飽きられ、ライフサイクルが短い
強いIP(知的財産権)とのコラボが増えている
中国と台湾の中国語が違うためゲームの再翻訳が必要
台湾では2018~2020年でtop10に生き残ったゲームはたったの2つです。
2020年の台湾モバイルゲームダウンロード数を見ると年間7.5億回、つまり国民一人当たりのゲームダウンロード数は24本、1ヶ月で2本新しいアプリをダウンロードしている計算になります。
つまり一つのゲームを使い続けてもらうには、相当魅力のあるゲームを出さないといけません。
2020年にモバイルゲームの売上top10に入ったタイトルは、スラムダンクやワンパンマンなど大型IPとコラボしたものです。
しかしIPコラボは版権費用がかかるので、資金が少ない中小企業にとっては不利な状況とも言えます。
参考:台灣手遊營收「全球前十」!怎麼讓玩家甘心掏錢? 專家點出「這些」因素
さらに、台湾に進出する際はゲーム内容だけでなく翻訳も必要です。
企業の中には「どうせ同じ中国語だからいいだろう」という理由で、中国の簡体字翻訳を台湾に流用するケースが見られます。ですが、これは大きな間違いです。
翻訳会社のブログでも紹介していますが、台湾と中国は字体、単語、発音がかなり異なります。
うっかり上記を混同してしまうと、台湾での好感度が下がり、現地進出がスムーズにいかなリスクが高まります。企業は事前に台湾のニーズをリサーチしておくことが欠かせません。
台湾モバイルゲームの効果的なマーケティング2選と注意点
最後に、台湾に精通する弊社から、台湾にモバイルゲームで進出する場合に使えるマーケティング対策と注意点をお伝えして終わりたいと思います。
その1. SNS対策は必ず行う(Instagram、TikTokなど)
台湾に進出するならSNS対策は必須です!
なぜなら台湾のSNS利用時間は、日本の約2倍の1日2時間と非常に長く、ゲーム業界に限らず台湾で認知度を上げるには欠かせないためです。
しかし、日本ではゲーム業界で利用されるtwitterの利用率が以外にも低く、約30%しかいません。
では代わりに何を使えばいいでしょうか?お勧めはInstagramリールとTikTokです。しかも15秒以内のショート動画を作るのがお勧めです。その理由はユーザーの多さです。
特にTikTokは、2022年から2023年にかけて、120万人ユーザーが増え530万人を突破するなど、驚異的な成長を見せています。
またローカルの対策として、台湾ではオタクゲーム関連でよく使われるPlurkと呼ばれるSNSがあります。
弊社のゲーム系グッズを扱うお客様はPlurkをきっかけにHPの流入が増えます。もしPlurkで盛り上がる種類のゲームであれば、こちらの運用もオススメです。
その2. Facebook、Googleのアプリ広告を併用する
台湾にモバイルゲームで進出するなら、FacebookやGoogleのアプリ宣伝広告も欠かせません。
特に台湾のモバイルゲームは配信の初月が最も重要なので、リリース日からスタートできるよう事前に準備する必要があります。
Facebook広告はインスタももちろんカバーしており、台湾人の9割以上にはリーチできます。
また配信先のターゲットが性別・年齢・趣味など比較的細かく設定できるため、ニッチなゲームであってもまずは試してみることが可能です。
一方Googleのアプリ広告では、検索や、Google Playのアプリ画面、Gmail、Youtube、ディスプレイネットワークと呼ばれる 200 万以上のウェブサイト・アプリに広告の配信ができます。
ターゲティングに関しては、Googleの機械学習にお任せで細かく設定できないデメリットはありますが、広告はクリックされないと課金されない方式なので、無駄なコストが発生しにくいと言えます。
Facebookとは特徴が違うので、効率よくアプローチするために両方を準備しておくことがオススメです。
注意:インフルエンサーは一定額の予算がなければオススメしない
最後にインフルエンサーについてですが、結論から言うとあまりオススメしません。台湾ではインフルエンサーの価格高騰が進んでおり、費用の割に成果が出ないからです。
10万フォロワー以上のインフルエンサーに頼むならFacebookの投稿だけでも最低4~50万円以上は必要ですし、Youtubeとなれば100〜200万円以上が当たり前になってきます。
つまりインフルエンサーを使い広告をするなら一定額の予算が必要です。さらに予算に合ったインフルエンサーを探すのにも時間がかかります。
どうしても使いたい場合は、早めに手配会社に相談し見積もりを取ることをお勧めします。
いかがでしたか?このブログが皆様がモバイルゲームで台湾進出を考える際の参考になれば幸いです!
今後台湾モバイルゲーム市場はまだまだ発展が期待できます。
もし今後台湾に進出を考えるゲーム業界の方がおられましたら、ぜひ一度台湾のマーケティングに精通したapplemintまでお問い合わせください!