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【台湾リモートワーク注意事項】2週間実践して見えたこと

こんにちは!猫に嫌われ、トイレ掃除と餌やりで猫にアピールを続ける applemint 代表の佐藤(@slamdunk772) です。

2021年も引き続き緊急事態宣言が発動する中、どれくらいの人がリモートワークを続けているでしょうか?台湾では2021年の5月に久しぶりに国内感染者が出て少し緊張が走っていますが、あまりにも長い期間通常生活を送っている人々のコロナへの適応は難しそうです。

例えばこちらは2020年4月、日本がコロナウイルスで大騒ぎをしていた時の台湾の様子です。

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写真参考:https://www.cna.com.tw/news/firstnews/202004055001.aspx

コロナウイルスどこ行った?って感じですね。

当然働き方も何も変わってません。そんな中 applemint ではテストの意味合いも兼ねて去年から積極的にリモートワークをしています。

ちなみに台湾の会社でリモートワークを実施している企業はかなり少数です。周りの友人に聞いてもほとんどリモートワークをしていません。その背景には企業が従業員を信じていないという猜疑心があると思いますが、うちは皆責任感のあるメンバーなので大丈夫だと思っています。

結論を言うと、台湾でリモートワークは問題ないと思いますが、リモートワークをしていくつか注意しないといけない点に気づきました。このブログでは今後台湾でリモートワークを考えている方向けに、リモートワークをする上で注意しないといけない点やリモートワークのメリットをお話ししたいと思います。

注意点その1:就業規則の修正

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リモートワークをしたいと思って、急にするのは危険です。なぜなら就業規則にリモートワークに関する記述が明記されていないとリモートワークはかなりリスキーだからです。

どういうことでしょうか?

台湾ではオフィスや通勤中に事故があった場合、労働保険が下りますが基本的に会社が社員の事故に対して責任を持ちます。

では、在宅勤務の場合どうでしょうか?在宅勤務時に何か事故が起こっても通勤時同様会社の責任になります。

会社は通常社員が在宅勤務している時は、社員の行動を監視したり制限したりすることはできません。これの何が厄介かというと、例えば在宅勤務時に社員がアルコールを昼間から飲んで酔っぱらって事故を起こしたとします。これが会社の責任になるんですね。

例えば台湾って結構労働者が守られていて、会社は通勤の手段を指定することができません。日本だったら基本的に「公共の交通機関を使いなさい」と就業規則に書いてますよね?

台湾では会社側が通勤手段を指定できないので、平日以下のようなバイクの波ができます。

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また、台湾だと通勤中にバイク事故を起こしたらその責任は会社にあります。

通常、会社は社員がオフィスにいれば、従業員が何をしているかある程度監視できます。従業員が就業中にアルコールを飲むことなんて当然できません。

しかしリモートワークでは従業員を監視できないにも関わらず何か問題が起きたら会社の責任です。

なので台湾でリモートワークをする場合は改めて就業規則を見直して、弁護士と相談することをオススメします。具体的にはリモートワーク時の就業場所について追記することをオススメします。

applemint は早い段階からリモートワークをしていたため、弁護士と相談して就業規則に以下のような文言を入れています。
「従業員はリモートワークの仕事場を選ぶ際、安全性と実務を遂行するに適した場所を選ばなければいけない」

もしも従業員がリモート時に事故を起こしたり、それが原因で訴えられた場合に備えているということです。

法律は結構みなさん見落とすところなので、ご注意ください!

注意点その2: リモートワーク時の残業について

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今まで、残業代はスタッフが会社に入退室することによって決まっていました。ではリモートワークだとどうでしょうか?

結論を述べると、オフィスだろうとリモートだろうと始業時間と就業時間の管理は必要と弁護士から言われました。では、リモートの場合の入退室管理はどうすればいいか?

日本だともうすでに様々な便利なツールが出ていますが、台湾でリモート時に入退室管理ができるツールを導入している会社は少ないでしょう。そこでご紹介したいのが、Google スプレッドシートを使う方法です。

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スプレッドシートには誰が、何時にどんな変更をしたのかきちんとログが記録されるため、朝10時にスプレッドシートを開いた人が朝9時に出社したと嘘はつけません。

この方法でリモート時の勤怠管理は十分可能です。

しかしこの方法を使って残業時間の嘘をつくことはできます。例えば18:00 に仕事を終わらして、21:00 まで特に何もせず、21:00 に仕事を終えたとスプレッドシートに記入することができます。

この場合、企業は残業代を払う必要があります。

払わないと決めた場合は、企業はその時間帯にその社員が仕事をしていなかったことを証明しなければなりません。でもリモートだと従業員の姿が見えないのでそれができません。つまりリモートワークをする会社はまず社員との信頼関係を強固にしておく必要があります。

なのでリモートワークの残業の処理の仕方ですが、弁護士からオススメされたのは「申請方式」です。

残業をする人は予め上司に残業理由と残業時間を申請します。例えば9時まで残業をすると申請した社員が10時まで働いても企業は9時までの残業代を支払えば問題ありません。

なお、リモートワークに関しては台湾の細かい法律の整備が間に合っておらず、コロナを抑え込んだことで今後も整うまで時間がかかると思われます。

台湾におけるリモートワークのメリット

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最後に、リモートワークを台湾でして感じたメリットをお話ししてこのブログを終えたいと思います。

その1. 通勤時間短縮&通勤コスト節約

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念の為お話ししておきますが、台湾では一般的に会社から社員への交通費の支給はありません。

台湾人の社員は家族と一緒に住んでいる場合が非常に多く、郊外から通勤する人も多いです。中には通勤だけで1時間以上かける人もおり、毎日の交通費が400-500円ぐらいかかってしまう人も少なくありません。もちろん多くの会社は負担しません。

リモートワークになれば、多くの社員は通勤時間が節約できて、通勤費用が節約できるのでかなり嬉しがられるでしょう。当然、経営者の方々も出勤の必要がないのでその分時間を節約できます。

その2. 他社がしていない

日本はコロナウイルスの感染者が拡大したことで、リモートワークがどんどん当たり前になるというパラダイムシフトが起きました。一方の台湾は全然起きてません。

僕の友人なんかコロナ対策として会社の本社は小南門 (台北の中心地) にあるのに、一時的になぜか北部の北投に出勤を命じられました。意味がわかりません。

なので台湾では「リモートワーク」が福利厚生になり得ると思います。

コロナウイルスが起きて良かったとは決して思いません。しかしコロナウイルスが起きたことで、日本では多くの企業がリモートワークが可能であることや、役所の手続きがデジタル化する必要性が見えたと思います。

対する台湾では拡大を防げたが故に、多くの企業はリモートワークに踏み切らないでしょうし、デジタル化も遅れる可能性があります。

今後もリモートワークを続けるか?

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applemint では今後もリモートワークを続けます。

しかし2-3週間連続はきついなと思いました。

僕はリモートワークの良し悪しを語る時、何か別の事柄に例えるといいと思ってます。例えばプロサッカーチームで例えましょう。

リモートワークってサッカーで言うと自主練にあたると思います。そしてチーム練習がオフィス出社です。では、リーグ戦の最中に1ヶ月間全て自主練で問題ないと思っているチームはあるでしょうか?

恐らくないですよね。先進的な練習をするホッフェンハイムや RBライプツィヒでもしないと思います。

また、欧州のサッカー選手を見ると夏のバカンス後太ってチームに戻る人がいます。プロのサッカー選手といえどみんなが勤勉なのではなく、勤勉じゃない選手も半分ぐらいいるわけです。つまり、人間はオンオフがないとだらだらサボるってことです。

では勤勉じゃない選手が悪いのかというと恐らくそうではなく、勤勉じゃない選手はその人のやり方で結果を出せばいいと思います。

参考:東大生と、「努力できる脳」「努力できない脳」

サッカーチームに話を戻すと、サッカー選手は毎日チーム練習をしません。週3とかでしょう。それと同じように会社員も週に数日オフィス出社して、残りはリモートでいいと思っています。

以上台湾の現場からお伝えしました!











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