台湾在住者が語るリアルな台湾市場について~台湾進出は現状の徹底調査から~
こんにちは!
台湾でデジタルマーケティングの会社 applemint の代表を務める佐藤です。
みなさん台湾市場に対してどんなイメージを持っていますか?
「親日」、「物理的な距離が近い」、「インフラが整っている」など割とポジティブなイメージが多いと思います。
また、越境 EC のサービスを提供する会社は日系企業が台湾に進出するたびに自分たちの懐にお金が入るので、
「台湾市場は今がチャンスです!」など都合のいいことばかり言っているようです。
では、現状はどうでしょうか?
今回のブログではそんな都合のいい話はおいておいて、台湾に進出する際に留意しておきたい懸念点をできるだけリアルに伝えたいと思います。
悲観的な将来の人口規模
現在 2300万人の人口規模を誇る台湾ですが、今後は市場規模の縮小が見込まれます。
台湾の出生率はシンガポール、マカオに着いで世界で三番目に低いと言われています。*1
日本や香港よりも低いのです。
そのため、2025年をピークに人口減が始まると言われています。
下は私が以前作成したインフォグラフィックです。
幸いなことに、まだ日本ほどの高齢化社会ではないため、人口は2021-2025年までの間に2380万人まで増えるとは言われています。
しかしあと10年で超高齢化社会に突入すると言われているので要注意です。*2
*1「出生率について」参照: https://www.taiwannews.com.tw/en/news/3312276
*2「高齢化社会について」参照:
https://www.straitstimes.com/asia/taiwans-population-to-shrink-in-5-to-9-years
日本と同じ人口ピラミッド
上は台湾の人口ピラミッドです。
人口ピラミッドの形は日本と似ています。
典型的な少子高齢社会で見られる、壺型の人口ピラミッドです。*3
65歳以上は12%、そして所謂生産年齢と言われる 25-64歳の人口は 60.6%、15-24歳は 13.4%です。
ちなみに GDP と人口は相関があると言われ、今後人口が減るにつれて GDP が縮小することも予想されます。
ここまでの話を要約すると以下のようになります:
1. 台湾市場とは2,300万人で千葉、埼玉、神奈川の3県の人口規模ということ
2. 台湾市場は今後縮小する
これがまずはリアルな台湾市場の現実です。
*3「台湾の人口ピラミッド」参照:https://www.indexmundi.com/taiwan/age_structure.html
まずは台湾に進出してノウハウを貯めて中国進出という危ない考え
台湾と中国の習慣の違い
次に、ここではっきり述べますが、台湾と中国は全くの別世界です。
中国では宅配やタクシーのサービスなどアプリを頻繁に使用し、どんどんキャッシュレスな社会になっています。
一方で台湾の人は一般的にアプリを DL することを嫌い、未だに現金がかなり重視されます。
ただしLinepay や 街口Pay というアプリが普及し始めてはいます。
従って、台湾で成功しても、そのノウハウを直接中国で活かせることはあまり期待できません。
特に EC の業態がかなり違うと思っています。
これから説明します。
中国の ECモール
中国では LP (自社サイト)を使って売ることは、非常に困難と言われています。
所謂ダイレクトマーケティングと言われるような手法が、通じないと言われています。
例えば apple は、他社 EC サイトを経由して売ることを非常に嫌うと言われていますが、あの apple でさえ、中国では自社サイトからの販売は無理だと妥協して tmall (天貓) に出店したほどです。
なぜでしょうか?
中国人はパッと出たサイトは詐欺サイトと思うためです。
要するに中国の消費者は、モールなど信頼できるサイトでないと購入をしないのです。
そのため、台湾でダイレクトマーケティングのノウハウを培っても、中国大陸ではゼロからのスタートになります。
なぜならいくら売れる LP を作っても、 LP 自体が信用されないためです…
中国政府の存在
中国で物を売るとき、パッケージやウェブサイトで使用するフォントは中国政府の国家規格に基づいたフォントを使わなければいけません。*4
さらに中国では外国の企業が媒体 (メディア) になることはできないと聞きました。
情報を規制するためです。
つまり、オウンドメディアを構築して、サイト内の枠を広告として売るようなビジネスは難しそうです。
また、先ほどの EC モールの例だと、EC モールで購入した消費者のデータは、 EC モールを運営している企業を通して政府に筒抜けと言われています。
このように台湾と中国語は、共通言語や食習慣が似ているだけで、私は台湾のノウハウを生かして中国に進出しましょうと言っている人の意味がわかりません….
中国を狙っているのなら、初めから中国に進出するのが早いと思います。
台湾は海外進出のハードルが低いので、台湾で『海外に慣れて』中国進出という考えは理解できますが、未だに一部の広告代理店は「台湾で培ったノウハウを中国で生かしましょう」と言っている意味がわかりません….
まずは、二つの国が全く別の国であることを理解する必要があります。
*4 「中国政府フォントについて」参照:http://www.morisawa.co.jp/products/fonts/embedding/chinese/
いかがでしたか?
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