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日本人は台湾ではマイノリティという現実
こんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。突然ですがみなさんは台湾に日本人がどれくらいいるかご存知ですか?
日本交流協会の調べによると2020年8月時点で台湾には日本人が 18,765人います。*1これは台湾の人口の0.07%で、日本人は台湾では圧倒的マイノリティです。
参考*1:https://www.koryu.or.jp/publications/knowledge/
マイノリティは残念ながらコミュニティ内で攻撃の対象になりやすいです。例えば僕はアメリカでサッカーをしていた時、周りはラテン系の人ばかりで僕はいつもChino (中国人) と呼ばれてバカにされてました。
では、台湾はどうか?幸いにも今のところ僕はあからさまな差別や攻撃は受けていません。ただし、周りの日本人の話を聞くとそういうわけではないようです。
特に日本人は台湾で事業が軌道になり始めると攻撃を受けやすくなるようです。わかりやすいですね(笑)成功者はそもそも妬まれやすいと思いますが、そこに更にマイノリティという要素が加わり日本人への妬みが増大するのでしょう。
今回のブログでは台湾で起業して他の人から嫌がらせを受けた僕の知り合いの実例をご紹介します。この話を参考に、台湾では自分たちはマイノリティー、つまり「住ましてもらっている」という意識で細心の注意を払っていただければと思います。
※これを書いているのが 2021年4月21日なのですが、4月20日の台湾の新聞で、某日系メーカーが5年間で6度目となる違法な時間外労働による罰金を受けたニュースがありました....
日系飲食店A が受けた嫌がらせ
台湾で飲食店は攻撃の対象になりやすいと言われています。なぜなら繁盛し始めるとそれが行列や満席という形で可視化されるからです。私は台湾に数人飲食店関連の知り合いがいますが、みな一度はなんらかの嫌がらせを受けた経験があるようです。
今回は日本人が経営する某飲食店Aが受けた嫌がらせを3つをご紹介します。ちなみに今からご紹介する3つの嫌がらせは飲食店であれば全て経験する嫌がらせのようです(苦笑)
台湾で日系飲食店が受ける典型的な嫌がらせ
1. 不法労働者 (労働許可のない日本人) を雇っていると訴えられる
2. 排煙の設備が不十分と言われる
3. 税金を払っていないと言われる
なので、当たり前ですが『労働許可証がある人を雇う』、『排煙の設備はきちんとする』、『税金はきちんと支払う』は徹底しないと狙われます。また、ちゃんとしてる飲食店でもどうやら叩けば埃が出ると思って、繰り返し労働局に訴えられるようです。
ちゃんとしている飲食店はきちんと対応しているのに、お客さんが食事中に労働局の職員が立ち入って店内の雰囲気が悪くなるため、本当にいい迷惑だそうです。
3社が結託した妨害
日本の玩具を販売代理していた某日系B社は台湾で事業が軌道に乗り始めた頃に競合他社から販売代理の妨害を受けました。
競合他社3社が B社が販売代理を請け負っていたメーカー3社の商品をそれぞれ並行で輸入し、B社が取引をしている小売店に販売してB社の売上を妨害しようとしました。
僕が同じことをやられたら結構傷つきます。
その後、その競合他社3社がB社のカタログや商標を使っていたので B 社が弁護士に相談して訴えたところ、競合他社が手を引いたそうです。このことが起きたのは B社の社長が起業して数年経った時らしく、初めてこんな露骨な嫌がらせを受けたためその当時は非常にショックだったと話していました。
競争より共創をロジカルに話す
人は皆弱い生き物です。自分がうまくいっていない時にインスタグラムで楽しそうにしている人の顔を見たらムカつきます。
僕も起業当社は攻撃というか競合の粗探しをしていました。でも止めました。起業時こそ仕事がなくて暇でしたが、そもそも今は忙しくなってあんまり他者を攻撃するような時間がありません(苦笑)
また、競争をするよりも共創が利益になる場合が多いことを知った今は他者/他社を攻撃したりするようなことをしていません。(「あの会社ふざけてる!」とか文句は言いますが…苦笑)
ちなみに台湾では広告代理店同士が粗探しをすることがしょっちゅうあります(台湾だけに限らずですかね...苦笑)例えばとても儲かっているAという広告代理店がBという会社の広告をしているとします。
あまり儲かってない広告代理店CはB社の広告を見て、どこか法律に違反している広告表現がないか粗探しをするというやつです。
僕も起業したばかりの頃はそんな事考えてましたし、粗探しまでいかないですが違法な広告表現があったら衛生局に言ってました。
でもそんな事しても僕らに仕事が来るか否かは別問題で、今はそんな事をしている暇があったら自分たちのコミュニケーションのレベルを上げてます。成長したんですかね(笑)
むしろ今は台湾にある広告代理店のレベルアップに貢献したいとさえ考えています。僕らが自動化しているレポーティングの方法やバナーの作り方も Youtube にアップしてます。
台湾にある他社広告代理店のレベルが上がれば、広告主の商品がもっと売れて、台湾に進出したくなる会社が増えるからです。
最後に
台湾という地で日本人やマイノリティがうまくいくと、「人様の地で調子に乗るなよ」と思う現地の人は必ず一定数います。というか、うまくいっている会社があれば、日本人だろうと台湾人だろうと妬んで攻撃をする人が必ずいます。
今回は台湾の企業が日系企業を攻撃するパターンをご紹介しましたが、残念ながら台湾では同胞の日本人からの攻撃もあります。僕はむしろ日本人からの攻撃を一番警戒しています。
例えば日本人の方とお酒を飲むとどうしても警戒心がゆるむ時が来ます。だから僕はあまり台北で日本人の方とお酒を飲みません (僕がまだまだ貧乏っていう理由もあります (苦笑 )
ただ幸いにも本当に一部の心を許せる人はいて、その人達とはたまにオープンに色々話してます。
また、労働法の遵守も徹底しています。顧問弁護士も起業して2年目から3年目になる時にはつけました。結構な費用がかかりました....(苦笑)
台湾は日本食のレベルが高くとても住み心地がいいですが、日本人は台湾ではあくまでマイノリティであることを意識するべきだと思っています。このブログを通して改めて台湾で警戒心を緩めないことを意識して頂ければと思います。
このブログが何らかの役に立てば幸いです。