21歳のヨーロッパひとり旅34_(1989年の夏 45日間)
●国と国の風土の違い
(1989.8.17)
年を重ねた女性にもはっとするほど美しい人がいる。その佇まいが美しいのだ。旅の途中でこれまでに2度感じた。ひとりは、チューリッヒ湖の観光船で乗り合わせた女性。上品なベビーピンクのポロに、白のパンツ。耳あたりで切りそろえたシルバーヘアによく似合っていた。口紅も品よく。
もう一人はカッセルの街なかで見かけた女性。白とブルーのストライプのシャツを爽やかに着こなしていた。
ドイツ人は相槌を打つ時、「あ、ソウ」という。耳慣れないうちはとてもおかしかった。
ドイツ語圏の国の列車はこれまでのところどれも清潔だ。特にトイレで違いが分かる。スペインやイタリア、ギリシャの列車は、トイレットペーパーはなくて当然、トイレは汚れていて普通だったが、ここは違う。今乗っている列車のコンパートメントなども整然としている。
通りの車も異なる。南ヨーロッパは乾燥しているせいか、うっすらとホコリをかぶっていない車はなかった印象だが、このあたりは夏でも適当に雨が降るし、どの車もつやつやと光っている。その土地の気候や風土の反映か。
物価は日本とあまり変わらない。ただ、果物や野菜や宿代は安いと思った。
アムステルダムに着くとすぐ列車を乗り換え、30分程かかるアルクマールに向かった。明日は金曜日で週一度のチーズ市が開かれるのだ。
町の観光案内所で紹介された宿は、一人暮らしの老婦人が自宅の2階を改築してやっていた。小綺麗な部屋で見晴らしも良く、しかも格安だったので3泊することにした。
オランダって街並みがとても可愛い。
(続く)
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