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21歳のヨーロッパひとり旅12_(1989年の夏 45日間)
●ローマのキャンプ場でコンタクトレンズ紛失
(1989.7.23)
今日は日曜日で、目ぼしい美術館は全部閉まっているからローマにそのまま行ってしまおう、と急に決めたのは、フィレンツェ行きの列車の中だった。
フィレンツェでローマ行きの列車に乗り継ぐと、日本人とオランダ人女性の二人連れが乗ってきた。聞くと、直美さんというその女性はドイツに留学中で、今夏休みなので友人のオランダ人ベリエッタとイタリア旅行中とのこと。
話しているうちに、ローマは宿代が高いから一緒にキャンプ場に泊まろう、テントも持ってるし、シュラフ(寝袋)も貸してあげるよ、と言われたので、そうすることにした。
キャンプ場には同じようなバックパッカーが沢山テントを張って、思い思いに自炊したり、洗濯したりしている。
夜はいろんな国の人たちとたき火を囲んでトランプやおしゃべりをする。
その後とんでもないことが起こった。コンタクトレンズを片方落としてしまったのだ。寝る前に洗面所でレンズを外したら飛んでしまった。運悪く、水道の蛇口をひねったままだった。もしかしたら、地面に落ちているかもしれないと、近くにいた人に懐中電灯を借りて二人で30分くらいの這いつくばって探したが見つからなかった。
はっきり言ってサイテイな気分だった。
ローマでコンタクトをすぐ作ることができるだろうか?お医者で視力検査をしなければならないかも。こちらの過失だからまさか保険はきくまい。600円で安くあげたつもりが25000円のキャンプ料金になってしまった…と、つらつらと考えながら遅い眠りに落ちた。
(続く)