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【東京Oターン日記】8年前から変わらないもの
ここ最近、とても冷え込んでいますね。
北海道出身の私も、さすがに堪えています…
何より、東京は雪がなくて、冷たい風が強く吹き付けてくるのが慣れないです…
今日は8年前の話をします。
当時、大学2年生だったわたしは、お付き合いしていた人が早稲田大学の人で、他大学にもかかわらず頻繁に高田馬場へ足を運んでいました。
学生街だから、無限に飲食店が軒を連ねているのだけれど、その中で唯一、心の底からほっと一息つけるお店がありました。
「ザ・ハンバーグ 高田馬場店」
高田馬場駅から早稲田大学まで歩く、いわゆる「馬場歩き」をする途中にあるお店。
店内は木材を使ったロッジ風の佇まい。
お昼に行っても、夜に行っても、ダンディなおじさまが新聞や雑誌を広げながら食事を楽しんでいました。
実は先日このお店へ8年ぶりに行ってきました。
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オーダーを取る店員のおじさまも素敵なお声で、都会の喧騒で疲れた心に染み渡ります。
セットメニューにコンソメスープとご飯が含まれているので、ボリュームいっぱい。
看板メニューのハンバーグは50g単位で注文でき、なんと1500gまで頼めるそう。
8年前のこと
大学生になって、初めて「彼氏」という存在ができました。
中高のときは、お付き合いといってもお遊び半分。彼氏、彼女ってこんな感じなんだ…と浮き足立っていたことを覚えています。笑
早稲田の学生だった彼とは、所属している社会人サークルが同じで、それをきっかけに知り合いました。
早稲田のことをよく知っている彼に連れてきてもらったのが、ザ・ハンバーグでした。
リーズナブルな価格で、お腹いっぱい食べられるのに、おしゃれな空間が広がっている。
ちょっと背伸びをしながら、店の奥の席でメニューを眺めていました。
デートにも慣れていなくて、一緒にご飯を食べられることが幸せで仕方なく、とにかくウキウキしていました。
「美味しいね」と言いながら笑顔でハンバーグを頬張った記憶が、つい昨日のことのように思い出されます。
先日のこと
先日はたまたま高田馬場で時間があったので、これまた早稲田卒の友人と、来訪を決めました。(彼は10年ぶりだったそう)
店に入ると、そこには8年前と何ら変わらない風景が広がっていました。
「コートかけられますから、どうぞ」
「荷物は上にスペースがありますから」
やさしく声をかけてくれる店員さんの雰囲気まで、まったく変わっていませんでした。
注文したハンバーグを食べながらうっとりしていると、隣に大学生らしきカップルが。
ぎこちなさがありつつ、ハンバーグを食べると一気に笑顔が溢れて「美味しいね」と顔を見合わせる。
彼らの様子を目にした途端、
8年前の記憶が一気に蘇ってきました。
東京のことなんか、ほとんど何も知らない無邪気なわたしと、その姿を微笑んで見つめる彼。
明日の授業が憂鬱だと文句を言いながらも、2人で一緒に過ごせる時間が愛おしい。
変わらないハンバーグの味が、記憶を色濃いものにし、目頭が熱くなりました。
あぁ、わたしにもこんな時代があったなぁ。
戻りたい、と思うこともあるけれど
当時のわたしにはこうやって声をかけてあげたい。
「8年後も、胸に大切な思い出を抱えながら、変わらず美味しいハンバーグを頬張ってるよ」とね。