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【映画みたいな恋の話】⑥またね

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「おはよう」

目が覚めて、
隣に彼がいて、
この言葉を言い合い、
見つめあってキスをする。
……なんで幸せなんだろう。

そのまま、お互いの存在と気持ちを確かめるように、心地よい朝の光を浴びながらわたしたちは深く、深く愛し合った。
終える前に彼は、何度もなんども私の名前を呼んでいた。

「世界で1番、僕が好きな名前だ。」

少し汗ばんでしっとりとした彼の背中を触るのが、なんだか心地いい。
そのまま抱き合って、余韻を楽しんだ。
このまま、この時間が永遠に続けばいいのにと心から思った。


私は午前中に少し仕事をしなければならず、
彼は帰る準備をしながらその様子を見守ってくれていた。
空港に向けて出発する時間はまだあったので
お昼ご飯を作ってあげることにした。

特製オムライス🥚🐓
彼は初めての経験だったみたいだけど、気に入ったようであっという間に食べ終えてしまった。
お互いのオムライスに、ケチャップで名前を書き合いっこしたのがとても楽しかった。


いよいよ出発。
事前に特急券など購入していたのでスムーズに空港まで向かうことができた。

別れの時間が迫ると、逆に無言になってしまい、
何度も見つめ合っては口づけあった。

連絡を取り続けよう、
たまにはFaceTimeしよう、
手紙を送り合うのもいいね、

そして
「必ず再会しよう」。

私はこの時点で、夏休みと祝日と有給をフル活用して、
半年後に彼の住むロサンゼルスを訪ねると心に誓っていた。

そして彼は、日本に6〜9ヶ月ほど移住する計画を立てていた。

保安検査に並びながら彼が聞いてきた「Promiseって日本語でなんていうの?」
「約束だよ」
「じゃあ See you againは?」
「またね」


またね、やくそくだよ。

そういって最後のキスを交わし、彼は保安検査へと消えていった。
荷物を受け取り、最後のゲートを潜って見えなくなるまで、お互いに手を振り続けた。


ものすごく寂しいはずなのに
なぜか帰りの電車に乗っても涙は出なかった。
その代わり、いつロサンゼルスに行こうかと、すぐ航空券を探し始め、
その日の夜には予約を済ませた。


家に帰ると、彼が寝巻きとして着ていたTシャツが、私のお気に入りのぬいぐるみに着せてあった。

思わず抱きしめる。
すると、まるでそこに彼がいるかのように
全く同じ匂いが鼻をくすぐった。

途端に、
水道の蛇口を一気に全部捻ったのかと思うほど
涙が溢れ出て止まらなかった。

恋しい。
あなたがもういないなんて。
あなたの気配はここに残っているのに。

そして、次に会えるのが半年後であるという事実に絶望する。

本当にやっていけるのか?
自信などあるわけがない。
不安しかない。

でもこの人とならなんだか乗り越えられるような気がしていた。


【映画みたいな恋をした】
始まりの物語、いかがでしたか?

今私は実際に彼と連絡を取り続けていて、
9月に会う予定は変わらず日々を過ごしています。
これから先は、その遠距離恋愛の様子をお届けしていきたいと思います。
ぜひお付き合いください😊

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