採用現場のミスマッチ
こないだ面接した上司が
「会社を辞めるのってみんな人間関係だと思ってるんだよねー」
と言った
私は
会社を辞めるに至る要因はいろいろあるけれど、最後の一押しを決めるのは職場の身近な人間関係
だと思っている
誰か一人でも、話を聞いてくれ理解してくれて、「辞めないで」って言ってくれて、行動でも示してくれる人がいたら、踏みとどまるさ。きっと
上司の言葉をそのまま展開するならば
求職者=人間関係が悪化し、絶望した人
つまり「傷つき敗れた人」
で、一方
会社が求める人材=成果を挙げた優秀な人、職場でうまくやってきた人
つまり「既に成功している人」
になる
しかし、そもそも職場で成功してうまくやれていれば、転職を考えることもないだろう
また、「成果を挙げた優秀な人」がどこにいるのかわからないが
(一部は起業でもしているのだろう)
よく言われる「メンタルの強い人」=鈍感な人、は会社を辞めることはないので、転職市場にはまずいない
で、「成果を挙げた」は、環境によって大きく異なるだろうし、営業とかならともかく、「現状維持がベスト」なのに何をもって成果を挙げろというのかよくわからない
「優秀」の基準は人により異なるだろうが、「強い」人間、成功者は自分を振り返る必要を感じないため、状況から学ぶことがない
傷つき敗れた求職者が求めるのは、人間関係の良好な職場風土
だけれど、それについて聞くことは、自分が人間関係を良好に築けなかったということを示唆してしまうため、確かめることができない
前職で会社や職場の人間に対する不信感を抱えダメージを負ったのに、そうした採用選考の場は、さらにダメージを深める
また、前職の経験により自分に対する無力感を感じているというのに、それを回復する機会が与えられないばかりかむしろ「自分が有能である」ことを示さなければならない
というわけで、茶番な採用選考と、永遠のミスマッチが続く……
今度、「成功体験」のようなことを聞かれたら
私の経験した職場では、意見を言う機会がなく、また、意見を言うこと自体が奨励されていなかったので、他の人を動かして一緒に何かを改善することはできませんでした。
したがって、私一人で自分の仕事を改善した経験になりますが、よろしいでしょうか?
とか言ってみようかな……?