今年はなに買う?Apple Event感想会( 2024年9月10日)
毎年恒例のApple Eventがありましたので、内容を振り返っていきましょう。
今年も夜中に起きてリアルタイム視聴しました。あいかわらず翌日はしんどくて死にそうでした(厳密には当日ですが)。休暇をとって、体を休めつつ新製品の吟味をしたい気分でした。そんなわけにはいきませんでしたが。
さて、みなさんは新製品、何を買いますか?
私は今年の前半にApple Vision Proを買うのに60万円も使い破産寸前です。財布の紐がいつも以上に固くなっています。毎年買っているiPhoneもついに今年はパスかと思っています。ちなみに直近でパスしたのはiPhone XSです。
ということでどの新製品を買うことにしたのか。結果は本文をご覧ください。
Apple Watch
まずはApple Watchから。
無印にあたるApple Watchがアップデートされました。Series 10です。各世代の違いが少なすぎてナンバリングを覚えられなくなっていましたが、今回は覚えられそうです。
デイスプレイサイズが拡大しつつ、前モデルと比較して10%ほど薄くなっています。角の丸みも大きくなっていていい感じ。
実機映像もありました。発表会の画像ではあまり薄くなった感じはしませんでしたが、実機映像ではけっこう薄くなっているように見えます。
細かい仕様は公式サイトを見ていただくとして、個人的に一番びっくりしたのはゴールドのリンクブレスレットモデルが登場したことです。ミラネーゼループのバンドにはゴールドがありましたが、リンクブレスレットのゴールドは初めてです。
初代Apple Watchが発表された当時、著名人にApple Watchを配って宣伝してもらっていた時期があります。その時に、シャネルの伝説的デザイナーのカール・ラガーフェルドにApple Watch Editionとゴールドのリンクブレスレットを組み合わせたモデルがプレゼントされていました。一般販売ではゴールドのリンクブレスレットは存在していなかったので特別モデルです。
これがすごくかっこよくて、いまだに記憶に残っています(え?悪趣味?)。それが10年越しでついに発売したわけです。当時のものはガチの18金、今回はチタンという違いはありますが。ゴールドの色味もApple Watch Editionのイエローゴールドと比較するとかなり落ち着いてますよね。
そのほか、アルミニウムのモデルにはiPhone 7以来のジェットブラックも登場しました。しかしこのジェットブラック、かなり傷つきやすい仕上げでしたが改善されているんでしょうか。見た目は、以前のブラックステンレススチールのモデルとあまり変わらないような気もしますが。
ブラックステンレススチールのモデルを触った経験でいうと、Apple Watchは黒一色との相性が良くない気がします。近づいて見るとかっこいいんですが、離れて見るとディテールがわかりにくくなります。あまりかっこよくない印象です。
さて、Apple Watch Ultraはまさかの去年モデルApple Watch Ultra 2が続投。新しいウォッチフェイスの追加もありませんでした。いままでは、変わり映えしない年もナンバリングはちゃっかり更新していたので、意外な展開です。
ちなみに、いちおうですが新色のブラックが追加され、新バンドも追加されています。見捨てられたわけではないと思いますが、冷遇されていることは間違いありません。来年はSeries 10(あるいは11)の仕様に準拠したUltra 3が出るだろうと期待したいです。
Apple Watch Ultra用の新バンドはミラネーゼループ。Ultra用は全体が金属製のバンドがなかったのでうれしいです。ダイバーズウォッチから着想を得て、水中利用用を想定しているようです。製品名はミラネーゼループなので、特定はしていないようですが。
バンドの幅が通常モデル用のミラネーゼループよりも太くなっているようです。通常モデル用はバンドの幅が細くて相性が悪かったのです。厚みも増しているように見えます。バックルもゴツくなってますね。
あと、HermèsとのコラボモデルにもApple Watch Ultraが加わり、こちらも新しいバンドが追加されています。専用フェイスも搭載ですが、パッと見ではHermèsモデルかどうか分からないですね。
他にはグランHという金属製のバンドが追加されています。Hermès公式サイトからは専用動画も見られます。
グランHは通常のリンクブレスレットに比べて装飾的で、バンド自体も分厚くなっていて存在感がありますね。サイズ調整も本家と同様に専用工具なしでできるようです。ただ、バンドの側面にピンの穴が見えているのが残念。Appleの本家のものは、側面にピンの穴を見せないところがよかったのです。
Hermèsバンドは高価なので買う人は少ないと思いますが、Apple Watch Ultraに合わせるバンドを探しているなら、キリムがおすすめです。Ultra専用ではないのでバンド部分の幅が若干細くも感じますが、汗を気にせず使えるラバー製で、装着が簡単、装飾性も高いのでUltraのゴツい外観と合わせてもさまになります。
というわけで、Apple Watchは無印の外観刷新で好印象ですが、血糖値や血圧の測定といった新たなセンサーを必要とするような新機能の搭載はありませんでしたね。
無印ユーザーで数年ぶりの買い替えならApple Watch Series 10はアリですよね。Ultraユーザーは本体購入は見送ってUltra用のミラネーゼループかHermèsのバンドを買い足しがいいと思います。まだUltra持ってなくていまから買いたいよって人は来年まで待つか、Series 10に鞍替えしてください。
私は無印Apple Watchのゴールドなリンクブレスレットに後ろ髪をひかれつつ、Apple Watch Ultra用のミラネーゼループバンドの単体購入にとどまりました。
それにしてもUltra用のミラネーゼループ、発表会終了直後に予約注文したのに発送が10月中旬予定でした。いや遅すぎるよ…。9月20日に入手できる予定の人はいるのでしょうか。
iPhone
新しくカメラ機能用のボタン(カメラコントロール)が搭載されました。しかも無印iPhone 16にも搭載。昨年のProモデルに搭載されたアクションボタンも載ってます。
カメラコントロールは以前からうわさされていたので驚きはないですが、よく作り込まれています。ワンボタンなのにズームの変更をしたりもできます。
個人的にはカメラ専用のボタンは、シンプルさの観点からよろしくないと思っていました。
ただ、さすがはAppleというか、カメラ専用ボタンを搭載する意味をきちんと用意していました。
それがApple Intelligenceとの統合です。
カメラコントロールを長押しでカメラを起動すると、読み取った対象に関係する情報が表示されるようになっています。
通りかかったレストランの営業情報が見られたり、イベントのポスターからカレンダー登録をしたりできるようです。
写真の内容を読み取る機能は既存の生成AIにもありますが、iPhoneとOSレベルで機能が統合されて、読み取った情報から次のアクションに繋げられる点が重要です。
この機能を活かすために、素早くカメラが起動できる専用ボタンの必要性が高くなっているわけです。
無印の方にもカメラコントロールが搭載されているのも、Apple Intelligenceに関係しているからだと思うんですよね。
Windows PCに搭載されているCopilot キーと大差ないと言われそうですが、カメラを即座に起動できることにも高い需要があるでしょう。しかも単なる起動と撮影だけでなく、ズームのコントロールなどもできる。スマホ≒カメラの時代なら、カメラが快適に操作できる専用ボタンにも意義はあるでしょう。まあ「合わせ技一本」という感じですね。
でも、アクションボタンの方にカメラを割り当てている人、私だけじゃないはず。かなり便利なんですが、なんというか安直で、せっかくのアクションボタンを使いこなせていない感じがしてます。
それならカメラは専用ボタンにして、アクションボタンは別のことに使いましょうという話もありなのでは?
アクションボタンには翻訳機能とか割り当ててかっこよく使ってみたいじゃないですか。まあ翻訳機能を使う機会まったくありませんが。
ただ、ここまで書いておいてなんですが、Apple Intelligenceは来年まで日本語では使えません。年内に英語での利用ができるようになりますが、他の言語対応は来年とのことです。来年のいつなんだよと。9月ならiPhone 17出てますからね。
過去のAppleを振り返ると、手書き文字の認識機能の日本語対応にはたしか1年かかりました。
何の根拠もないですが、半年くらい=2025年3月くらいには対応するんじゃないかと予想しておきます。
一般の方なら、Apple Intelligenceが日本語対応すれば(その出来次第ではありますが)、無印のiPhone 16は買ってもいいかもしれません。信者ならiPhone 16 Pro一択です。
私はカメラコントロールが良さげだったので、iPhone 16 Pro Max購入予定です。
去年は5倍ズームが使えるのがMaxだけだったので、ProからPro Maxに乗り換えましたが、大きな画面にハマりました。
今年もPro Maxで行こうと思います。今年はコンパクトサイズでも5倍ズームが使えるので、単なるProモデルも十分ありですね。
なお、為替の計算が去年の時点でかなり有利に(円高に)設定されていたので,今年は価格変更ありませんでした。
AirPods
AirPods 4はイヤーチップなしでノイズキャンセリングに対応しました。イヤーチップなしのノイズキャンセリングは他メーカーがすでに発売していたのですが、耳を塞ぎにくいのでノイズキャンセリングとの相性が悪そうでした。
その関係もあってAppleはやってなかったのだと思いますが、今回はAppleの高い水準を満たすことができたということでしょうか。
AirPods Pro 2も登場。
これって、AirPods Pro(第2世代)とは別物なんですよね?
Apple公式の比較ページでもAirPods Pro(第2世代)との比較はできないようになっています。
つまり大して違わないってこと?
最大2倍のノイズキャンセリングをうたっていますが、公式サイトの注意書きには「最大2倍のアクティブノイズキャンセリングは、AirPods Pro(第1世代)とアクティブノイズキャンセリング搭載AirPods 4の比較によります」との記載が。
注:一緒らしいです…
Appleのアピールポイントは、補聴器として使用可能になるという点でした。
前からiPhoneと連携して声とかを聞き取りやすくするような機能がありましたが、ついに単体で補聴器になる時代が来ました。
とか書いてたら補聴器というのは不正確という話もでていました。
AirPods Pro 2は注文しかけたのですが、いま使っているAirPods Pro(第2世代)との違いがあまりない気がして、購入をいったん見送りました。レビュー待ちですかね。
次に書くAirPods MaxですらAppleのトップページに掲載されているのに、AirPods Pro 2は掲載されていません。もしかして売る気ない?
というわけではAirPods Maxもアプデされました。USB-C化とカラバリの変更だけです。
終売するほどでもないけど、そんなに重視もされていない製品になっているのでしょうか。
音質周りは変化していないようです。
最初に発売したのは2020年末だったと思いますが、アップデートがないというのは、ある意味で製品寿命が長いということでもあるので、第1世代を発売当初に買った人にとっては長く使えるいい製品だったかもしれません。
日本ではドル円のレートのせいで発売当初より値上がりしているので、発売当初と性能は変わらないので値段だけ高くなっているという悲しい状態です。
新製品としてはAirPods 4のノイズキャンセリングモデルが気になりますが、AirPods Pro(第2世代)を使っている身としては、ダウングレード感があるので買いづらい。
まだAirPodsを持っていないならどれを買っても楽しめると思います。
いま過去のモデルを持っている人は、バッテリーがヘタってきているなら買い換えってことでいいじゃないでしょうか。
今年の発表会を振り返ってどうだった?
今年のApple Eventは充実していた感じがします。去年の感想を見返してみたら、けっこうひねくれた感想ばかり書いてました。今年の方が感想は前向きです(そうですよね?)。
全体的に見て、今年は無印モデルがお買い得な年になったのではないでしょうか。その分、どの製品もPro系のモデルが目新しさに訴求力に乏しい感じはありますが。
結局、今回買うことにしたのはiPhone 16 Pro MaxとApple Watch Ultra用のナチュラルチタニウムミラネーゼループバンドだけでしたね。AirPods Pro 2とApple Watch用のゴールドリンクブレスレットも気になりますが保留です。
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