アネモネの咲く春に
この歌について、自分なりの解釈を書く。何言ってんだ、くらいで見てほしい。
この歌詞が好きな理由
全体は切なく寂しい内容なのに、生や死の美しさ、非日常と日常のコントラストを綺麗に描かれている。
この歌が収録された「ランドマーク」が発売されたのは、2012年9月。この歌にはその前年にあった3.11が影響されていると感じる。歌詞構造は、拝啓から始まり敬具で締まるAメロとサビだけ。それを3回繰り返す。そしてそれぞれのAメロの内容が違う視点で描かれているため、どれにも美しさがあり、まとまってみた時にぐっと深さがみられる。
1つめ:ゴッチの思いや葛藤
ここはメッセージが高く、ゴッチ本人の気持ちが入っているような部分。ゴッチが当時の曲作りに対する虚無感や必要性について語っている気がする。当時、僕もこに近い事を感じて、なんで僕は生きているんだろう?なにやってるんだろう?みたいに思ってた時期で、それがすごい重なる部分がある。
何かをしようとしても上手くいかなくて、ずっと何かしらのモヤモヤが頭の中にあって。でも時間はそんなことお構いなしに過ぎて行く。時間が過ぎて行くと、なぜかふとモヤモヤが軽くなってる時がある。そんな情景をうまく描いている箇所。
2つめ:更新世(氷河期を生き抜いた人類)
ヒト属の進化によって、現生人類が生き残ったとされる世。この時代は氷河期の時代でもあり、二足歩行を行えることになり火を使えるようになったとも。そしてヒトとして繁殖し積み上がったヒトという地位が災害にはなす術なく崩れていく。更新世の時代から人間っていうのは無力であって、でも生き残る者は生き残って。それははるか昔の先祖が生きた事で僕たちがいるんだよって教えてくれる箇所。
3つめ:時は戻って今
1つ目と2つ目の歌詞で、3.11や昔(氷河期)の事を考えて、混沌と思ってきたけど、そうでもなかった。何もできなくて、考える事は皮肉めいた事しか出てこない(僕は多分ここでいう皮肉っていうのは、君がいないのに僕が生きてごめんね、とかっていうネガティブな言葉を含んでいると思う)。いつか僕も君に会いに行くから、それまで待っててね。誰しも人の最後は命が止まる。僕も色んな事を考えてきたけど、こうやって生きている。最後に命が止まるまで、僕は僕の生き方で最期を待つことにする。
「コーヒーは今日も苦いです。」
この言葉で、3.11とかの非日常からのしがらみや悲しみ、苦しみとかの思いがけない気持ちが時とともに少し落ち着いて、普段飲んでいるコーヒーの苦い味、っていう日常に引き込ませてくれる。素敵としか言えない。
サビ:赤いアネモネの花言葉は「君を愛する」
その花が枯れてしまった、つまり愛する君が亡くなった。君はここで終わり。
君はここまで僕と一緒に過ごしていたけど、幸せだった?遅すぎる。
僕は君がいなくなって大切で心から愛する人だって気づいたんだから。
君は空の上で今日も幸せに笑ってる?
本当に遅すぎたなぁ・・・
サビは言うことが本当にない。綺麗すぎる。
まとめ
あらぬ出来事で愛するパートナーを亡くしてしまった、というとても悲しい歌詞。それで終わりにせずに1フレーズだけ日常を描く事で、時の流れの中で少しでも前に向いてほしい、ってメッセージが隠れてる、ように感じる。
この世の中いい事ばかりとは限らない。災害やテロ、戦争や人〇しだってある。愛する人がそれに巻き込まれることだってある。でもその中でも生きていかなきゃいけない。なら、命が尽きるその日まで生き続けるだけ。
死ぬ手段は選べないけど、死ぬまでの道は、自分で作る事が出来る。
自分の後悔しない生き方、死ぬ時に私の人生幸せだったな、って思えるような生き方をすればいい。この話は長くなりそうだから、割愛で…。
でも、そんなことを教えてくれる、考えさせられる歌詞。
ぜひ聞いていただきたい。
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