海外では本当にマスクをしていないのか?~怪しいネット情報を信じてませんか?
よくツィッターなんかで、海外ではみんなマスクしてない、とかマスクしているのは日本だけ、というコメントを見ますが、この際ですからはっきり言いましょう。
ずばり、海外でもまともな国(科学的事実に基づいて感染症対策をしている国)ではマスク着用を推奨している所が増えてきています。
例えば、WHOは屋内で混雑した場所では自分を守るためにマスクをつけましょうというPRをしていたり、
シンガポールで新型コロナウイルス感染症の新たな波が押し寄せ、1週間で2万5900件の感染者が記録されたことを受け、大臣がマスクの着用を勧告」New Covid-19 Wave In Singapore, Minister Advises Wearing Of Masks After 25,900 Cases Recorded In A Week - News18
英国王立協会でもマスクの着用について次のように述べています。
「新型コロナの感染対策につき新報告書を出した パンデミック中の世界中の数千研究を調査しワクチンや薬以外の感染対策の有効性を評価 結果 ・マスクは感染対策に効果的 ・これら対策は"明白に"効果あり「強力かつ効果的かつ長期にわたりウイルス感染の減少」につながった と結論づけた」元論文はBMJからの出典です。(BMJについては下に詳しく説明を乗せておきました)(出典:Covid-19: Lockdowns and masks helped reduce transmission, expert group finds | The BMJ
ネットでは世界中から色々なコロナ情報を網羅したサイトが沢山あります。しかし、そのサイトは玉石混合なのが現実で、プロの科学者たちが利用する論文を掲載するような「正しい学術系」サイトから、デタラメやでっち上げを網羅する「うそ情報が網羅された」サイトも多数あります。似非サイトに騙されている人も多いはずです。
そこの違いを知るためにはどのネットのサイトで掲載されているか、が非常に重要です。ではこの上の論文が掲載されたBMJとはどういう立ち位置なのでしょうか。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』からの引用によると、BMJとは、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(イギリス医師会雑誌:British Medical Journal)の略称で、1988年からBMJが正式名称となっているイギリスの医学誌である。British Medical Association(英語版)が監修し、BMJ Group(英語版)から発行されている。BMJ Groupからは他にも24種類の医学専門雑誌が発行されている。 国際的にも権威が高く日本でも医師であれば必ず読んでおくべき雑誌と言われている。 世界五大医学雑誌などと呼ばれる代表的な医学専門誌の一つである。(世界五大医学雑誌については、また後日詳しく解説します)と書かれています。
つまり、BMJに掲載された論文というのは十分に信用してよい、ということです。どのサイトが信用できて、どのサイトがデマサイトか、という判断は、その道のプロ(医学者、生命科学研究者など)がきちんと内容についてあらかじめ審査されているかとう観点から考えるべきです。
それは「査読システム」といって、例えば誰かが自分の論文をBMJに掲載してほしいと思った場合、その道の専門家たちがその論文をBMJに掲載してよいかどうか吟味精査し、査読に通った(掲載してよいと許可がおりた)ものだけを掲載する仕組みになっているからです。当然出所が怪しいデータ、研究方法や精度について疑問を呈するような内容の論文ははじかれます。
査読システムでは、ヨタ論文、ガセ論文、デマなど科学的根拠に乏しいものは全く相手にされません(実際、鼻にもひっかけられない)。怪しい内容の論文が権威のある学術雑誌が掲載されることは全くできないので、自分で適当なサイトを立ち上げたりSNS(youtubeやツィッター、ニコニコ動画等)で根拠の怪しい持論をあたかもそれが正しいかのように投稿します。それが一般の人の目に触れやすく、基本的な知識がない人はころりとだまされてしまう訳です。
日本は新型コロナが流行し始めた時に、一番早くマスクをつけていた「賢い」人たちでした。「コロナ明け」などと言うデマを政府が率先して流していますが、もちろんコロナは終わっていませんし、3月まで第10波が流行していましたね。現在の流行状況や死亡者数などを知る方法を次回にでも記していきたいと思います。