一番大事なウイルス暴露量
一度考えてみましょう。
例えば、コロナウイルスに暴露してしまった時、仮に10万個のウイルスが感染してしまった時と、10個のウイルスに感染してしまった時。
当然、重症化の度合いは違ってきますよね。もちろん、10万個のウイルスに暴露してしまった時のほうが症状が重くなります。
つまり、どのくらいのウイルス数で感染してしまったかどうか、が大事なのです。できれば重症化はしたくない。その挙句死亡したりひどい後遺症が残るなんてもってのほか。では、どうしたらよいのでしょうか?
一番大切なことは、感染した時にできるだけ暴露するウイルス量を減らす、ということです。
今、あなたがいる空間のウイルス濃度はどうでしょうか?
基本的には、空気中を漂っているウイルス濃度が濃ければ濃いほど(ウイルスの数が多ければ多いほど)、吸い込むウイルス量は大きくなりますから、重症化やひどい後遺症、最悪死亡ということになる訳です。
逆に、空気中を浮遊しているウイルスの数が極端に少ない、または全くないのであれば、感染しないか、感染しても軽症ですみます。
コロナが流行り始めた頃、よく言われていたのが密閉、密接、密集という「三密を回避する」ってことでした。密閉空間で人と人が密接した状態で密度が高い。これって全て暴露するウイルス量を減らすってことにつながります。
例えば、一人ここに感染者がいたとしましょう。この人が例えば10万個のウイルスを含んだ息を吐き出していると仮定します。
この人のすぐ隣30センチにいた場合、1メートル離れた場所にいた場合、3メートル離れた場所にいた場合の三通りを考えます。
当然、感染者から遠くにいけばいくほど暴露するウイルス量は減ります。つまり、密接をさける、ということですね。
もしこれが換気の悪い建物内なら、感染者が吐き出したウイルスは室内を浮遊します(エアロゾル*後日詳しく記載します)ウイルスは換気されずにずっとそのまま室内に留まり続け、感染者が長い時間その場にいればいるほど、吐き出すウイルス量は累積されていくので空間内のウイルス濃度は高くなります。これが密閉です。
じゃあ、この建物内に感染者が10人いたとします。さらに部屋の中のウイルス濃度は高くなりますよね? これが密集です。
大事なことなのでもう一度言いますが、「今、自分がいる空間のウイルス濃度が高ければ高いほど、感染する確率も上がるし、感染した時、重症化やひどい後遺症、最悪、死亡することになります」
従って、今、自分がいる空気の中に、一体、どれだけのウイルスがいるのか(当然、目に見えない)」ということを常に考える必要があります。
余談になりますが(これも後日詳しく解説しますが)、小学校などはどうでしょうか? 沢山の子供が(密集)、冬季は窓をあけない一つの教室で長時間授業を受け(密閉)、席と席の間隔が近い(密接)。見事に三密の条件がそろっていますよね。もし、感染した児童が登校して授業を受け、そこで一日過ごしたのであれば、その教室のウイルス濃度はどうなるのでしょうか?
上記を読んだ賢明な読者の方は答えはすでにお分かりですよね? 次回は、ではどうすればいいのかを考えていきましょう。