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国際バカロレア(IB)

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日本の現役IB高校生にインタビュー

日本の現役IB高校生にインタビュー

国際バカロレア(IB)教育が日本で導入されて、数年が経つ。そこで、今回は日本でIBディプロマプログラムを学んでいる高校生にインタビューしてきた。記事に掲載することを了承してくれたので、生の声をお届けしたい。

日本のIB校に通う現役高校生(16)私の通っている学校では、国内受験コースとIBコースに分かれています。IBを選んだのは、これまで海外に8年間滞在し、英語での授業に慣れているというのが1番の

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IB卒業後、それぞれの道へ

IB卒業後、それぞれの道へ

国際バカロレア(IB)を学んだ後に、どのような未来が待っているのか。

本当に無限の可能性があると思う。私の通っていた高校のクラスメートは、親の海外赴任に伴って、海外に住むことになり、IBを学ぶことにしたという人が多かった。

IB取得後は自国に戻って大学へ進学する人もいたり、そのまま海外の大学に進学する人もいたりと、色々なケースが見られた。進学先はアメリカ、イギリス、スイス、ドイツ、オランダ、ハ

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地理IAは一生忘れられない

地理IAは一生忘れられない

まさか、高校生になって、川で石を集めるとは思ってもみなかった。

国際バカロレア(IB)では、以前の記事でも触れたように、最終試験以外で、インターナル・アセスメント(IA)と呼ばれる内部評価が行われる。その評価の対象となるのが、各科目における研究課題だ。

地理IAでは、フィールドワークを実施し、研究レポートをまとめる。

私の学校では1泊2日の泊まり込みでフィールドワークが行われた。ヨーロッパの

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科目選択、戦略のススメ

科目選択、戦略のススメ

国際バカロレア(IB)で最初に悩むのは、科目選択かもしれない。

これまでの記事でも紹介してきたが、IBでは自分で6つの科目を選び、2年間学習する。自由に科目を選択できるため、何を学ぶか迷う人も多い。

例えば、科目3で地理と歴史のどちらを学ぶかについて悩み、最初のうちは両方の授業に出席して、科目を選択する人も多くいた。

また、科目6では音楽やアートといった芸術科目を学ぶ以外に、経済や化学を選択

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IB学習時に役立ったWebサイトまとめ

IB学習時に役立ったWebサイトまとめ

国際バカロレア(IB)は世界共通のカリキュラムで、学習のための情報もネット上に多く掲載されている。基本的に、学校と自主学習で完結するプログラムになっているため、塾へ通う人はあまりいない。

今回は、IBを勉強した際に、役立ったWebサイトをまとめてみた。それぞれの項目をクリックするとリンクで飛べるようになっている。

1. IB past paper

IBの過去問がずらりと掲載されている。例年、

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加点方式の試験を受けてみて感じたこと

加点方式の試験を受けてみて感じたこと

何事においても、減点するのは簡単だが、加点するのは難しい。

日本の筆記試験は、減点方式で採点されることが多い。ミスがあれば、その点数を引く。減点の理由が明確なため、採点者にとって採点しやすく、解答者から試験結果への不満も出にくい。

国際バカロレア(IB)の筆記試験は、加点方式で採点される。以前の記事でも載せたように、ほとんどの問いが論文形式だ。過去問の解答を見てみると、この単語や内容が入ってい

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一発勝負じゃない評価の面白さ

一発勝負じゃない評価の面白さ

日本をはじめ、中国や韓国といったアジア圏では、大学入試において、筆記試験による一発勝負型の評価が根強く残っている。

国際バカロレア(IB)では、世界同時刻に行われる筆記試験と、インターナルアセスメント(IA)の評価によって、最終スコアが決まる。スコアは各科目最大7点+必修科目最大3点の45点満点だ。その点数によって、出願できる大学が絞られてくる。大学によっては、基準点を超えていれば、その時点で合

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こんな人に向いている!国際バカロレアの学習

こんな人に向いている!国際バカロレアの学習

国際バカロレア(IB)を学んでみたいという人の中には、適性が気になる人もいるだろう。Diploma資格が取れず、落第したり、途中でIBコースを辞めたりする人もいる。せっかくなら、ミスマッチは防ぎたいところだ。

そこで、こんな人はIBに向いているかも…!?という特徴を、独断と偏見でリストアップしてみた。

・英語に抵抗がない人IBは基本的に英語で勉強する。授業や試験、教科書の全てが英語なので、当然

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3つの必修科目から学んだ、人生で大切なこと

3つの必修科目から学んだ、人生で大切なこと

高校時代に学んで良かったと思えるものは、何だろうか。

私にとって、国際バカロレア(IB) Diplomaコースで学んだ3つの必修科目は、意義あるものだった。ここでは、それぞれ紹介していく。

TOK (Theory of Knowledge)知の理論科目名からして、どんな授業なのか全く想像出来なかった。実際には、倫理や哲学などを中心に学ぶ。1つの物事に対して、さまざまな視点から考えるため、とにか

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科目6:音楽 について

科目6:音楽 について

国際バカロレア(IB)Diplomaコースのグループ6では芸術科目を学ぶ。科目は、音楽、アート、演劇などから選択する。これらの科目は、大学入試時、ほかのIBの科目と同じように評価される。日本のセンター試験に芸術科目がないためか、これらの科目が一般大学の入試できちんと評価されるとは、今まで思ってもみなかった。だから、IBで正式な科目として、力を入れて学ぶことができると知ったときは、嬉しかった。私は音

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科目5:数学 について

科目5:数学 について

国際バカロレア(IB) Diplomaコースのグループ5では数学を学ぶ。 IBでは自分が学びたいものに力を入れられるよう、各科目をハイヤーレベル (HL) 、スタンダードレベル (SL) のどちらで学ぶかも決められるのが特徴だ。カリキュラム上、6科目中3科目以上でHLを選択する必要があり、選んだ科目やレベルによって、大学入試時に出願できる学部が変わる。理系志望の人は、ほとんどのケースで数学HLを選

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科目4:生物 について

科目4:生物 について

さて、科目紹介も折り返しだ。今回は国際バカロレア(IB) Diplomaコースのグループ4、理科についてお伝えする。科目は、生物、化学、物理などから選ぶ。私は何となく面白そうだったので、生物を学ぶことにした。

この授業に最も必要なものは電子辞書だ。

ともかく出てくる単語が分からなさすぎて、常に検索しながら授業を受けていた。クラスの友だちからは「へー、小ちゃいパソコンだねぇ!」と言われたが、違う

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科目3:地理 について

科目3:地理 について

国際バカロレア(IB) Diplomaコースのグループ3では、歴史や地理、心理学、経済学などから1科目を選択する。

私の学校では歴史か地理を選べたので、地理にした。海外へ出てきたからには、世界の現状をきちんと学んでみたいと思ったからだ。歴史は、教科書をパラっとめくった時に毛沢東がMaoと表記されているのが目に入り、固有名詞を英語で覚え直すことに怖気付いたので、やめた…。

個人的に、地理はとても

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科目2:英語 B について

科目2:英語 B について

国際バカロレア(IB) Diplomaコースのグループ2では外国語を学ぶ。世界共通の大学入学資格であるIBの「外国語教育」はいったいどんなものだろうか。

私は英語を選択した。フランス語やスペイン語などの言語を学ぶことも可能だ。

授業は、とにかく実践主義だ。

先生が用意した新聞、雑誌の記事を読み、内容についてのディスカッションを行ったり、テーマに沿ってエッセイを書いたりを繰り返す。特に印象に残

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