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IT思い出話(25)

ダイナブックとUNIXワークステーション

当時のIT業界で画期的なことが二つありました。東芝から発売されたA4ファイルサイズのノートPCダイナブックと、SUNやSONY NEWSに代表されるUNIXワークステーションの登場でした。

前者は定価198000円の商品なので、同期生の友人O君は発売とほぼ同時に入手して会社に持ってきていました。私も、1カ月遅れくらいで入手して会社に持っていく日が始まりました。

ダイナブックは発売と同時に大人気となり、常に品薄状態が続いていたのですが、私はたまたま土曜日の朝いちばんに秋葉原で見つけることができました。購入後商品を持って歩いていると、見知らぬ人にどこで買えたか聞かれたのをよく覚えています。それほど、入手難だったのです。

そして、ダイナブックの使い道ですがもちろん単体でPCとして使えたのですが、当時のPCの能力や使えるアプリケーションの数などを考えると単体での使用はあまり魅力的ではありませんでした。

ビジネス向けのアプリが発売されていましたが、現在の水準からみるとまだまだというような代物でした。現在では当たり前のフリーソフトも、まだ産声をあげた頃で、特にPC用のまともなソフトは購入することが常識でした。

そして、重要なことはWindowsはまだ世に出たばかりの頃で、ダイナブックでは動かなかったということです。

それでは、われわれのような技術者にとって何が魅力的だったかというと、ダイナブックをUNIXワークステーションの端末として利用することだったのです。

ダイナブックにフリーソフトのターミナルエミュレータと言われる、端末ソフトをインストールして、ケーブルでワークステーションと接続すれば、ダイナブックでUNIXのシステムが使えたのです。

友人のO君はそれにはまり、毎日うれしそうに何やら作業しており、私もうらやましく思ったものでした。

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