わたしのすきな原っぱ②
私はほぼ毎日のように原っぱに通っていた。
とは言っても、私の住処はふつうに人間が作った家である。
私の主な生活圏は、家、職場、その他、である。
原っぱでは、当然ながら、「そこを住処」としてる者たちがいる。
そして、そこに「職場のように」または「遊び場のように」通ってきている者もいる。
寝床は近場の森だけど、ほぼ毎日、この上空を旋回しているトンビのような。
私は人間であるが、なるべくいつもノイズを起こさないように、
「私も原っぱの住人ですよ」的な感じで、そこに居た。
そもそも、彼らは、人間のことを、どの程度把握しているのだろうか?
断言できるが、例えば、私が、人間ですよ感満載で、「きゃ〜〜!むし、こわ〜〜い! ぐろ〜〜い!いや〜〜!」「えー!あの鳥、かわいーい!写メ、写メ!きゃーあ!」
みたいなテンションだと、一発で浮く。
あくまで人間感を出さず、「私もここに住んでますからね」
的な、落ち着いた感じで、周りの景色に溶け込ませるのがコツ。(コツって
擬態が完璧であれば、彼らにとって私は原っぱの一部でしかないが、(と信じている)人間感満載でいくと、彼らの目からはどうだろうか?
「捕食者」「敵」「恐ろしいもの」とか「なんかデッカイもの」
とか、こんな感じで映るのだろうか?
あー、なんか、悲しいな、それ。
私も君らの一部でいたいよ。