古着ノート。 Vol.1
こんにちは。APPS GENERAL STOREの伊藤です。
古着屋さんとして、見たり聞いたり、触ったり五感を使って、これまでに得た知識をお客様や後世に残していく為、記憶力のない自分の為にも、
書き綴っていければなと思っております。
(文才がない自分なので、いつまで続くかは謎ですが、、、)
さて、今回取り上げるのが、、、
NewBalance 950V2と言われているモデル。
ニューバランスの数あるモデルの中でも、
今最も人気のあるモデルではないでしょうか。
ご来店くださっているお客様で、ご存知のない方もまだまだいらっしゃいますので、ここにまとめておきたいと思います。
すでに知っている方やお持ちの方には、古い情報になるかもしれませんが、
ここで復習していただければと存じます。
私もネット上で得た知識がほとんどになりますので、間違っている事がありましたら、ご教授いただけると幸いです。
お手柔らかにお願いいたします🙇!
その魅力とは?
端的におすすめポイントを申し上げますと、、、
アメリカ軍の官給品ということもあり、機能面が優れている事。
日本未発売の上に、一般流通していないので、入手困難で希少性が高い。
他のニューバランスにはないデザイン性の高さ。
オールブラックなので、モード〜カジュアルまで幅広く使える。
履いているだけで、服好きの人の目に止める。
この辺りが、このモデルが人気の理由ではないでしょうか。
さて、このモデルの誕生に関して少しでも紐解いていきたいと思います。
関連商品 "デッドストックWI950BS2"
まずは、本記事に関連した、当店に現時点で在庫のある商品を載せておきます!現状ウィメンズサイズですが、1足ございます。
こちらのモデルそもそもなぜ誕生したのか。
2014年に、アメリカ軍のトレーニング用シューズとして製品化に取り組まれ、2018年に製品化され、官給されました。
2014年4月に米国から軍に支給されるトレーニングシューズの購入費に関する規定「Berry Amendment」が変更されました。
"Berry Amendment"って何だ?
軍隊の安全性やセキュリティを高める為、この規定に書かれている対象品目に関して、国内生産を義務付けた規定となります。
また、これにより新兵は購入品の手当($80)を受ける際には、USA製を購入しなければならなくなりました。
要は、国防製品の素材調達において、国産品の使用を義務付けた法律が『Berry Amendment』。
ちなみに、Berryの語源は、Buy American Actという法律に対して、1951年に、Ellis Y. Berry氏が初めて修正案(=Amendment)を出したことから来ています。
救世主の登場。
さて、話を戻します。
改訂により、国産メーカーがあなかなか見つからずにいた中、候補に上がったのが『NewBalance社』
2013年時点で、製品の4足に1足は国内生産もしくは国内で組み立てられていたため、国との締結に漕ぎ着けることができました。
そして、2014年9月頃にプロトタイプMI(WI)950を発表。
※M=メンズ、W=ウィメンズ
2018年10月中旬より、M(W)950V2のファーストデリバリーが出荷されました。
※初年度は92,000足の製造が予定されていたようです。
”モデル紹介”
MI950BN2
MI950BS2
M950B2N
M950B2S
プロトタイプと製品版含めた上記の4モデルが、
最も見かける品番。
※上記以外の品番も存在しますが、滅多に見ることはありません。
一番下のリファレンス一覧の"謎のモデル950V2"という記事より確認できます。
NはNeutralという幅広い方に適した標準ソール、
SはStabilityというよりフィット感を高めたソール。
次の章で、実際にソールの写真で見た目の違いを紹介します。
モデル比較
プロトタイプと製品版の比較
ここでは、実物のあるWI950B2SとM950BN2の2モデルで比較しております。
外観を比較していきましょう。
パッと見た感じ、こだわりのない方にとっては、大きな違いを感じないかもしれませんが、主に、4箇所違いがあります。
ヒール部の品番刻印やひし形の8つのリフレクター、Fantom Fitの刻印、Toe Processの刻印の有無。
ソールは、品番によって違うと前述しました。プロトタイプはS品番なのでStability、製品版はN品番なのでNeutral。
インソールのデザインや素材感も違います。
プロトタイプは黒でしっかりとした質感で反発力を感じるクッションに対して、製品版はデジカモのような迷彩柄で質感が柔らかいソール。
アウトソールはどちらもVibram社製なのも魅力の一つ。
色が異なりますが、こちらも個体によって差があり、おそらくS品番は黒、N品番はグレーっぽい黒です。
サイズ選びに関して
基本的には、どちらのモデルを選んでも履き心地最高ですが、共通して言えるのは、通常のニューバランスよりもタイトな作りになっていること。
N品番とS品番どちらも同じサイズで選べる状態であれば、Nの方が圧迫感がないのでオススメです!
また、ワイズは主にD、2Eとありますが、どちらもよほどの甲高でない限りは、マイサイズで選んで問題ないかと思います。
稀に4Eというワイズが存在しますが、これは試着が必須かな〜?と個人的には思います。
ウィメンズは、1番細めのワイズBも存在するので、Bもできれば試着をおすすめします。
その他のコントラクターについて
また、他にもSAS社、Propper社もコントラクターとしてミリタリーへトレーニングシューズを規定に則って、納品しており、ニューバランス社含め3社が同時期に生産をしております。
当店では、Propper社製のEagle MountainがデッドストックとUSEDの2足ございます。
こちらの方がNewBalanceと比べると、マイナーな分、製造数も少なく、実はなかなか出てこない代物だったりします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
プロトタイプも製品版もそれぞれに魅力がありますし、
ソールの仕様も何種類もあるので、集めだすと止まらない一品です。
個人的には、プロトタイプの方が見た目もシンプルで、希少性が高いのに、製品版よりもお値段が1万円前後お安くなりますので、おすすめかもしれません。
でも、製品版もかっこいいので、好みとお財布事情によってお選びいただければと思います。
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