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スピッツ犬ピーコの思い出

小学生三年生の頃、クラスメイトから仔犬の男の子をもらった 白い仔犬でスピッツだった
もうピーコと名前が付いていた ピーコはとても元気で愛らしい子だった 成長とともに白い体に茶色のブチが二、三個、出てきた それでもとても凛々しくハンサムだった  

成犬になると、近所の雌犬に大変、好かれてたくさんの子を為した 
あれっ?ピーコに似た犬!と思うとピーコではなく、ピーコの子どもだった その頃は皆、犬を放し飼いにしていた ピーコは伸び伸びと暮らしていた
わが家が二階建ての家の頃は、鎖で繋がれた家の、陽の当たる後ろの犬小屋にピーコはのんびりしていて、道行く人達から、頭を撫でられて可愛がられていた  
わが家の商売が上手くいって四階建てのビルになると、ピーコは日当たりの良くない一角に繋がれるようになった
私達も少女から娘達に成長して、ピーコにあまり関心を持たなくなった 
ピーコはうら悲しく、日なが一日を暮すようになった 末の妹の恋人が可哀想がって、ピーコを洗ってくれたことがある ああ、ピーコ、許してね、もっとたくさん、シャンプーしたり、散歩させるべきだった
 程なくピーコは、老衰で亡くなった
今思えば、ピーコは天寿を全うしたのであるが、後半生は相手する人もなく、可哀想だった もっと沢山お世話をしてあげたかったなあ
ピーコの思い出、それは甘哀しく、後悔に満ちている

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