夕暮れどきは逢魔が時
昔、大島弓子の漫画に同じタイトルの傑作があった
大島弓子は稀有な漫画家だった 私も彼女に倣って
夕暮れどきは逢魔が時 を綴ってみよう
ひとは夕暮れになると、センチメンタルになる ナルシスティックにもなる 夕暮れには異質な異界を思わせるものがある
夕暮れは一日の終わりに向かって押し出される、圧縮した空気と光の時である
神神しく光り輝き、うら寂れてたゆたう 地面には塵が積もり、風がさすらう
夕暮れには埋没しそうな事象が、この世の終わりに向かって慌てふためいて、息を切らして、先を急いでいる
逢魔が時、魔に逢わずに済むならば、切ない一日の終わりに魔に襲われずに済むならば
何と良い一日であろうか
かまいたちや、低く鳴く鴉の群れに出逢わなければ、何よりなのだ
逢魔が時、夕暮れの麗しさをあなたもわたしも分かっている