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中国 孫呉で朝食天国 〜油条専門店にハマる〜

中国の東北地方にある孫呉では、よく朝ごはんに近所のお店で買ってきたものを食べたり、自分のうちで作ったものを食べる。そんな中で、人はそれぞれ「絶対ここでしか買わない!」というお気に入りの店を持っているみたいだ。露店で売られる豆乳や豆腐脳など。だけど、揚げたての油条はできればその場で齧り付きたいもの。私も連れて行ってもらって以降、どハマりした店がある。それが、揚げたての油条が美味しい「裕顺祥 老油条」という店だ。 この店は朝5時開店11時閉店で、いつも私がついた頃にはすでに営業時間の半ばを過ぎたあたり、といったところ。近所の市場が朝4時には開いているせいか、朝早い客が多いのだ。
店内には揚げたての油条はもちろんのこと、包子や粥が常時数種類用意され、豆腐脳や豆乳、そして炸糕も2種類あって充実している。お皿にとってから精算するスタイル。漬物も何種類かあって、容器に収まる限り取り放題というルールである。

さて、こんなにメニューが豊富だと、おすすめの組み合わせを知りたくなる。一応定番の組み合わせはあるらしく、
Aパターン:油条と豆乳
Bパターン:豆腐脳と炸糕
Cパターン:包子と粥

という感じ。なるほど、どれも「タンパク質+炭水化物」の組み合わせになっている。全部食べ比べてみた。個人的感想は以下。

Aパターン:油条(素朴な揚げパン)と豆乳

パリパリの油条を砂糖入りの温かい豆乳に浸すのが好き。素朴だけどアマジョッパイ美味しさ。もちろん砂糖なしの豆乳も用意されている。みんな豆乳にはうるさいが、ここの店の豆乳はかなりの高評価。というのも、豆乳には必ず作る過程で水が加えられるが、ここのお店は水が少なく豆乳が濃い状態で提供されるからなのだ。専門店の油条の味を楽しみたいならこの組み合わせが良さそうだ。食べ方にも個性があって、私は食べる分だけ浸すのが好きなのだが、赤ちゃんや子供は丸々浸して柔らかくなったものを食べる人が多いらしい。自分も試してみたけど、やっぱり私はサクサク派だ。インスタントうどんの天ぷらはいつも先入れと決めているのにも関わらず、だ。一方でお父さんはもう60歳近いが、一本丸々豆乳に突っ込んでふにゃふにゃの油条を美味しそうに食べていた。

Bパターン:豆腐脳(温かいあんかけ豆腐)と炸糕(揚げまんじゅう)

甘党の私は炸糕が大のお気に入りになった。こちらのあんこは白い餡が入った「大豆炸糕」と赤い餡の「紅豆炸糕」があり、どちらも日本よりもっとまめまめしい香りを楽しめる。このあんこは、こしあんや粒あんというよりも、茹でて刻んだように豆の歯応えが残っているのだ。大豆炸糕の方が甘さが控えめであっさりしている。
豆腐脳は瀋陽でも食べたがその時は全然時間がなかったのでトッピングもせず味もほとんど覚えていなかった(残念)。ここではトッピングがかなり多いので、薬味好きの私は大変美味しくいただいた。和食好きな人の口には合いそうな気がする。にんにくや干しエビ、細ネギ、生姜、ラー油をかけて食べる。ちなみに「豆腐脳」の名前の由来を聞いてみたところ、彼らもよく分からないらしく、だんだんエグい話になってきたので途中で強制終了となった笑。

Cパターン:包子と粥

中国の包子のおいしさは、その具の多彩さにあると思う。肉と同じくらい野菜が主役になっていて、その肉×野菜の取り合わせや味付けが、そこでしか食べられないものになっている気がする。このお店で食べた芹と豚肉の包子が私はとても好きだ。包子と粥の組み合わせ・・ってもはや個人的には粥は必要ないようなボリュームだけど、こちらの粥もとても美味しかった。黒米粥がわたしは特に好きなのだけど、日によってはとうもろこしの粥なんかも置いてあって、それはそれで美味しい。何より、選べる幸せってことだ。
話が大きく逸れるが、よく和食を説明するときに「素材の味をそのまま活かすのが和食の特徴です」みたいな表現をよく聞く。だから、「そうか、和食は他の料理に比べて特に素材の味を活かすことにこだわっているんだな」と思いがちなのだけど、それは自分の勘違いだった。中国の家庭料理はとても素朴で、和食よりも素材の味を大切にしていると感じることが度々ある。例えばとうもろこしの粥もその中の一つ。日本ではとうもろこしといえばやたら甘みばかりが取り上げられるが、とうもろこしにはそもそも特有の味と香りがあり甘味はその中の一要素でしかない。だから、この場合ありのままの風味を楽しんでいるのは日本というよりむしろ中国である気がするのだ。(食べ物にも色々あるので、ケースバイケース。またどちらが良い悪いという話でもないです、念の為)

トッピング満載の豆腐脳
紅豆炸糕はもちもち
芹と豚肉の包子
黒米粥と漬物。奥左に見える長細いのが油条。
茶蛋。右奥の皿にこぼれているのが紅豆あん(日本のあんとはずいぶん質感が異なる。いろいろと散らかっているが無視して欲しい)

<あぽりんメモ>
▪️最後の写真に載っている茶蛋は、お茶と醤油で煮込んだ卵。卵に目がない私は行けば必ず食べてしまう。美味い。
▪️漬物は塩辛い。だけどクセになる!歯応えのある海藻を使った漬物とか。


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