鼻穿(うが)ちのフィズ
名前: フィズリック・シャープノーズ
二つ名: 鼻穿(うが)ちのフィズ
物語
フィズリック・シャープノーズ、’鼻穿ちのフィズ’の奇怪な物語
かつてハルクウーベンの森深くに、フィズリック・シャープノーズという名のゴブリンがいた。彼は自らの軽装と驚異的な弓の腕前で、伝説となった存在だ。見た目はガリガリで弱々しく、敵にはいつもナメられがちだったが、実際は彼の矢が空を裂く前に敵は息絶える運命にあった。
フィズリックは戦の前に奇妙な儀式を行うことで有名だった。
彼は必ず二本の指で鼻くそを穿(ほじ)り、戦場に薬草を詰めた鼻で現れるのだ。この風変わりな癖は、彼の狙撃の正確さを少しも損なうものではなかった。自分自身とその弓の腕に絶対の自信を持つ彼は、戦場で決して真剣な表情を見せることはなく、いつもニヤニヤと笑っていた。
フィズリックは部下にも、将にも無関心で、ただ争いと敵を射抜く快感を求めて戦った。彼の矢は風を切り、敵が弓を構えるよりも早く命中する。これにより彼は「敵には当たらない」という確信を持って、どんな過酷な戦場でも軽装で闊歩したのである。
年月が流れ、数え切れないほどの戦いを潜り抜けたフィズリックは、結局戦場での傷一つ負うことなく、老衰で静かにこの世を去った。
彼の物語はゴブリンたちの間で語り継がれ、彼のように鼻くそを穿り、軽装で戦場を駆ける者たちが後を継いだ。しかし彼のように戦場で無傷のまま過ごせた者は二度と現れなかった。
そしてフィズリック・シャープノーズ、’鼻穿ちのフィズ’の名は、時とともに伝説へと変わり、ノーズ、軽装の狙撃手の名は、時とともに伝説へと変わり、今でもハルクウーベンの森の奥深く、彼の魂が風に乗って囁くのを聞くことができるという。
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