低血糖と片麻痺の関係を調べてみた🚑🚒✨
どうも👩🚒✨
救急救命士のAPO隊長です！
片麻痺があって、
「脳梗塞かなーって思ってたら、低血糖だった。」っていう経験は、誰しもあると思います。最近では、救急隊の中でも結構メジャーな認識になってきましたね。
活動の検証をしていると、「脳梗塞の症状だけど、一応血糖値測っとくか！」的な救急隊は増えてきました。
でも、「片麻痺と低血糖の関連性は？」と聞かれたら、正直回答に困ってしまいまして^^;。ちょっと調べてました。
論文が色々出てきますね。
でも、最終的には、「原因はよくわかっていない」ということのようです。
大きく３つの可能性があるようですが、現時点で最も有力とされているのから紹介します。
１、脳の部位によって障害を受けやすい部位と障害を受けにくい部位があるという説
これについては、どうも脳の左半球のほうが右半球よりも、糖の代謝が大きいことに起因しているようです。
左半球というのは、人間の大部分が優位半球ですよね。だから糖も左の脳のほうがたくさん使うということになり、体が低血糖状態になってしまうと、左半球が右半球よりも先に低血糖になってしまって、結果的に右側の麻痺が先に現れる。ということのようです。
今のところ、こう言った症例報告が多くあるので、この説が、もっとも有力とのことですよ。
ただ、同じ患者さんで、先に左片麻痺が出て、血糖補正したら改善したたけど、入院中に今度は右片麻痺になって、やっぱり血糖補正で改善したという症例も報告されています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo1958/43/6/43_6_443/_pdf/-char/ja
とすると説明が難しいですね。
この説が正しいのなら、低血糖で片麻痺が起こるなら、同じ側で生じるのが普通だからです。
２、脳血管の器質的変化に伴って片麻痺が発生するという説。
次に、脳血管の器質的変化に伴って片麻痺が出現するという説です。
これは、低血糖で片麻痺を認めた36歳の糖尿病患者を調べてみてら、右内径動脈に狭窄があって、それを外科的に切除したら片麻痺が生じなくなったという報告に基づいているようです。
しかし、これは他の低血糖性片麻痺の患者さんに、同じような狭窄は認められていないということ。また、狭窄がおこりそうもない小児にも症例が存在することが、この説を不利にしています。
３、脳血管の攣縮が起こって片麻痺が発生するという説。
最後に、脳血管の攣縮が起こって片麻痺が発生するという説です。これは証明した例がないということで、最も論説が弱いとされています。
でもですね。
血管の攣縮は自律神経に影響されることは有名ですよね。狭心症は冠血管が攣縮することでも生じますが、時間帯としては早朝なんです。なぜ早朝かというと、睡眠時に優位になっている副交感神経が、交感神経優位に切り替わる時間が朝だからです。この切り替えのタイミングで攣縮が起こって、狭心症が起こってしまいます。
それでは低血糖性片麻痺ではどうでしょうか。実は、こちらも発生しているのは早朝という報告が多いんです。
pallinoらは,1～5歳までの5人のIDDM症例における9回の低血糖性片麻痺は,全例早朝であったと伝えている.Wayneらは,19回の低血糖性片麻痺中17例が24時～8時の間に,2例が昼寝中に発症したとしている.その他にも低血糖性片麻痺が早朝に発症したという報告がなされている。
なるほど。。ということは、脳血管の攣縮という説も、論証が薄いとは言われながらも、可能性は十分にありそうですね。
まとめ
いかがでしょうか。低血糖と片麻痺の関連について、現在までのところが整理できたでしょうか。
それでは、まとめます👩🚒✋
低血糖と片麻痺の関連は今でも不明なままですが、説として以下の３つが考えられています。
１、脳の中に、低血糖に弱い部分があるから。
２、脳への血管が閉塞するなどしているから。
３、脳の血管が攣縮するから。
救急隊としては、
「片麻痺＝脳梗塞や脳出血」と決めつけずに、低血糖も視野に入れて活動しなければなりませんね。
糖尿病を持っていたり、早朝に発症したということであれば、より一層に注意が必要ということになりそうです。
明日の消防署での検討会は、このテーマにしようと思います✨
皆さんも、参考になったと思ったら活用してね！
ではまた👩🚒✋
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