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燃えている家に入るのって怖くないの?🚒🚑
「燃えている家に入るのって怖くないの?」
これはよく聞かれる質問です。今回はこの質問に答えたいと思います。
僕たち消防士が燃えている家に入る時は、「防火衣という火に強い服」。そして、空気呼吸器という「煙を吸わずに呼吸ができる道具」を付けます。
ほんとうの火災に出動するまでは、この道具のお陰でとても安全だと思いました。ところが、実際に燃えている家の中に入ったり、消防士が殉職(火災現場で死ぬこと)した報道を知る事で、漠然とした怖さを常に感じるようになりました。空気呼吸器のお面に隙間があるだけで、僕らは死んでしまうのです。
でも僕たちはこれが仕事です。
怖さと戦わなければなりません。
まずは、「怖さの正体を徹底的に知ること」が大事です。火の正体や煙の正体、熱さの正体。自分自身や仲間の心理はどうなっているかを徹底的に研究するようにしています。火災怖さは、火災の正体を知ることで少しは小さくなります。
そして2番目に「怖さの先に何があるか」を考えることです。怖さの先に得られるものがないなら、例えば、家の中に逃げ遅れはいないのが分かっているのに、無意味に燃えている家に入って怖さを感じる必要はありません。怖さの先に希望がある時は、蓄積した研究やトレーニングを総括して、「これなら安全」と思えた時に、燃えている家に入ります。
燃えている家だけじゃなく、怖いものの正体が分からないともっと怖くなると思います。
例えば、お化け屋敷は何が隠れているか分からないからとても怖いです。でも、お化けの正体が近所のおっちゃんだったり、揺れて見えるのがただのカーテンだと分かってしまえば、逆にこっちから驚かせてやろうみたいに、落ち着いて対処法を考えることができると思います。僕たち消防士がやっている事はそれと似ています。
僕たち消防士だって火は怖いです。煙も怖いです。
怖いからこそ、怖さとしっかり向き合って少しでも怖さが小さくなるように日々勉強したり、トレーニングしているんですよ。
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