”共存関係”最強マーケター森岡毅さんの講演に痺れた
どうやったら消防士になって良かったと思えるか
どうやら、「権威主義的な仕事のやり方をやめる」たったこれだけで職場は働きやすくなるようだ。
どうやったら仕事が楽しくなるのか。充実感が得られるか。消防士になってやっぱりよかったって思ってくれるか・・・。
最近こんなことばかり考えている。
だいたい40歳くらいになれば、物の見方が180度変わってしまうというけれど、僕もそのようになってきたということなのか。
これまでの僕は、個人の力量を上げることに全ての時間やお金を使ってきたと思う。受け身だけでなく人に教えることも多かったけど、なんのために教えているの?と聞かれたら、「みんなが喜んで欲しいから」ではなくて、単に「教えることを通じて自分が成長できるから」に行き着いていただろう。
ふと、マグガレー著「企業の人間的側面」を手に取った。マグガレーは経営学者だが、マズローの欲求段階説をもとに、X理論とY理論を説明している。
X理論とY理論
そしてマグガレーは、「良い会社」に変えるには、考え方をX理論からY理論に変えることが必要だと説明している。
ここは悩ましいところもある。確かにY理論が理想的なのはわかるけど、現実には怠ける人もちゃんと存在するのだ。だから監視が必要でないか・・。どうすればY理論のような環境を作れるのか・・と。
あなたの子供がお菓子を食べるところを想像してほしい
例えば想像して欲しい。
”あなたの子供がおいしそうにお菓子を食べている。”
この場面で親のあなたは、「俺のお菓子を食べやがって!」とはあまり思わないのではないか。きっとニコニコしながらお菓子を食べる子供の様子を伺っているに違いない。
一方で子供はどうか。「このお菓子まずいんだよ・・親のメンツもあるからニコニコした風を見せてやるか。」とはならない。お菓子をくれた親に感謝し、ハッピーな気持ちを感じていることだろう。
これを、「利己的な行為であると同時に、利他的な行為である」と言う。
つまり、どっちも嬉しい。あげた方も嬉しいし、もらった方も嬉しい。WIN-WINな関係だ。
つまりこれをこの状態を作れば良いというのがマズローの考え方になる。
この親も子もどっちも嬉しい。自分も嬉しいし相手も嬉しい。なんなら嬉しさ2倍、3倍ということだ。
親と子。両者の境界線が消え去り、同化して溶け合っている。
このように、組織も「対立する考え方」から「シナジー(相互作用)を生む考え方」に進化することができれば、個人と組織間の対立は消え、チームの利益が組織の利益になる。
あなたがいるから、僕が活きる。
例えば、僕が月刊消防の原稿を執筆するとき、編集者と二人で原稿を何度も往復させる。企画の段階から必死で頭をひねり、ウンと考えて文章を作り上げていく。これは、より多くの人に雑誌が読まれることが、二人にとって大事なことだからだ。
僕が編集者に、「執筆は僕の仕事だから干渉しないで!」「売れるように編集するのがあなたの仕事でしょ?」と言ったら、シナジーは何も生まれない。まずはコミュニケーションを円滑にし、個人同士の信頼関係を強めること。そして編集者のことを尊敬することだ。編集者がいないと僕の原稿が雑誌に載ることはない。編集者だって、執筆する僕がいないと仕事が進まない。
「僕がいるからあなたが活きる。あなたがいるから僕が活きるのだ。」
最強マーケター森岡毅さんの講演に痺れた
そんなことをモヤモヤと考えていた時期。日本臨床救急医学会に、瀕死の企業を立ち直らせるプロ。日本一のマーケターとされる”森岡毅さん(株式会社刀)”の特別公演を聞いた。
その中の一節が印象的だったので紹介したい。
どうやったら仕事が楽しくなるか。充実感が得られるか。消防士になってやっぱりよかったって思ってくれるか、救急救命士になってよかったって思ってくれるか・・・。
僕は今、最近こんなことばかり考えている。
みなさんはどうだろう。
X理論とY理論、相互作用。・・・・そして共存関係。
僕はまだまだ、足を止めるわけにはいかない。