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これいいね!「緑屋紙工(封筒屋どっとこむ)」さんの酒びんパッケージ

 お酒のブランディングといえば、コンセプト、ネーミングの開発、パッケージデザイン…といろいろありますが、私はパッケージデザインを主に担当しています。コンセプトやネーミングを踏まえて最初に選定するのは「ガラスびん」です。一般的にガラスびんといえば透明なびんを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?しかしよく観察すると、緑色・黒色・茶色・青色…とさまざまな色があります。


お酒を紫外線から守るためびんに色がついている



これにはいくつか理由があるのですが、一番の理由は紫外線の防止です。ガラスびんに色をつけることで、ドリンクやお酒などの内容物を紫外線から守っているのです。
特に日本酒は、日光などの紫外線が当たると変色し、香りや風味が落ちてしまいます。日本酒に紫外線は大敵なのです。透明びんよりも緑色のびん、緑色のびんよりも茶色のびん…といった具合に紫外線を吸収しにくくなります。

 しかし紫外線が吸収されにくいからといって、何でもかんでも茶色のびんに入れる!というのでは、商品のイメージやブランディングを行うことができないので困ってしまうわけです。

「どうしても色がついていない透明のびんに」、という場合にはお酒をガラスびんに詰めたあと「化粧箱」と呼ばれる箱に入れ、見栄えをよくしつつお酒を紫外線から保護するという方法もありますが、それだけのコストをかけられないという実情もあります。また化粧箱は場所も取るので、保管場所を考える必要もありますし、輸送コストもバカになりません。
ガラスびん+キャップ+ラベルに加え、化粧箱も用意するとなると、相当高価なお酒でないとコストに見合わなくなってしまいます。

 あれこれ煮詰まりながら、レーザーカットの機械を見るために展示会へ。今回の商品ラベルはレーザーカットで考えようと思ったからです。レーザーカットはひと昔のものに比べ、繊細な模様や文字を表現できるようになっていました。これをあのデザインでガラスびんに貼れば、面白いものができそう、と思いほくほくと歩いていると…


緑屋紙工株式会社(封筒屋どっとこむ)様のブース

 ふとあるブースで足が止まりました。そこでは、お酒のびんのパッケージが展示されていました。ブース名は「緑屋紙工」様。主に封筒を製作されている会社様のようです。さっそくブースに立ち寄り、日本酒パッケージを見せていただきました。
うんうん、これなら化粧箱と違い場所もとらないし、軽いし、印刷も自由にできそうだし、コスト面でもクリアでき、新たな可能性が広がって道が見えてきたかも。
「封筒屋さん」なのでパッケージとは無縁かな、という思い込みで通りすぎなくて本当に良かった!
紫外線をカットする特殊なビニールもあるにはあるのですが、今回はどうしてもコンセプト上、ガラスびん以外の包装資材は「紙」にしたかったので見つけることができて本当に嬉しかったです。緑屋紙工さん、ありがとうございます!
フードロスを無くすために、食べられなくなったお米を混ぜて作られた「フードロスペーパー」なるものもあるそうで、これをラベルやパッケージに使うといいかも、と、どんどんアイデアが膨らみます。


封筒屋さんで制作できる紙のパッケージ

 しかも緑屋紙工様は、別注製作に特化されていて、オーダーメイド商品が多いそうです。それなら細かいご相談もしやすいし、何よりブランドを一緒に作り上げていける仲間が増えたようでワクワクが止まりません。
(オーダーメイド品だけではなく、既製品やセミオーダー品も取り揃えている「封筒屋どっとこむ」https://fuutouya.com/というサイトも運営されているようです)

 また酒びんパッケージ以外にも、とっても楽しい商品がありました!「名刺DE封筒」という商品で、名刺と全く同じサイズの封筒です。この封筒に名刺を入れるわけではなく、封筒そのものが名刺という画期的な商品です。小さくてもホンモノの封筒なので、中には実際にクーポンや事業紹介を入れることもできます。名刺交換させていただき、思わず笑顔になりました。これは本当にいいですね。初めてお会いした方ともすぐに打ち解けられそうな、そんな親近感が湧く商品です。


千歳飴や種袋など変わったパッケージがありました

 あとは種を入れる小さな封筒、「種袋」もありました。砂のように小さな種でも隙間から落ちることがないよう封筒の両端を三角形を作るように深く折り込む展開図を考えられて、封筒を作られているそうです。

 また封筒の宛名が見えるよう穴を開けて、フィルムが貼ってある部分を「窓」と呼ぶそうですが、その窓の抜き型も800種類保有されているようで、これもまたさまざまなパッケージデザインに応用できそうです。

今回の展示会で緑屋紙工さんと出会い、パッケージデザインの可能性は無限大であることを改めて実感しました。今後も展示会に足を運び、さまざまな素材や技術に出会い、より魅力的なパッケージを生み出していきたいと考えています。


ご紹介させていただいた企業様情報

緑屋紙工株式会社 封筒屋どっとこむ
https://fuutouya.com/
〒547-0021 大阪府大阪市平野区喜連東5丁目16−15
フリーダイヤル:0120-17-2108
【受付】月~金(祝日を除く)9:00~17:00

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