体重のある方,膝痛にならないように,ふだんからできること試みてみませんか?
人間は,足から弱っていくと言われています。
私たちは2本の足で全体重を支えているのですから,膝にかかる負担も相当なものなのです。
ちなみに,人が歩く時には、体重の2~3倍、階段の昇降には5倍以上の負荷が膝にかかると言われています。
このため膝はとても傷つきやすく,負担をかけすぎると痛みが生じてしまうのです。
膝に痛みを起こす病気はさまざまありますが,中年以降の女性に圧倒的に多いのが変形性膝関節症です。
原因は加齢による膝関節の老化ですが,それに追い打ちをかけるのが肥満です。
予防するためにはウェイトコントロールが大切ですが,膝の筋肉を鍛えることも大切なことです。
膝の痛みは年代によって異なります。
10代
成長期の痛み,いわゆるスポーツによる成長痛
20~30代
スポーツによる外傷で,半月板損傷,靭帯損傷が多くみられます。
また,雨が降ったり天気が悪いと痛む,気温の変化で痛むという症状もあります。
これは,成長痛の延長とは違いますが器質的な問題はなく,時間がたつと自然と治まるようです。
40代以降の中高年に圧倒的に多いのが変形性膝関節症です。
🟠変形性膝関節症の症状
主な症状は,膝の痛みと水がたまることです。
症状が進むと,膝の動きは制限され,膝が完全に伸びなくなります。
また,変形が生じてきます。
⭐︎変形性膝関節症の初期の症状
立ち上がり,歩きはじめに膝が痛みます。
休めば痛みがとれます。
⭐︎変形性膝関節症の中期の症状
歩くと膝が痛み,正座,階段の昇降が困難となります。
だんだん,一つひとつの動作が不自由となってしまいます。
⭐︎変形性膝関節症の末期の症状
変形が目立ち,膝がピンと伸びず,歩行も困難となってきます。
日常生活が不自由となり,膝がこわばる感じが強くなってきます。
立ち上がったり,歩き始めるときに膝に痛みが生じてきます。
症状が進むと膝を動かしている間はずっと痛みが続くようになり,階段の上がり下がりがつらい,正座ができない,歩けないというように悪化していきます。
⭐︎変形性膝関節症にかかりやすい人
体型的にはO脚の人がかかりやすいという面があります。
O脚の人は,もともと体重のかかる線が膝の関節の内側を通るため,軟骨が膝の内側からすり減りやすいためです。
ですから,O脚の人が変形性膝関節症になると,内側の軟骨がますます減り,さらに脚が曲がり、O脚がひどくなるという悪循環に陥ることもあります。
🟠変形性膝関節症の原因
原因は関節軟骨の老化,外傷,
肥満,素因(遺伝子)などが考えられています。
女性には,関節の老化が原因で変形性膝関節症になる方が多くみられます。
骨の表面を覆う軟骨の水分が少なくなって弾力性が失われ,すり減ってくることが原因と思われます。
ひどくなると,軟骨がまったくなくなって直接,骨と骨がぶつかるようになります。
同時に骨に力がかかり,よけいな骨が棘のように出っ張ってきたりして変形を生じます。
骨粗鬆症も気になるところです。
🟠日常生活で心がけること
普段から,できるだけ膝に負担をかけないよう注意しましょう。
⭐︎太り過ぎない
ウェイトコントロールを心がけましょう。
体重が重くなると膝に大きな負担がかかります。
体重が3kg増えると,歩くとき膝に最低でも9kg以上の負担が加わります。
⭐︎階段の手すりを利用しましょう
無理をせず,関節の負担を避けるため,階段などは手すりを利用しましょう。
⭐︎杖を使いましょう
杖をつくと膝の負担が防げます。
長歩きしない 歩くことはいいことですが,痛いのを我慢して歩き過ぎないよう心がけることも大切です。
痛み始めてから一生懸命歩くのは逆効果です。
しかし,痛みがあり,安静にしていると膝が弱ってしまいます。
🟠膝の周りの筋肉や骨を強くしていきましょう
膝の周りの筋肉や骨をだんだんと強くしていきたいですね。
筋肉や骨づくりにウォーキングしたいと思われる方もおられると思いますが,外の景色を見て,楽しみながらウォーキングしてくださいね。
気分転換も大切です。
ただし,歩く場所は階段や坂道は避け,平地にしてください。
⭐︎痛みがあり腫れているとき
痛みがあり腫れているときは冷やしてください。
⭐︎慢性的な痛みがある状態
慢性的な痛みには温めるのが有効です。
⭐︎入浴
お風呂に入るだけで温浴効果があります。
⭐︎温水プールで泳ぐ
温水プールで泳ぐのも同じ温浴効果があります。
温水プールで歩くのもいいと思います。
浮力があるので膝に負担をかけず歩くことができ,効果的な筋力トレーニングができます。
⭐︎膝の体操をする
軽症の変形性膝関節症の痛みの軽減には膝の体操が有効です。
予防にもなります。体重をかけずに筋肉を強くするのがポイントとなります。
⭐︎サポーターを使いましょう
膝のサポーターは関節を支えるので歩くときに安心感があります。
また保温機能があるので痛みが和らげられます。
私も年中,BSファインのソフトサポータ−を使っています。
私の大のお気に入りです。
🟠膝が痛まないよう、筋肉をつける努力をしましょう。
変形性膝関節症を予防するためには,膝の周囲の筋肉,とくに太ももの前にある大腿四頭筋を鍛えることが大切です。
また,膝関節の動きをよくするため,からだの体幹を鍛えて,からだの均衡を保ちながら,膝のストレッチもしていきましょう
🟠膝のストレッチをするよう心がけ
てみませんか?
⭐︎膝の周辺の筋肉を伸ばすス卜レッチ
1 あお向けになり,片方の太ももの
裏を手でかかえます。
2 かかえた足を痛みがない程度に胸
に引き寄せ,5秒間止めます。
3 動作1,2を5~10回くり返し,
反対側も同様に行います。
⭐︎太ももの裏の筋肉を伸ばすス卜レッチ
1 足を広げて座り,片方の足を曲
げ,もう一方の足を伸ばします。
2 背筋を伸ばしたまま,伸ばした足
の方向に身体をたおしていきます。
そのまま,10秒間止めます。
3 動作1,2を5~10回くり返し,
反対側も同様に行います。
⭐︎太ももの筋肉をつける足上げトレー二ング
1 いすに腰かけ,こぶし2個くらいの
幅に丸めた夕オルを左右のひざの
間に挟みます。
2 膝を伸ばした方の足をゆっくり上げて,床から10cmのところで5~10秒間止めます。
その後,ゆっくり下ろします。
3 動作1,2を10回くり返します。
⭐︎太ももの裏を伸ばすトレー二ング
1 足を広げて座り,片方の足を曲げ,
もう一方の足を伸ばします。
2 背筋を伸ばしたまま,伸ばした足の方向に身体をたおしていきます。
そのまま,10秒間止めます。
3 動作1,2を5~10回くり返し,反対側も同様に行います。
筋肉も使わないと萎縮してしまいます。
人間は2本足で立つ動物ですから,重力に負けないで直立姿勢を保つ筋肉が必要です。
ところが、痛みが出ると筋肉を使わなくなる。
使わないと筋肉が落ちる。この悪循環を断ち切るためには筋力トレーニングが大切となります。
これは変形性膝関節症の予防にもなります。
それは骨も同じです。
宇宙飛行士が宇宙で無重力状態の中にいると使わないから骨が萎縮します。
地球に帰還すると重力があります。その中で歩く練習をしていくと骨が元の状態に戻ります。
寝たきりの人は骨を使わないから骨が弱くなりますが,また歩けるようになると徐々に戻ります。
話の途中にはなりますが、変形性膝関節症のかたはこちらの記事を参照にしてみてくださいね
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🟠膝痛の軽減に役立つ体重コントロール
定期的に体重計に乗っていますか? 実は,膝の痛みには体重が大きく関係しています。
体重が増えれば増えるほど,当然ながら膝にかかる負担が大きくなるほか,膝に痛みがあると運動不足になり,さらに体重増につながるという悪循環に陥りがちです。
⭐︎食事
摂取カロリーを抑えつつ,1日3食きちんと食べるのが基本です。
主食・主菜・副菜を組み合わせて,必要な栄養素をバランスよく摂取しましょう。
代謝をサポートする「ビタミン」「ミネラル」を含む食材を積極的にとり,野菜・きのこ類・海藻類は1日に350g食べることを心掛けてください。
反対に,甘いものや脂っこいものはできるだけ控えましょう。
同じ量の食事でも,ゆっくり食べたほうが満足感を得やすくなるので,食べ過ぎを防ぐためにも,しっかり噛んで食べましょう。
🟠膝痛に効くツボを利用した血流改善
膝に痛みがあると血行が悪くなり,痛みを生み出す発痛物質が放出されて,ますます痛みが増強されてしまいます。
この「痛みの悪循環」を断ち切る方法として,血行促進が有効です。
血流が良くなると,発痛物質が押し流されて筋肉の緊張もほぐれるため,痛みを和らげる効果があるとされています。
東洋医学では,ツボへ刺激を与え て血流を促します。
膝の痛み対策に効果的なツボを知り,ケアしていきましょう。
ツボについては,あとのブログで,お話しさせていただけばと思います。
毎日,散歩をするなどの有酸素運動と,大腿四頭筋を鍛えるストレッチなどを続けているうちに,膝痛が軽くなったという人もたくさんおられます。
無理のない範囲で生活習慣を見直して,習慣として,膝痛を改善していきましょう。
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