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私の料理コンクールエピソード

フランスレストラン文化振興協会(略称、APGF)note編集部員です。
APGF公式noteの 第三回目の記事は、1993年第2回FFCCフランス料理コンクール(APGF料理コンクールの前身)で優勝されたAPGFの福本渉理事からのメッセージです。
是非、福本理事の貴重なコンクールエピソードをお楽しみください。


料理コンクールの案内を受け取って

私の料理人人生で幾度か料理コンクールに挑戦した中でFFCCの料理コンクール(APGF料理コンクールの前身)での経験は今でも強く印象に残っています。

約一年ほどのFFCC上級フランス料理研修から職場に戻り、研修で得た知識、技術、経験を私たちのお客様に提供する料理に活かし、今まで以上の機内食の品質向上を目指し日々の業務に没頭していた中で料理コンクールの案内がありました。

多忙な業務をこなしながらも料理コンクールという場で自分自身の能力を試してみたいという気持ちで臨んだ舞台でした。

課題の確認、レシピ作成、試作、作品の写真撮影を経て書類を揃え応募した結果、予選通過の通知をいただき決勝での実技に向けた準備を進めることになりました。

コンクールが終わった後で他の選手の写真を見て、皆さんがきれいな写真を撮影し提出していたのに比較し私の写真は自分が持っていた、当時の“コンパクトカメラ”での撮影で画像も他と比べ見劣りするものでした。よくこの写真で予選をパス出来たな・・・とその時思ったものです


決勝戦に臨む

予選を通過し決勝に残った以上、決勝ではとにかく美味しい料理を作ることを目標に通常業務が終わった後に、何度も練習を重ね作業の組み立て、時間管理、キュイッソン、味の確認を繰り返し、決勝に臨んだ結果、作業もスムーズに進み時間内で自分の納得のいく仕上がりで、作品を提出することが出来ました

当時最先端のFFCCキッチンの厨房設備も一助になり練習よりも良い仕上がりになったことを記憶しています。


審査結果発表とコンクールで得た貴重な財産

発表までの待ち時間の間は何とも言えないものでしたが、しっかりやるべきことは出来たかなとの充足感が心地良かったことも正直なところでした。

結果発表の場で3位、準優勝の方の名前が呼ばれ最後に自分の名前が呼ばれたときは身震いをしていました。

審査委員長の小野正吉ムッシュから表彰状をいただいたときには、本当に胸が熱くなったことを覚えています

表彰式後のパーティーで小野ムッシュからお前の料理が一番うまかったとのお言葉をいただいたことそれからの自分の料理人人生の中で大きな糧となったこともこのコンクールで得た貴重な財産であったことを確信しています。

APGF理事   福本 渉


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優勝作品:鱸のポワレ タプナード風味のマティニョン フヌイユのコンポート添え

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